福島県市長会事務局

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平成26年度県予算編成に対する要望

 
◆総務部関係

他自治体からの避難者受け入れに伴う行政サービスへの
財政措置について

 原子力発電所事故に伴い、今なお多くの県民が避難生活を送っている。
 一方で、避難者受入自治体においては、人口の増加に伴い行政サービスに係る財源確保が課題となっている。
 よって、他自治体からの避難者受け入れに伴い生じている特例事務以外の受け入れ先自治体が独自に行う行政サービスについても、受け入れ先自治体に費用負担が生じることのないよう特段の措置を要望する。


東日本大震災による住宅再建における消費税法改正の
緩和措置について

 被災者の住宅再建を図るため、防災集団移転促進事業などの住宅団地整備に全力で取り組んでいるところである。
 自治体としては、家屋が流出する等甚大な被害を受けた被災者の住宅再建に際し、過度の支出負担を強いることがないよう、可能な限り軽減するための措置を講じる必要がある。
 そのような中、消費税法改正により、平成26年4月1日から税率が引き上げられることになれば、更なる負担を強いることは明らかであり、住宅再建を断念せざるを得ない被災者が出てくることも懸念される。平成25年9月末までに工事請負契約を締結すれば、平成26年3月までに住宅が引渡しされなくても良いという経過措置が講じられるものの、現在、造成を行っている宅地のほとんどが、経過措置期限内に分譲することはできず、その恩恵を受けることはできない。
 よって、被災者の住宅再建における消費税増税に対しては、経過措置の延長や増税分の給付措置が図られるよう特段の措置を要望する。


地方税等の減収補てんについて

 平成24年度の土地及び家屋に係る固定資産税については、原子力災害に伴う損耗残価率の適用(土地は90%、家屋は70%)により大幅減収となり、平成25年度についても、前年度と同様に大幅な減収になる見込みである。
 普通交付税の算定においては、基準財政収入額の考え方から、固定資産税等の減収分の75%は補てん措置されるが、残りの25%については何ら補てんされない仕組みとなっている。
 固定資産税と連動した都市計画税についても大幅減収になるが、この減収分は普通交付税の算定の対象外であるため、補てんが全くない状況である。
 よって、普通交付税に措置されない地方税減収分の全額財政措置及び避難者や風評被害を受けた事業者の救済のために講じた入湯税、温泉使用料等の減免措置による減収分の対応が図られるよう特段の措置を要望する。


地方税財源の充実確保について

 地方財政は、リーマンショック後の経済危機の影響を引き続き受けており、地方税収も未だ十分な水準まで回復していない状況である。
 また、社会保障関係費の自然増や防災・減災事業、地域の活性化等の課題に対応するために必要な財源が年々増加している。
 よって、安定的な財政運営に資するための地方税財源の充実強化を図るよう、次の事項について要望する。

1.地方の固有の財源である地方交付税の総額確保、地方税財源のさらなる充実を図ること。

2.消費税率引上げに伴う地方交付税の原資分については、臨時財政対策債の発行や一般会計からの特別加算等により補てんがなされている恒常的な地方交付税の財源不足に対しての補てんではなく、地方交付税総額を純増すること。

3.地方交付税の別枠加算を継続すること。

4.普通交付税の減額や税制改正などにより被災自治体の財政運営に大きな影響を及ぼしかねない事態が懸念されるため、被災地である特殊事情を考慮した財政支援措置を講じること。

5.震災復興特別交付税について、事業完了まで継続すること。


国による地方交付税削減への対応について 

 平成25年度の地方交付税については、国と地方の十分な協議が行われないままに、国家公務員同様の給与減額を前提に算定され、減額が行われた。
 このことは、本来、公平・中立的な知見を踏まえ、住民や議会の意思に基づき各自治体が自主的に決定すべき地方公務員の給与決定のあり方に反するばかりか、地方の固有の財源である地方交付税を地方公務員の給与削減のために用いるものであり、地方分権の流れに反し、誠に遺憾である。
 国においては、「日本再興戦略」の推進により、円高・デフレから脱却し強い経済を確実に取り戻すためにも、内需の拡大を図り、全国津々浦々まで地域経済を堅調に乗せることが求められている。こうした中で、地方公務員給与の大幅な削減の長期化は、地域経済へのマイナス効果の拡大が懸念される。
 よって、平成26年度以降において、平成25年度のような地方公務員給与の一方的な減額を前提とした地方交付税の減額措置を行わないよう国に対して働きかけられるよう要望する。



◆企画調整部関係

原子力災害からの復旧・復興に向けた支援等について

 原子力災害は未曾有の災害であり、多岐にわたって大きな影響を及ぼす災害となっている。原子力災害は、震災からの復旧・復興と異なる前例のない長期間の財政負担を要することとなり、県全体の復旧・復興には原子力災害に特化した施策を国が責任をもって展開することが不可欠であり、また、現地において状況を的確に判断・対応する必要がある。
 よって、原子力災害の早期収束へ向けた着実な取り組みとともに、正確な情報の提供に努め、施設の長期的・安定的な安全管理が図られるよう、次の事項について要望する。

1.現行法体系にとらわれない特別措置をその時々の情勢に則し速やかに実施すること。

2.国が設置する現地対策本部については、権限と財源及び人員を充実・強化すること。

3.放射能被害からの復興に向けた財政支援について国に働きかけら れるとともに、復興のための交付金制度は、市町村の復興計画に応 じて自由裁量を認めること。


震災復興計画の着実な推進について

 一刻も早い復興を図るため「福島県復興ビジョン」に基づき「福島県復興計画」が策定されているが、大震災からの早期復興を図るためには「福島県復興計画」の迅速かつ着実な推進が重要であることから、これら予算の確保を要望する。
 また、各自治体が策定する震災復興計画を計画的、効果的に進めるためにも県においては復興に向けた取り組みに対する総合的な相談、支援窓口の設置や震災復興計画への統一的な財政支援制度の創設を要望する。


原子力災害被災地の復興に向けた研究拠点の形成について

 原子力災害被災地においては、様々な業種での事業活動が大きな打撃を受け、多くの事業所で再開見通しがつかない地域も生じている。
 このような中、国内の研究機関等と地域の企業群との結び付けを図り、将来に向けた技術の創出を図ることが必要となっている。
 よって、原子力災害被災地の復興に向けて、様々な分野にわたる研究機関を原子力災害被災地に設置し、研究拠点の形成を図るよう要望する。


防災集団移転促進事業における移転促進区域の
用地取得要件の緩和について 

 東日本大震災による津波の被害が甚大な被災3県においては、市町村が住民の居住に適当でないと認められる地域を移転促進区域として設定し、その区域からの集団的移転を促進するため、東日本大震災復興交付金を活用して集団移転促進事業を実施している。
 この事業では、実施主体である市町村が、移転促進区域内の土地を取得することができるとされているが、現行制度では、宅地および介在農地のみが取得でき、その他山林、原野等の土地は取得できないこととされている。
 土地を取得した市町村が、その土地の活用計画を策定する際、部分的に取得した状態では、有効な土地利活用方策が検討できないばかりではなく、移転促進区域内に居住していた被災者にとっても、買取対象外の土地の資産価値が著しく減少し、個人としての利用価値もなく、維持管理上の負担だけが残ることになる。
 よって、防災集団移転促進事業における用地取得の要件については、市町村が設定した住民の居住に適当でないと認められる移転促進区域のすべての土地を取得できるよう、制度内容の緩和が図られるよう要望する。


再生可能エネルギー普及の推進について 

 今般の震災・原子力災害を受け、電気の安定供給が困難となってきており、企業はもちろん一般家庭においてもより一層の節電対策が求められていることから、次の事項について要望する。

1.再生可能エネルギー事業可能性調査補助金を平成26年度以降も継続するとともに、導入等に対する支援制度の更なる拡充を図ること。

2.再生可能エネルギー導入等による防災拠点支援事業については、平成27年度までの事業とされているが、短期間での防災拠点整備は困難であることから、事業年度を延長すること。

3.バイオマス発電を核としながら、太陽光発電と風力発電、地熱発電、波力、潮力などの海洋発電などによる“再生可能エネルギー基地”を形成し、全市の消費電力を“再生可能エネルギー基地”で賄うことができるようなまちづくりに対する総合的な支援を行うこと。

4.木質バイオマス発電施設建設に対する補助率を嵩上げすること。また、将来の安定的な運営のため、県内における、間伐材、建設廃材、発電チップの原材料等の安定供給に向けたシステムづくりを支援すること。

5.住宅用太陽光発電システムの設置をさらに進めるため、住宅用太陽光発電設備設置補助事業に係る予算を平成26年度以降も継続すること。

6.ペレットストーブ、薪ストーブ、太陽熱利用等の住宅用新エネルギー設置に対する支援制度を拡充すること。

7.浮体式洋上風力発電実証実験への積極的な支援を図るとともに、関連産業の集積に向けた調査研究の実施、風力発電の研究や試験を行う拠点施設の誘致、海域利用に係るコンセンサスの形成及び漁業者との共存に向けた取り組みなどを行うこと。


災害公営住宅の整備について 

 東日本大震災と原子力発電所事故に伴う被害により、多くの住民が県内各地の応急仮設住宅での生活を余儀なくされているが、復旧には数多くの難問を抱えることから、解決には長い時間を要することが予想される。
 現在、避難指示区域では、早期帰還を目指すべく除染をはじめライフラインの整備を行っているところであるが、住民の不安が解消されるまでには至っていない。
 県では、原発避難者を対象とした復興住宅の整備(計画3,700戸)を発表したところであるが、その計画戸数には避難指示解除準備区域の住民の入居意向は加味されていない状況にある。
 よって、避難指示解除準備区域の住民が安心して暮らせる住宅の提供を行えるよう、避難指示解除準備区域の住民を対象とした災害公営住宅の整備を要望する。



◆生活環境部関係

生活バス路線に対する支援措置について

 生活バス路線は、モータリゼーションの進展に伴い、路線数・利用者数ともに年々減少の一途を辿っている。
 自治体においても高齢者や年少者などの交通弱者を守るため、便数維持に努めているが、自治体における財政負担は増大している。
 県においては、「市町村生活交通対策事業補助金」等により、各市町村を支援しているが、補助対象・補助率が限られていることから、未だ十分ではない状況にある。
 よって、自治体バス運行などの市町村生活交通路線について、引き続き補助を行うとともに、次の事項について要望する。

1.「市町村生活交通対策事業補助金」における輸送量などの要件緩和及び補助率の拡充を図ること。また、道路運送法第78条第2号に定める自家用有償旅客運送のうち、市町村が運営主体となる市町村運営有償運送を補助対象としているが、同法同条に規定する特定非営利活動法人等が運営主体となる過疎地有償運送についても、補助対象とすること。

2.「地域公共交通確保維持改善事業」について、市内完結バス路線や地域内フィーダー系統路線を対象とするなど補助対象の拡充を図ること。
 
3.バス路線の維持のほか、バス待合所整備など付帯的な部分も含め、公共交通の利便性を高める市町村、交通事業者及び地域の取り組みに対して財政支援を図ること。


JR常磐線の早期再開について

 JR常磐線は、東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故から2年以上経過した現在においても、浜吉田駅~相馬駅間、原ノ町駅~広野駅間が依然として運行休止となっている。
 同線は、相双地域において極めて重要な幹線であり、このまま運行休止が続けば、地域の復興はもとより住民生活や経済活動に大きな影響を及ぼすことは必至である。
 よって、次の事項について特段の措置を講じられるよう要望する。

1.浜吉田駅~駒ヶ嶺駅間については、ルート及び各駅舎を内陸側に移設することとして事業基本計画変更及び鉄道施設変更の認可がなされ、平成29年春には運行再開の見込みであるが、工事期間の短縮等により更なる早期復旧と運行再開を図ること。

2.原ノ町駅~広野駅間については、今後の避難指示区域解除等の動向に合わせ、速やかに公共交通の確保を図ること。


鉄道軌道輸送対策事業費補助について

 鉄道軌道輸送対策事業費補助については、中小の鉄道事業者を対象に、保安度の向上又は輸送の継続に資するための既存施設の改良・更新を支援するために、鉄道事業者に対し補助をするものであるが、地域鉄道が保有する車両や橋梁、トンネル等は急速に老朽化が進んでいる一方、事業者の経営状況は厳しさを増している。
 よって、老朽化施設対策への予算増額を含めた支援拡充など、地元自治体の補助にあたり、県の協調補助による市町村の負担軽減が図られるよう要望する。


阿武隈急行緊急保全整備事業費等補助について

 阿武隈急行緊急保全整備事業費等補助については、地域の振興及び住民福祉の増進に寄与するため補助を行っているところであるが、阿武隈急行線の安全運行の確保及び住民の生活交通の維持、確保を図るため、引き続き県の協調補助が行われるよう要望する。


救急業務高度化推進事業補助金の継続について

 東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により避難者を受入れている自治体においては救急件数が増加している状況にある。
 このため、救急搬送体制を強化することが重要課題となっているが、2年間の震災復興措置として実施されている本事業が廃止となった場合、消防本部での高規格救急車の整備や救急救命士の養成を図ることが財政上大変厳しいものとなる。
 よって、計画終了後も県内消防本部において安定的かつ持続的に救急医療が提供できる体制を構築するため、救急業務高度化推進事業による支援を平成26年度以降も継続するよう要望する。


防災・減災対策に対する財政支援について

 東日本大震災を経験し、住民の防災に対する関心が高まりつつある中、市町村における更なる防災体制の強化と住民一人ひとりの防災意識の高揚を図ることが求められている。
 よって、市町村において、防災・減災のまちづくりを進めるにあたり、次の事項について特段の措置を講じられるよう要望する。

1.学校を除く避難所施設、福祉避難所及び避難所併設小規模備蓄倉庫等避難所施設の耐震化及び長寿命化対策に対する財政支援を図ること。

2.避難所用設備、備蓄非常食等の避難者用応急備品の整備及び避難所誘導案内板等整備に対する財政支援を図ること。

3.市町村または広域行政等で実施する防災訓練等に対する財政支援を図ること。


原子力損害賠償の適正な実施及び迅速化について

 原子力損害賠償は、被災地に寄り添い、長期的な視点に立った対応が必要となる。
 よって、次の事項について特段の措置を講じられるよう要望する。

1.原子力損害の賠償に関する法律第3条に基づく各被災自治体による損害賠償請求については、原子力損害賠償紛争審査会の中間指針に基づき完全賠償とするよう東京電力に対し強く指導するとともに、早期解決に向けた積極的な措置を講じること。

2.被災者に対する総合的かつ継続的な相談体制の確保を図るため、国及び東京電力が主体となり、各種窓口を一元化するとともに、総合的な判断が出来る総括責任者を常駐させること。

3.被災者が公平に賠償を受けられるよう、文部科学省設置の原子力損害賠償紛争解決センターが行っている和解仲介等のこれまでの事例を基に、原子力損害賠償紛争審査会が定める指針に賠償の基準を明確に盛り込むこと。

4.原発事故により風評被害を受けた観光業者及び商工業者や、農産物の出荷制限や風評被害など全ての損害について、補償内容及び手続きを明確にするとともに、迅速かつ適正な賠償を行うよう、東京電力に対し強く指導すること。

5.市民や企業が自ら行った除染費用については、東京電力が全額賠償するよう強く指導すること。

6.放射能による不安や精神的苦痛を抱えたまま生活を余儀なくされている現状を受け止め、引き続き自主的避難等に係る損害について、被害の実態に見合った賠償が誠実になされるように努めること。

7.旧屋内退避区域と旧緊急時避難準備区域における避難指示区域解除後の賠償期間の公平な取扱いを行うとともに、旧屋内退避区域に係る財物賠償の早期決定をすること。

8.原子力災害に係る損害賠償請求権について、全ての被災者が一律に時効の問題から救済されるべく、消滅時効の排除を規定する立法措置を講じること。


カーボンオフセット取り組みへの支援について

 企業等が自ら削減することが困難な温室効果ガスについて、他の場所で実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量を購入すること等で埋め合わせるカーボンオフセット制度が注目されている。
 よって、都市部の企業等がカーボンオフセット活動に取り組みやすい環境を作り出すための研究を進め、また、山村部で取り組む団体に対し、各種制度に対する申請手続きや検証への支援等に取り組むよう要望する。


有害鳥獣(ツキノワグマ、サル等)被害対策に係る支援について

 近年、県内各地でクマの目撃情報、被害情報が増加し、特に、人への負傷事故や生活区域に出没したツキノワグマは、その習性から、出没を繰り返すことによる被害の拡大が心配される。
 また、サル・イノシシ・カラス等の有害鳥獣による農作物被害の区域も年々拡大し、農家の生産意欲を減退させ、日常生活においても不安を抱えているところである。
 よって、地域住民の安全の確保と農作物被害や森林被害を軽減するため、次の事項について要望する。

1.ツキノワグマ、サル、イノシシ等の個体数調査や生態調査等を実施し、個体数調査に向けた保護管理計画の早期再検討を行うこと。

2.昼間行動し人里を縄張りにする新世代のクマが増えていることや、以前は見られなかったイノシシの被害が急速に増えていることから、これら有害鳥獣の生態調査を早急に行い、効果的な対策に役立てること。

3.捕獲時に早急かつ安全に対応できるよう、麻酔銃が使用できる者の配置と県及び警察の協力体制の確立並びに専門的知識を有する人材を育成すること。

4.有害鳥獣捕獲許可申請の許可事務については、地域住民の安全安心のために今後も迅速な事務処理を実施すること。また、ツキノワグマの捕獲許可権限については、いち早く住民の生命財産を保護する必要から、希望する市町村に早期全面移譲すること。

5.市町村が単独で実施している、有害鳥獣捕獲駆除にかかる経費や住民を対象に実施している農作物被害対策補助等にかかる費用に対する県の支援制度を確立すること。

6.森林環境税を活用した集落周辺の森林整備と緩衝帯設置等の支援策を拡充すること。

7.クマ剥ぎ被害の原因の究明と被害防止のための効果的な対策を実 施すること。

8.雑木や雑草が繁茂した河川内は、クマにとって恰好の移動ルートや一時的生息場所となっているため、市街地への出没ルートに当たる河川雑木及び雑草の計画的な伐採を実施すること。

9.猟友会会員の減少は全県的に顕著であり捕獲・駆除を行う人材の育成確保が急務である。このため今後の捕獲業務を担う人材育成確保及び狩猟装置整備等のための支援等を充実すること。

10.群れで移動するサルなどは市町村境界を越えた広域的な被害が見 られるため、県と市町村が連携した効果的な被害防止施策や体制の 構築を図ること。


合併処理浄化槽設置整備事業の予算確保並びに合併処理
浄化槽維持管理費に係る県費補助制度の創設について

 自治体においては、合併処理浄化槽設置整備事業を実施し、その設置普及に取り組んでいるところであるが、浄化槽法及び建築基準法の一部改正に伴い、浄化槽新設時における合併処理浄化槽の設置が義務づけられていることや、水環境の保全を図るため、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への切り替えにも努めていく必要がある。
 このような状況の中、平成21年度から新築住宅の合併処理浄化槽設置に対する県浄化槽整備事業費補助金の廃止や同補助金の削減など県費負担の改正等が行われ、自治体の負担が増加する事態となっている。
 よって、合併処理浄化槽設置整備事業の促進と補助金の確保及び合併処理浄化槽使用者の負担軽減と適正維持管理の促進を図るため、県費補助制度の創設を要望する。


 除染対策事業の推進について

 原子力発電所事故により流出し、地表等に滞留している放射性物質は、除染することが最善・最適な解決策であり、国及び東京電力が全額費用を負担し、一刻も早く除染事業を実施することが急務である。
 よって、次の事項について要望する。

1.仮置き場設置における住民理解は、中間貯蔵施設の設置が前提であることから、環境省で示している工程表どおりの中間貯蔵施設の設置と、除染作業により生じた汚染土壌等の搬出時期を明確にすること。

2.仮置き場における国有林など積極的な国有地の提供について国に働きかけられるとともに、県においても仮置き場として設置可能な県有地の情報提供と整備を図ること。

3.放射性物質を含む全ての下水汚泥は放射能濃度に関わらず、適正に処理するため減容化対策の施設整備と最終処分場を県において確保するとともにそれらに係る財政支援を図ること。

4.農業系汚染廃棄物について、農家による一時保管を固定化しないために県主導による仮置き場の設置や焼却施設等の減容化施設を整備すること。

5.果樹剪定枝、稲わら・たい肥等の副産物、暫定許容値超過のために飼料に出来ない牧草、出荷制限となった農産物等や放射性物質によって汚染されたイノシシ等の有害鳥獣の捕獲等の処分については、国の責任において仮置き場及び焼却施設を早期に設置すること。

6.地上保管に係るコンクリート製品の使用、汚染水処理方法、除去土壌の減容化などの新たな工法を「除染関係ガイドライン」に登載すること。

7.除染事業については、市町村の財政負担も含め、各市町村に現地担当者を配置するなど国の全責任において実施すること。

8.国の方針に先んじて独自に行った除染については、補助制度がない状態であるため、福島県民健康管理基金などを活用した補助制度を創設すること。

9.除染に伴う原形復旧措置に関する制限を緩和するとともに、原形復旧する対象物について実態に即した標準単価を設定するなど、全額を財政措置の対象とすること。

10.効果が低かった場合や再汚染した場合など、何度も除染を実施できることとし、その除染経費について財政措置の対象とすること。

11.大規模事業所等に係る除染について具体的な手法を確立するとともに、国の責任において除染すること。

12.新たな除染手法・技術を検証し、より有効な手法は積極的に採用するとともに、自治体がすぐに採用できる体制を整備すること。

13.表土除去後の覆土に要する経費について、厚生労働省所管の施設(保育所)を早急に補助対象事業として認めること。

14.池沼、河川、山林等の除染について国の責任で除染を実施するよう国に働きかけられるとともに、県管理の市街地を通る道路や河川の除染を早急に行うこと。

15.低線量地域の中で局所的に線量が高いホットスポットの除染について、除染に伴い発生した土壌の処理の明確化及び8,000Bq/Kg以下の廃棄物の中間貯蔵施設への搬入及び所要の財政措置を講じること。

16.有効な除染手法を各市町村間で共有する仕組みづくりを行うため、除染事例の情報交換を行う場を設けること。

17.長期間にわたる除染作業を確実に実施するため、除染対策事業  交付金の財源確保と除染手法等の取り扱いについて、速やかに柔  軟に選択する等の自由裁量を認めること。

18.県線量低減化活動支援事業や他の事業で公園、学校、保育所を  除染し設置した仮置場(一時保管場所)の事後モニタリングや管  理費を除染対策事業交付金の対象とすること。

19.除染実証実験で認められた方法について、設計積算単価を示す  こと。

20.長期間にわたる除染作業を安全・確実に実施するため、県内に日本の中心的放射線の研究所を設置すること。

21.個人や企業が、市除染実施計画に準じて独自に行った除染費用については、東京電力へ直接求償する仕組みを早急に確立すること。


自主避難者等に対する生活再建支援について

 原子力災害により避難している方への生活再建の支援を図るため、被災自治体が取り組む復興事業に対する財政措置等について、次の事項について特段の措置を講じられるよう要望する。

1.子ども・被災者支援法の基本方針を早急に定め、法及び基本方針に基づく自主避難者を含めた避難者対策を速やかに実施すること。

2.福島定住等緊急支援交付金及び長期避難者生活拠点形成交付金制度の適用にあたっては、被災地域の復興に向けた弾力的な運用を行うとともに、次年度以降も必要な予算を確保すること。

3.避難者のふるさとへの早期帰還に向けた住宅環境の整備などを早急に行うとともに、仮設住宅入居者に対する介護施設整備等、介護サービスの提供について十分な対策を図ること。


 
◆保健福祉部関係

国民健康保険事業に対する財政支援について

 医療保険制度の中核として重要な役割を担ってきた国民健康保険制度は、所得者や高齢者を多く抱えるなど構造的な問題を抱えており抜本的な改革が必要となっている。
 また、東日本大震災、原子力災害の影響による国民健康保険税収入の減少や医療費が増加傾向にあることなどにより国保財政は危機的な状況に陥っている。
 よって、次の事項について特段の措置を講じられるよう要望する。

1.社会保障制度改革国民会議からの最終報告及び諸般の情勢等を勘案し、国保の安定的かつ持続的運営ができるよう、都道府県と市町村の適切な役割分担のもと国保の広域化の早期実現にむけ、実効ある措置を講じること。

2.東日本大震災の影響を考慮し現行の国民健康保険調整交付金要綱に定める「保険者の責めによらない特別事情に対する支援」のうち、「その他特別な事情に対する支援」を来年度以降も継続すること。

3.国庫負担割合の引上げなど国保財政基盤の拡充・強化を図り、国の責任と負担において、実効ある措置を講じること。特に、低所得者層に対する負担軽減策を拡充・強化するとともに、低所得者を多く抱える保険者への支援を強化すること。

4.国保保険料(税)の収納率による普通調整交付金の減額措置を廃止すること。

5.保険給付の負担増などに対する財政支援について特別の措置を講じるとともに国の財政支援についても働きかけられること。

6.各種医療費助成制度等市町村単独事業の実施に伴う療養給付費負担金及び普通調整交付金の減額措置の廃止又は補填などの支援策を講じること。

7.特定健康診査に係る財政措置など十分な支援策を講じること。
 また、特特定健康診査・特定保健指導の実施率等による後期高齢者医療支援金の加算・減算措置を撤廃すること。

8.特定健診・保健指導の義務化に係る保健師等の確保対策について十分な財政措置を講じること。


地域支え合い体制づくり助成事業の延長について

 震災後2年以上が経過している現在においても、今なお仮設住宅での生活を強いられている高齢者が数多くいることから、これらの者に対する相談、生活支援、見守り等のケアが必要となっている。
 また、仮設住宅の設置期限については、平成27年3月まで延長されたところであり、仮設住宅居住高齢者の見守りや生活支援を継続して実施していく必要がある。
 よって、平成26年度においても、地域支え合い体制づくり助成事業を継続して実施するよう要望する。


介護保険事業への支援について

 介護保険制度について、要介護認定者やサービス利用者の増加とともに、介護保険給付費や介護保険料は増加の一途をたどっており、全国的にも大きな課題となっている。
 介護保険制度は、高齢者福祉を支える大きな柱であり、今後ますます増加が見込まれる介護ニーズに対応するためには、当該制度を維持していくことが必要不可欠である。
 よって、次の事項について特段の措置を講じられるよう要望する。

1.将来にわたって自治体の財政負担が過重とならないよう、十分かつ適切な措置を講じること。

2.介護給付・予防給付の費用負担について、公費負担の割合を大きくするよう見直すとともに、国と地方の負担割合を見直し、国の負担割合を大きくすること。

3.低所得の高齢者が支払う介護保険料の軽減並びに軽減に対する補填について、国の責任において財政措置を含め総合的かつ統一的な対策を講じ、早期に実施すること。

4.介護給付費負担金については、各保険者に対し給付費の25%を確実に配分し、現行の調整交付金は別枠化すること。

5.想定を上回る介護保険給付の負担増に対し、被災自治体の実情を勘案して、現在交付している調整交付金の優先的な配分や、新たに臨時交付金の創設を実施するなどの財政支援を図ること。

6.保険料水準の抑制策を図ること。

7.介護職員確保に係る支援について
 (1)原子力災害の影響により一層深刻化している福祉・介護分野における人材不足の解消を図るため、「生活環境整備事業」を避難解除等区域以外の自治体も対象とし、財政支援を講じること。

 (2)「新規採用職員住まい支援事業」及び「新規採用職員就労支援金支給事業」の補助対象者の条件としている「正規雇用」の条件を外すとともに、介護職員に限らず、介護支援専門員や事務職員・栄養士等、全ての職種に拡大すること。

 (3)「新規採用職員中堅介護職員就労支援事業」について、新規職員に限った加算は実施困難であることから、職員の定着を図るためにも、施設職員全体への加算について検討すること。

 (4)常設の介護職員養成事業について、県が主体となり受講者の募集や就職面談会の開催等を含め総合的な施策として実施すること。なお、実施にあたっては、受講料を無料にする等、受講者の経済的負担を極力軽減すること。


18歳以下の県民医療費無料化に係る財政支援について

 平成24年10月から18歳以下の県民の医療費が無料化されたが、小学校1年生から3年生までは各市町村が独自に助成を実施していることから、県補助対象者は小学校4年生から18歳以下となっている。また、就学前の子どもについては、現行の乳幼児医療費助成事業補助金制度で対応している。
 このように子どもの年齢によって取扱いや要件、財源が異なることは事務管理が繁雑になるうえ、複雑化した制度は住民の混乱を招くことから、次の事項について要望する。

1.現行の乳幼児医療費助成事業補助金交付要綱を廃止し、制度の一本化を図り、小学校1年生から3年生も含めた、0歳から18歳までの医療費全額の補助金を交付されるとともに、現行制度において補助対象外とされている審査支払手数料についても補助対象とすること。

2.医療費の自己負担にかかる部分の助成ばかりでなく、国民健康保険制度における国・県支出金の減額措置分及び医療給付の波及増分についても助成すること。

3.当該制度が持続して運用できるよう継続的な財源確保を図ること。


保育所等給食検査体制整備事業補助金の継続及び拡充について

 子どものより一層の安全・安心を確保するため、安心こども基金を活用した保育所等給食検査体制整備事業補助金が平成24年度に制定されたところである。
 よって、来年度以降も保育所等給食検査体制整備事業補助金を継続するとともに、同補助金を拡充し、検査体制維持のための消耗品等の費用についても補助対象とするよう要望する。


妊婦健康診査の県補助事業制度の期間延長について

 急速な少子高齢化の進行は、労働力人口の減少や国・地方財政への影響、また家庭や地域における子どもの育成環境の変化など、将来のわが国の社会、経済に大きな影響を及ぼすものと懸念されているところであるが、その背景として、女性の社会進出や晩婚化のほか、妊娠から出産、育児にかかる費用の負担感も指摘されている。
 妊婦健康管理の向上と子育て世代が安心して出産できる環境を整えるためには、継続して国、県の補助が必要であることから、補助制度の期限延長を要望する。


幼稚園及び保育所保育料の無償化について

 幼稚園及び保育所保育料の無償化は、すべての子どもに対して質の高い幼児教育及び保育を受ける機会を確保するための環境整備として有意義な政策であるとともに、原子力災害により県外へ避難した避難者の帰還を促す政策でもある。
 よって、次の事項について要望する。

1.保護者負担を軽減するため、幼稚園及び保育所に係る保育料の無償化に必要な予算を確保すること。

2.避難指示解除準備区域及び旧緊急時避難準備区域内の子どもが市立保育所へ入所する場合に自治体独自に行っている保育料の減免による減収に対して財政支援を講じること。


公立保育所の耐震化に係る補助制度の創設について

 保育所を利用している子どもの安心・安全を確保する観点から、保育所の建物の耐震化を図ることは重要であり、東日本大震災級の地震の発生も今後も懸念されることから早急に耐震化が必要な状況である。
 しかしながら、現在、公立保育所の耐震化に対する国、県の補助制度がなく、耐震化を推進するうえで、財源確保は急務となっている。
 よって、公立保育所の耐震化を早期に実施するために補助制度を創設するよう要望する。


保育士等処遇改善臨時特例事業の継続について

 保育所待機児童の早期解消のため、保育士の確保が喫緊の課題となっているが、平成25年度において、人材確保対策を推進する一環として標記事業が実施され、保育士の処遇改善に取り組む認可(私立)保育所に資金が交付される。
 当該事業は、国の財源から福島県安心こども基金を通じて実施されるものであるが、単年度のみの処遇改善では保育士の確保と定着という当初の目的を達成することは困難である。
 よって、継続して事業が実施できるよう必要な予算の確保について要望する。


放課後児童クラブ整備補助金の財源確保と拡充について

 児童福祉法の改正に伴い、平成27年4月から放課後児童健全育成事業の対象年齢が拡大されることに伴い、早急に受け皿となる施設を整備する必要があり、財政支援が不可欠である。
 よって、補助要望すべてに応えられるだけの財源を確保するとともに、補助基準額を増額すること、また、リースによる施設整備についても補助対象とするなど柔軟な対応が講じられるよう要望する。


屋内運動施設及び屋内遊び場の整備及び管理・運営に係る
財政措置について

 子どもの健全な発育には、発達段階に応じて必要な遊びや運動を必要な時期に行うことが不可欠であり、既存の屋内型運動施設だけの対応では全ての子どもたちに運動する機会を提供することは不十分であることから、新たな屋内型運動施設の整備が必要である。
よって、発達段階に応じた運動プログラムを確立するとともに、屋内運動施設や屋内遊び場の整備に係る助成制度の拡大と、施設の管理・運営に要する経費、スタッフの研修を含む新たな人材の育成に要する経費についても財政措置の拡充を講じるよう要望する。
 また、安心こども基金による屋内遊び場確保事業を継続するよう要望する。


社会福祉施設等施設整備費補助金の予算確保について

 社会福祉施設等施設整備費については、障害者の地域移行支援の核となる、グループホーム等の地域で暮らす「住まいの場」、生活介護、自立訓練、就労移行支援等の「日中活動の場」、児童発達支援センターの地域支援機能の強化や障害児入所施設の小規模グループによる療育など、発達障がいを含む障害児支援の充実を図るための整備を対象に補助するものであるが、近年、施設利用者の増加により、新たな施設の整備が急務となっている。
 よって、真に緊急性・必要性の高い施設の早期整備を図るため、必要な予算を確保するよう要望する。


障がい分野における人材の確保について

 平成24年4月の障害者自立支援法等の一部改正により、障害福祉サービス・障害児通所支援を利用する場合、全ての利用者について、平成27年3月までサービス等利用計画(障害者支援利用計画)を作成し、提出が求められることとなった。
 しかしながら、サービス等利用計画を作成する「相談支援専門員」は、一定年数以上の実務経験に加え、「相談支援従事者養成研修」の受講を条件としながら研修受講機会が極めて少ないことなどから、全国的にその数が不足している状況にある。
 よって、相談支援従事者養成研修(初任者研修)の受講機会の拡大を図り、相談支援専門員の必要な人数の確保と質の向上を図るほか、指定特定相談支援事業者の増や、事業者における相談支援の体制の充実に向けた障害福祉サービス(計画相談支援)の報酬体系の見直しについて特段の措置を講じられるよう要望する。


地域生活支援事業費県補助金の予算確保について

 地域生活支援事業は、障がい者及び障がい児が、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、国で定めた必須事業と、地域の特性や利用者の状況に応じ、柔軟な形態をとった市町村事業とで効果的・効率的に実施しているところであるが、地域生活支援事業に対する県の補助率は、要綱により費用の4分の1を補助することができるとしているが、実際には予算の範囲内での補助であり、県補助額は規定に及ばない額となっている。
 法に基づく事業を実施するにあたり、不安定な補助金では適正な事業実施に支障がでるとともに、市町村間でも格差が生まれる可能性がある。
 よって、各市町村が確実に事業を実施し、障がい者への支援を円滑かつ効果的に図られるよう、必要な予算を確保するよう要望する。


健康診査事業等の財政支援について

 がん検診(胃がん、子宮がん、肺がん、乳がん、大腸がん)に係る費用については、平成10年度から国・県負担金(補助金)を廃止し、地方交付税をもって措置(一般財源化)されている。
 平成20年度から措置された健康増進法、がん対策基本法に基づくがんの早期発見等のためのがん検診及びがん予防事業(健康教育、健康相談)などは、住民の健康保持の観点からも保健事業の根幹をなすものであり、重要な事業である。
 よって、健康診査及び健康教育の充実強化を図る観点から、これら事業の財源の確保・拡充を図り、地方負担の軽減について要望する。
 また、国が配布している乳がん・子宮頸がん・大腸がん検診の無料クーポン券について今後も実施されるよう国に対して働きかけられるとともに、県においては、胃がん・肺がん検診などの対象とされていないがん検診のクーポンの配布について要望する。


放射能測定事業に係る財政支援について

 自治体においては、住民の安全を守るため空間放射線量率や食品等の放射能計測を行っている。
 空間線量に関しては、測定機器の貸出しを住民に行ったり、自治体で計測した線量をホームページ等で公開、又は放射線量マップを作成、配布し情報を提供している。
 また、食に関しては、年間を通して測定を行い、飲用井戸水、農作物等食品の放射性物質の量を把握し、安全性の確認、風評被害の払拭に努めていることから、次の事項について要望する。

1.県の支援で購入した機器の校正に関する「線量計等緊急整備支援事業」を今後も継続すること。

2.食品の測定については、市民からのニーズも高く継続していかなければならない事業でもあるため、「放射能簡易分析装置整備事業」を今後も継続すること。

3.水道水の安全確保のため、放射性物質にかかる水質検査を継続して定期的に実施するとともに、摂取制限等緊急時の飲料水確保のための支援体制を早急に確立すること。


在宅当番医制事業の補助制度創設について

 医療体制の充実を図るため、在宅当番医制事業を実施してきたところであるが、国においては当該補助制度の見直しを行い、平成16年度に一般財源化をし、地方交付税により措置している。
 市町村が行う事業は住民と直結した業務がその大半であり、とりわけ在宅当番医制事業は、初期救急医療の根幹をなす事業のため、事業が廃止となった場合、第二次及び第三次救急医療体制にも影響が生じ、地域における救急医療体制の確立が困難な状況となり、住民の生命や生活に多大な影響を与える結果となる。
 よって、事業実施における財源の確保が確実な方法として国の制度改正に関わらず県においては、在宅当番医制事業補助金の一般財源化について見直しを図るよう国に対して働きかけるとともに以前行っていた補助制度を復活されるよう要望する。


地域医療の確保・充実について

 地震、津波、原子力発電所事故に伴う放射能の問題及び風評被害は、かつて経験したことのないものであり、これらの事態は、地域医療の要である医師の招へいにあたって新たな障害となっている。
 また、放射能問題により避難等指示区域以外の地域でも、多くの医療従事者が県外に流出しており、これら医療従事者の確保が急務となっていることから、次の事項について要望する。

1.医師の偏在を踏まえ、地方における勤務医師不足の現状を是正するため、引き続き大学医学部定員について増員を図るとともに、地域の実態を考慮した医療従事者の絶対数確保に実効性のある措置を緊急的に講じること。また、都道府県域を越えた医師偏在の調整や、医師派遣制度の拡大について国に働きかけること。

2.原発被災地へ不足する医師・看護師等の医療スタッフを配置するとともに、原発事故に伴い避難等指定区域以外の地域でも、医師、検査技師、看護師等の医療従事者の流出による人手不足が深刻化していることから、生活環境整備事業の対象とするなど、早急に対策を講じるよう国に対して働きかけること。

3.公的病院への医師派遣事業を継続・拡大すること。

4.派遣医師を増員すること。

5.救急医療機関に対する財政支援及び救急医療に対応できる専門的な医師を充足・配置すること。

6.自治体が実施している看護師確保対策への財政支援を行うこと。

7.地域医療の復興・再生が早急かつ円滑に進むように、地域の医療環境の変化に応じた地域医療再生基金の弾力的な運用を行うこと。

8.地元の医師の確保及び開業医を存続させるために、新規開院時等の財政支援制度を創設すること。

9.地域医療体制、特に救急医療体制の確保のため特別交付税に関する省令に規定されている公的病院等のうち救急告示病院を対象とした交付税措置について、私的病院まで拡大するよう国に対して働きかけること。

10.救急医療体制の充実を図るため、病院群輪番制を強化するためのさらなる財政措置を講じるとともに、医療機関の適切な受診を心がけるよう広く啓発すること。

11.医療機関の甲状腺検査に関する人材育成、機器整備等に対する支援を行うこと。


ホールボディカウンタ導入費用等に係る財政支援について

 原子力発電所事故から2年以上を経過した現在においても、住民の放射線による健康被害に対する不安は未だに払拭されていない状況にありその解消対策は急務である。
 自治体においては、住民の放射線に対する不安を解消し、長期にわたる健康管理のため、独自にホールボディカウンタを導入し、内部被ばく検査を実施しているところである。
 よって、これら整備に要した経費及び長期的な健康管理に要する全ての費用に係る財政措置を要望する。


AED設置基準の制定及び財政支援について

 突然の心室細動に陥った状態に対する一次救命処置として有効な自動体外式除細動器「AED」は、現在、国の設置基準がないうえに支援措置がないため、必要性に鑑み独自に設置する各地方公共団体等は、多くの人が集まる公共施設等に導入するに止まり、全国的に見ても設置数が向上していないのが現状である。
 また、設置後においても、定期的な保守点検が必要になるなど財政的な負担が大きい状況にある。
 よって、早期にAEDの設置基準を定めるとともに、設置及び適正な維持管理の促進を図るため、助成制度を設けるなど総合的な支援措置について特段の措置を講じられるよう要望する。


ワクチン接種事業に係る財政支援について

 近年、国による予防接種制度の抜本的な見直しにより、感染症予防費に要する経費は急激かつ多額の財政負担が生じている状況にある。
 予防接種の制度改革により、感染症予防対策が充実することは望ましく、市民にとっても大変有意義な施策である反面、財源に関する課題が解消されない状況となっていることから、次の事項について要望する。

1.各市町村の財政状況によって県民の健康管理状況に格差が出ないよう予防接種に対して財政支援を講じること。

2.任意の予防接種であるおたふくかぜ・水痘・ロタウイルス・高齢者を対象とする肺炎球菌のワクチンなどの接種費用について、財政支援を講じること。

3.新生児に先天性風疹症候群を引き起こすことを防ぐために成人に対して行う風疹の予防接種を実施する自治体に対し、財政支援を講じること。


水道施設の再構築事業並びに水道施設の安全強化のための
施設整備に対する財政支援制度の確立について

 我が国の水道事業は、水道普及が進んだ昭和30年代に建設された施設が多く、これらの水道施設の再構築事業が大きな問題となっており、加えて、最近の水環境変化から生じる水質問題や、鉛製給水管の使用による水道水の汚染問題に対応し、安全でおいしい水を求める住民のニーズに応えるためにも、高水準の施設に再構築しなければならない状況にある。
 しかしながら、水道施設の再構築事業は莫大な事業費を要し、料金収入の増加にはつながらないことから、水道事業経営に極めて大きな影響が出ることは必至である。
 また、阪神淡路大震災や東日本大震災等、史上空前の大災害による経験から、震災等の大規模災害への対応や米国の同時多発テロを契機としたテロ対策強化への要請に応えるため、水道施設の耐震性能強化及び安全強化に関する事業を推進する必要がある。
 よって、浄水場や基幹管路等の水道施設を近代化する再構築事業や鉛製給水管布設替えに対する財政支援体制及び水道施設の安全強化のための施設整備に対する支援体制の確立が早急に図られるよう要望する。


放射線に対する住民の健康管理について

 原子力発電所事故に伴う放射線による健康被害への不安に対し、引き続き住民に対するきめ細かな対策が求められていることから、次の事項について要望する。

1.内部被ばく検査について、県が実施主体となった検査体制を増強するための経費及び県内市町村が実施する検査を更に推進していくための経費を確保すること。また、測定業務に関する放射線技師等の人件費及び運営に要する全ての費用に係る財政支援制度を創設すること。

2.住民全員を対象とした外部・内部被ばく線量調査を実施し定期的な健診・医療の受診及び相談体制を確立すること。また、特定健診に追加する検査項目に係る経費を確保すること。

3.県外避難者に対する被ばく検査環境の整備を図ること。

4.放射線対策健康管理を推進するため健診(検査)データベース構築後の運用・充実にかかる経費を確保すること。

5.国が定める避難基準値(20mSv/年)以下の地域であっても、住民が原子力発電所事故の被災者であることを公式に認め、住民の長期健康管理(最低30年間)及び疾病対策に全責任を負うことについて国に働きかけること。

6.長期間にわたる健康管理等を安全・確実に実施するため、県内に複数の専門医療施設を設置すること。

7.県民健康管理調査「健康診査」については、避難区域や避難区域外に関わらず、同一の検査項目による検診を行うこと。

8.県民健康管理調査の結果に関して、追跡調査を実施するなど疫学調査をしっかり行い、責任を持って人体に対する放射線の影響を明らかにするとともに、その健康に及ぼす影響に関する正しい知識を啓発すること。

9.特定健康診査及びがん検診などの市民検診の枠組みをなくし、年齢にかかわらず全ての住民に速やかに健康診断を実施できるよう特別の法制化、検診実施体制の整備・支援、市町村・各保険者の財政負担の軽減を図ること。


安定ヨウ素剤の配備と服用にかかる適正な対応について

 放射性ヨウ素による被ばくを阻止または低減するために、吸入する直前の安定ヨウ素剤の服用が効果的であると言われており、原発から数十キロ圏の自治体には安定ヨウ素剤が配備・備蓄されていたが、空前の大事故による混乱の中で安定ヨウ素剤の正しい服用が行われなかった。
 安定ヨウ素剤の配布については、平成25年6月施行の原子力対策指針で配布体制が示されたところであり、緊急時に迅速な配布が困難であれば市町村の判断で事前配布することができることとなっている。
 よって、県として全県民に事前配布するよう安定ヨウ素剤の配備を行うよう要望する。
 なお、服用指示にかかる情報伝達方法の再整備や安定ヨウ素剤の効果、副作用、服用時期等の情報周知及び子供用ヨウ素剤の開発について、特段の措置を講じられるよう要望する。


県立リハビリテーション飯坂温泉病院の廃止に伴う新たな
保健福祉等施設整備に対する予算措置について

 平成19年3月末をもって廃止された県立リハビリテーション飯坂温泉病院の跡地については、医療関係、地域代表、保健福祉関係者及び知識経験者からなる「福島市保健福祉等施設整備検討委員会」にて取りまとめられた施設整備の基本方針により、新たな保健福祉等の拠点としての施設整備が求められており、県立リハビリテーション飯坂温泉病院跡地の無償譲渡、拠点施設整備に係る財政的支援及び同病院に併設されている特別養護老人ホーム「福島県飯坂ホーム」の飯坂地区内への移転建築等について合意しているところである。
 よって、新たな保健福祉等施設整備に対する予算措置を速やかに行うよう要望する。



◆商工労働部関係

雇用対策の推進について

 東日本大震災や原子力発電所事故の影響により地域内の様々な業種での事業活動が大きな打撃を受け、多くの事業所の操業再開が遅延、見通しがつかない状況にあり、多数の失業者が発生するなど雇用情勢が非常に厳しい状況にあることから、次の事項について要望する。

1.各種施策に基づいた事業の実施により地域経済の活性化と雇用の安定化を図るとともに雇用状況が厳しい市町村に対する予算配分を行うこと。

2.緊急雇用創出基金事業は多くの雇用を生み出す市町村の雇用対策の柱となっていることから26年度以降も継続するとともに、雇用契約後であっても遡及適用を可とするよう改定を行うなど制度の拡充を図ること。

3.「絆づくり応援事業」を26年度以降も継続して実施するとともに、絆支援員の増員など内容の充実を図り、被災自治体に対する支援を強化すること。

4.起業支援型地域雇用創造事業は、事業期間を最低でも3年間とするなど、より実効性のある内容への見直しを図ること。

5.制度活用の利便性を向上させるために手続きの簡素化を図ること。

6.避難指示区域などにあった事業所が事業を継続・再開するために新規の雇用を行う場合には、特段の助成制度が受けられるようにするなど、被災企業に対する支援や被災者等の雇用対策を特に強化すること。

7.将来を担う若者の地元定着率の促進や職場定着率を高めるため、地域で働く意識の醸成に向けた取組みや新規就業者に係る研修の実施等に対する支援をすること。

8.長期避難者を対象とした雇用対策を含む県全体の雇用対策において、各種支援策の拡充や新設を行うなど、効果的な雇用対策事業を実施すること。

9.今後の対策においては、短期的な視点での対応を確保しつつ、中・長期的な視点からは、新規創業支援の延長を始め、税制面での更なる特例措置を設けることなどにより地域内の企業に新規募集を促す新たな施策を講じること。


中小企業に対する支援について

 東日本大震災及び原子力発電所事故の影響により地域内の様々な事業活動が大打撃を受け、多くの事業所の操業再開が遅延するなど、非常に厳しい状況にある。
 また、風評被害もあいまって、商工業、観光サービス業は多大な影響を被っている。
 このため、国・県においては中小・零細企業等への支援策として新たな補助制度の創設、震災に伴う特別資金での支援など各般の施策を講じているが、原発事故により多くの市民が避難していたため、事業再開を躊躇している事業者が多くあることから、次の事項について要望する。

1.被災事業者の早期の経営再生を確かなものとするため、中小企業等復旧・復興支援事業については、26年度以降も継続して実施するとともに、補助率等の拡充及び対象エリアの拡大を図ること。また、当該補助事業は1事業所あたり補助申請は1回限りとしていることから、今年度に補助申請を行った事業所でも、次年度以降も引き続き補助対象とすること。

2.「ふくしま復興特別資金制度」を26年度以降も継続すること。

3.旧警戒区域など原子力発電所事故の制約を受ける地域全体を見据えた、企業等の事業再開を加速させるため、従業員の確保及び住居整備や事業再開にあたり発生する廃棄物の処理業者の確保等に対する新たな支援策を創設すること。

4.既存の中小小売業者の育成・確保を軸とした買い物支援や地域商業の活性化支援、大型空き店舗の解消及び再開発事業に係る財政措置、税制や融資・助成などを含めた中小企業への総合的な支援策などの活性化策を図ること。また、企業誘致や増設等に係る整備・開発を速やかに進めるため、土地利用に関する規制緩和及び財政措置を講じること。

5.補助事業を含めた経営支援、技術力強化支援を図るための予算措 置を講じること。

6.すべての損害(実害・風評被害)について、早急な仮払いを含めた賠償等を責任をもって行うこと。


企業立地補助金の継続及び要件緩和について

 東日本大震災及び原子力発電所事故の影響により、旧警戒区域内の事業所においては休業や廃業、事業所移転を余儀なくされ、旧警戒区域外の事業所においても、原子力災害による一時的な生産停止による受注の減少や風評被害、労働力不足などによる事業活動の縮小など、極めて深刻な状況が続いており、企業立地補助金の制度なくしては、風評被害を受けた地域に企業を誘致することは極めて困難である。
 よって、ふくしま産業復興企業立地補助金を継続するとともに、対象業種の拡大や補助金下限額を緩和するなど要件緩和について要望する。
 また、津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金については、被災地域の実情を踏まえた継続的な対応が図られるよう要望する。


ふくしま産業復興投資促進特区制度の期間延長について

 東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進と活力ある再生に資することを目的としたふくしま産業復興投資促進特区については、工業団地等の復興産業集積区域において集積業種の事業者が復興に寄与する事業を行う場合、市町村の指定等を受けることにより税制の特例が適用されるため、企業の復興をはじめ強化が図られる大きな推進力となっている。
 よって、税の優遇措置について、原則平成28年3月までとなっている優遇措置期間を延長するよう要望する。


工業団地整備に係る財政支援について

 東日本大震災及び原子力発電所事故並びにそれに伴う風評被害により、既存企業が県外に流出するという危機に直面し、多くの雇用の場が失われることとなった。
 雇用の創出を図るためには、工業団地を整備し、企業等の誘致に努める必要があることから、次の事項について要望する。

1.工業団地整備に係る新たな補助金を創設すること。

2.大規模な工業団地造成には多額の費用と専門的な知識を有する人員を要することから、県を中心とした事業主体による工業団地整備計画を推進すること。

3.既存インターチェンジ周辺の整備・開発を速やかに進めるため、土地利用に関する規制緩和及び財政措置を講じること。

4.県所有の未利用地については、県営工業団地としての利活用を図ること。


ロボット関連産業への進出支援について

 地域の工業生産を回復させ、成長軌道に誘導するためには、福島第一原子力発電所の廃炉作業や除染作業、医療・福祉分野に対応するロボット関連産業に進出し、部品製造産業の復興施策を実施することが必要である。
 よって、製造業への技術支援(相談・試験・開発・人材育成)を行う研究機関の設置を要望する。


中心市街地の活性化促進について

 中心市街地活性化は、高齢社会への対応をはじめ、中心市街地におけるこれまでの都市機能の蓄積を活かし、市街地の外延化に歯止めをかけ、コンパクトでまとまりのあるまちづくりのため、行政と市民が一体となって早急に進めるべき課題である。
 よって、商業まちづくりの観点を踏まえながら、大型商業施設内への魅力ある小売店の誘導を図ることを目的とするテナント賃料補助制度の創設、賑わい創出を目的とするイベント等に対する補助制度の拡充等、中心市街地活性化支援施策の拡充を要望する。


県立テクノアカデミー浜の高度化の推進について

 東日本大震災及び原子力発電所事故の影響により同校は休校状態となっていたが、再開を機会に、震災後の地域産業復興に向け、地域の産業復興ニーズに即した高度な職業能力を持つ人材育成並びに企業立地の進展に応える人材育成をさらに進展させる必要がある。
 よって、普通課程の全学科を専門課程に格上げし、同校を県内の職業能力開発施設の拠点校と位置付けしたうえで、職業能力開発促進法に基づく「職業能力開発大学校」に昇格するよう要望する。


積極的な観光施策の展開について

 原子力発電所事故により本県のイメージが低下し、定住人口や交流人口が減少傾向にあり、観光産業等に大きな打撃を受けている。
 よって、福島県の現状を伝え、福島県が安心であることを周知するとともに、次の事項について要望する。

1.多くの方々に現地に足を運んでもらい安全性を実感していただくとともに、それらの様子がマスコミ等で報道されることが最も効果的であることから、国際的・全国的な会議やイベント等の誘致について積極的に取り組むこと。

2.福島ディスティネーションキャンペーンによる観光誘客を図るため、県一丸となった取り組みを行うとともに、地域の取り組みに対する支援を行うこと。

3.すべての損害(実害・風評被害)について、早急な仮払いを含め た賠償等を責任をもって行うこと。

4.外国人観光客の入り込みが依然として厳しい状況にあり、インバ ウンドの充実に向け、福島空港の早期の海外路線の復活と本県への 外国人誘客に向けた対策の充実を行うこと。

5.将来のリピーターとなり得る教育旅行の復活について、県が先導 的役割を担い、県外の教育委員会や学校などの教育機関、旅行代理 店など関係機関に対して教育旅行の復活や誘致をすること。

6.観光道路の整備をはじめ各種施策等に要する費用について、財政措置を図ること。

7.被災地における入湯税及びゴルフ利用税の優遇措置又は減免、観光客を対象とした高速道路料金の減免など、制度の創設及びこれらに要する財政措置について、特段の措置を講じられること。


福島空港の防災拠点化施設としての整備について

 東日本大震災により、道路や鉄道など陸路の交通輸送手段が寸断され災害時に甚大な影響を及ぼしたが、福島空港においては、震災の影響をほとんど受けることなく、震災直後から東日本各地域へ医療をはじめとした救援活動の拠点として、救援物資・人員の輸送に大きな役割を果たした。
 福島空港周辺地域は、首都圏から200km圏内にあり、年間を通して比較的温暖で気候も安定しているほか、東北縦貫自動車道や磐越自動車道へつながる高規格道路など高速交通網が整備されており、サプライチェーンの確保が容易であるなど、安全・安心な国土形成を図る上で高いポテンシャルを有している。
 よって、福島空港を含めた周辺地域を首都圏などの補完機能、東北圏域の防災施設の中核的施設とした基幹的防災拠点施設として国の防災基本計画に位置付けるよう特段の措置を要望する。


公益財団法人ふくしま科学振興協会に対する
補助金の確保について

 ふくしま森の科学体験センターは、科学技術の振興を図るとともに、地域特性を活かした科学教育の水準の向上と生涯学習の振興に寄与することを目的として、公益財団法人ふくしま科学振興協会が事業の推進及び管理運営に当たっており、次世代を担う青少年の教育施設として利活用が図られているが、補助金の縮減により財政運営上厳しい状況にある。
 よって、十全にセンター運営が図られるよう、同協会に対する財政支援を講じるよう要望する。



◆農林水産部関係

農地の放射能対策の実践に向けた支援について

 県においては、農地の放射性物質除去・影響軽減対策技術の確立に向けた各種試験が実施されており可能な技術から実施する方針となっている。
 放射性物質の吸収抑制については、福島県営農再開支援事業を活用し、定額補助(10分の10以内)によりカリ肥料等放射性物質吸収抑制資材の散布に係る費用を支援しているが、予算額が限定されており、希望する全ての農地を対象とすることができないおそれがあることから、次の事項について要望する。

1.農地の放射性物質除去・影響軽減対策を平成26年の作付け前に実施できるよう、早期に普及体制を確立すること。

2.全ての農地を支援対象とするため、十分な予算を確保すること。

3.対象農地の調査等事業要件の確認が、自治体や事業主体等の負担となることから、これらの調査を国の責任において実施するよう働きかけること。


食品の安全・安心確保対策について

 平成24年度から食品の放射性セシウムの基準値が100Bq/kgに厳密化されたことに伴い、生産段階におけるきめ細やかなモニタリングによる安全性の確認と風評被害の払拭が最重要課題となっている。
 県産米については、「ふくしまの恵み安全・安心推進事業」により各市町村に設置の地域協議会等が全量全袋検査を実施しており、水産物については、県より貸与された検査機器を使用し、漁協が独自の検査を実施しているが、迅速かつ円滑な検査実施体制の構築のため、次の事項について要望する。

1.市町村が要望する県産農林畜水産物のモニタリング体制の充実を図るとともに、必要な財政措置を講じること。

2.米の全量全袋検査に係る検査機器の導入費については、検査機器台数に不足が生じ、円滑な検査が実施できなかった地域協議会に対しても、継続して補助対象とすること。また、既に導入済みの検査機器については、保守点検料全額を補助対象とすること。

3.漁協が実施する水産物の検査について、検査に係る機器や人員の配備など、検査体制の整備に対して状況に応じた支援をすること。

4.市民が持ち込む自家消費野菜等の放射能測定事業に対する必要な財源支援と技術的な支援を行うこと。

5.自治体独自の自主検査についても、人件費や物件費等の財源を確保すること。


基礎自治体への更なる権限移譲について

 基礎自治体への権限移譲については、地方分権一括法が施行されたことにより、様々な事務についての権限移譲を行うことが可能となり、各自治体では、これまで以上に地域住民の意向を反映した主体的な意思決定や地域の特色を活かした行政展開が可能となっている。
 しかしながら、東日本大震災においては、地震・津波による甚大な被害からの復興を進める中で、各種規制に関する特例措置を定めた東日本大震災復興特別区域法が制定されているものの、従来からの制度上での事務の整合を図る必要もあり、許認可権者である県、国との同意・協議に時間を要し、各復興事業のスピード感を失っている状況にある。
 特に農業振興地域の指定・変更については、その手続に要する時間が被災者の新たな土地での自力再建や被災地で復興を果たそうとする企業のための工業用地の造成に対して大きな障害となっている。
 よって、地域住民の意向を反映した主体的な意思決定や地域の特色を活かした行政展開が可能となるよう、農業振興地域の指定・変更や都市計画の決定、農地転用の許可範囲の拡大など、更なる権限移譲について要望する。


人農地プラン策定に係る事務的経費への助成について

 平成24年度から国が推進している「人・農地プラン」については、農業の形態、土地利用状況も様々であるため、地域における合意形成が容易ではなく、策定が困難な状況にあり、策定したプランも今後、随時見直しが必要なため、平成26年度以降も策定、見直しにかかる事務的経費負担が予想される。
 現在、策定にかかる事務的経費については、国の助成制度があるが、平成25年度限りとなっており、平成26年度以降は市町村の負担となるが、市町村単独での経費負担は困難な状況にある。
 よって、農業の担い手確保と農地の集積は重要な課題であり、今後も「人・農地プラン」の推進を継続する必要があることから、国の助成制度終了後、県において所要の予算を確保し、市町村への経費助成をするよう要望する。


卸売市場施設整備に係る県独自の補助制度の創設について

 東日本大震災及び原子力発電所事故から2年が経過したが、いまだに産地市場である各部の取引数量及び金額ともに深刻な状況が続いており、卸売市場の整備にあたっては、環境負荷の低減や再生可能エネルギー導入も含めた災害等に強い市場づくりを強力に進め、より消費者に親しまれる生鮮食料品等流通の中核をなす重要施設として早急に整備を図る必要がある。
 よって、市場の再整備にあたって国が求めるコールドチェーンシステム等への対応に努めるためにも、開設者のみならず場内業者が行う事業に対しても、国の「強い農業づくり交付金」に上乗せした支援を要望する。
 また、農林水産物の安定供給のためには、福島県農林水産業振興計画「ふくしま農林水産業新生プラン」に定められた流通・消費対策「県内卸売市場の機能強化」が重要であることから、着実な復興に向けた取り組みを加速させるため、県独自の補助制度を創設するよう要望する。


6次産業化の推進について

 県においては、「ふくしま・地域産業6次化戦略」に基づき、地場産農林水産物を活用した新商品・新サービス、新技術の開発のために必要な機械・施設の整備に係る各種補助事業を実施しているが、法人格を有する農林漁業者等が事業対象者となっている。
 よって、法人格を有しない農業者や任意団体等の6次産業化の具現化に向けた取り組みに対し、財政措置を講じるよう要望する。


農産物の風評被害対策事業への支援について

 農産物の販売が厳しい状況にある中、首都圏を中心に本県の農産物等の販売促進キャンペーンへの参加や独自に特産品・観光のPRを実施してきたところである。
 県産農産物等に対する風評被害を払しょくするためには、各自治体のみならず、民間事業者も一緒になって取り組む姿勢が重要であり、官民一体となった復興対策が非常に有効であることから、次の事項について要望する。

1.国内外への正確な情報提供や県内産品の販路拡大などの風評被害対策事業の強化及び各種PR販売事業に対して財政措置を講じること。

2.生産者団体や任意団体等が自主的に行う風評被害払拭に向けた販売促進事業等に対して支援措置を講じること。

3.福島県産農林水産物PR支援事業について、現在の対象事業・配分方法を見直し、県内における取り組みも対象とするとともに、取り組みを実施する上で真に必要とする事業費を配分すること。

4.災害により被った損害(実害・風評被害)については、早急な仮払いを含めた賠償等を国の責任において行うよう要請すること。


経営所得安定対策の適切な執行について

 放射性物質の拡散は、食の不安や風評被害をもたらし、農業に極めて深刻な影響を与えている。
 農業生産者に対して標準的な生産費を補償するものとして経営所得安定対策があるが、このうち、米の当年度における販売価格が標準的な販売価格を下回った場合にその差額分を交付する変動部分の交付額は、全国的な米の販売価格の平均の増減に基づいて決定することとなっている。
 このため、風評被害等の影響により本県の米価が他県に比べて著しく下落した場合、本県においては米価の下落による損失と変動部分の交付額に大きな差が生じ、県内の生産者に深刻な影響を及ぼすことが懸念される。
 よって、こうした事態が生じた場合に、原子力発電所事故の影響を最も受けている本県は別枠で補償するなど、著しい米価下落による損失への対応について、特段の措置を講じられるよう要望する。


産地生産力強化総合支援事業の拡充について

 農業従事者の高齢化が進む中で、他産業並みの所得が上げられる農業経営を目指し、効率的かつ安定的な担い手が主体となる農業構造に転換を図るべく、園芸作物、畜産、農産物加工等に取り組み、農業経営の複合化・多角化を推進するための各種事業を実施しているところである。
 よって、県単独事業の「産地生産力強化総合支援事業」の拡充及び予算の確保を要望する。


農地・水保全管理支払交付金に係る予算の確保について

 農地・水保全管理支払交付金については、農業資源を維持・継承するとともに環境を保全していくための有効な施策であり、平成26年度から新たに協定を締結し、支援を受けながら活動を行いたいとする新規地区への当該年度の予算を確保するよう要望する。


県営経営体育成基盤整備事業の促進について

 本事業の実施により、新たな区画整理とこれに付帯する用排水施設、農道の整備、並びに付帯施設の老朽化に対応した更新及び施設の機能向上整備等が進められ、担い手農家の育成、農地の利用集積、農業の生産性の向上・維持・拡大が期待されるものである。
 よって、農業経営の安定と規模拡大を図るため、本事業の促進について要望する。


農業集落排水事業改築事業に対する補助要件緩和について

 農業集落排水施設が長期にわたり安定した能力を発揮するためには、施設の稼働状況及び経年変化に対応し、処理施設の更新・改造工事が必要となるが、国庫補助事業の要件としては、改築に要する経費が200万円以上で、1点目として「維持管理が適切に行われている施設で、原則として供用開始後7年以上経過していること」、2点目として「対象人口の著しい増加、処理水の水質基準強化、その他既存の農業集落排水施設を取り巻く条件、又は環境の変化が認められること」のいずれかの条件を満たす施設であることとなっている。
 県における運用では2点目の条件のみとなっているが、農業集落排水施設は、農村地域の生活環境の改善等において非常に重要な役割を担うものであるため、「維持管理が適切に行われている施設で、原則として供用開始後7年以上経過していること」の条件でも運用するよう要望する。


海岸防災林の整備について

 東日本大震災の津波により海岸防災林の多くが流出し、沿岸部において安全性が著しく低下している。
 県内沿岸部の各市町村では、浸水区域のうち現集落での再建を検討している地区の復興のために、海岸防災林を整備することで津波被害軽減対策を検討している状況である。
 よって、早急かつ確実に防災緑地を整備するために、海岸防災林を県が主体的に整備するよう要望する。


山のみち地域づくり交付金事業の促進について

 山のみち地域づくり交付金により県において事業着手された区間については、地域住民や関係者は事業の早期完了を切望していることから、山のみち地域づくり交付金事業による着手区間の早期完成について要望する。


森林管理道整備事業(林道開設事業)の強化について

 国では、低炭素社会の実現、コンクリート社会から木の社会への転換、木材自給率50%を目指し、平成21年12月に「森林・林業再生プラン」が策定され、今後10年間を目途に路網の整備、森林施業の集約化及び必要な人材育成を軸として、効率的かつ安定的な林業経営の基盤づくりを進め、木材の安定供給と利用に必要な体制を構築することとした。
 また、平成23年度から面的まとまりをもって計画的な森林施業を行う林業事業体に対して、搬出間伐等の森林施業を直接支援する「森林管理・環境保全直接支払制度」を導入したことから、これまで山林未利用材として林内に放置されてきた間伐材が、建築用材等や木質チップとして有効利用されるシステムが構築されたところである。
 しかしながら、間伐材を搬出するためには、林業の最も重要な生産基盤である路網整備が必要であり、路網については、造林、保育、素材生産等の森林施業を効率的に行うためのネットワークであることから、とりわけその基幹となる林道の整備促進が必要となるものである。
 よって、林道開設事業における継続事業の早期完成が図られる事業費枠を確保するよう要望する。


ふくしま森林再生事業実施に伴う支援について

 本事業については、森林・林業の再生を通じた被災地の復興を推進するため、原子力発電所事故の影響により、森林所有者等における自主的な森林整備等が停滞している森林について、市町村が事業主体となって森林整備や放射性物質対策を一体的な取り組みを支援するものであるが、放射性物質対策に係る事務費は必要経費を計上することが出来るが、森林整備については、現行制度では事務費を計上できないこととなっている。
 よって、事業実施にあたり必要となる事務費を確保するとともに、放射性物質対策に係る事務費と森林整備に係る事務費を定率にて計上できるよう要望する。
 また、林道の未整備が事業の効率的な実施を妨げるおそれがあることから、事業の推進に向け、林道整備事業の採択拡大、補助率の嵩上げ等による支援策を講じるよう要望する。


森林病害虫等防除事業の強化について

 森林は、木材の生産のみならず水資源の涵養、土砂の流出・法面崩壊の防止、二酸化炭素の吸収、景観の保全など多様な公益的機能を高度に発揮し、地域形成の上に大きな役割を果たしているところである。
 しかしながら、カシノナガキクイムシによる広葉樹の枯損被害や松くい虫による松林への被害が拡大しており、森林の持つ多面的機能への影響が懸念されている。
 よって、国県主導による大規模な被害防除対策と、国による国有林の森林病害虫防除事業に対する予算確保、さらには市町村における防除事業の取り組みに対して、市町村の負担が生じない補助事業の創設について要望する。


治山事業の推進について

 近年、豪雨等の異常気象により、山崩れ、土石流、地すべり、なだれ等の山地災害が多発していることから、安全で潤いのある生活環境を確保し地域振興・発展を図ることが重要である。
 よって、山地災害の未然防止はもとより、災害跡地の復旧、さらには水源かん養機能の維持向上など、保安林の機能を強化する治山事業を積極的に推進するよう要望する。


 
◆土木部関係

県施行建設事業負担金の廃止又は軽減について

 県施行建設事業負担金については、地方財政法や道路法等に基づき、負担率5%の負担金を納入しているところであるが、自治体においては、東日本大震災及び原子力災害による影響を受け税収が著しく低下し、財政の好転が見えない中、災害からの復旧・復興への財源を捻出しなければならない状況である。
 よって、県施行建設事業負担金の廃止又は軽減措置を講じるよう要望する。


道路の整備促進について

 被災地域の物流機能の回復を図るとともに、一日も早い復旧・復興に向けて、下記道路の整備促進について要望する。

1.社会資本整備重点計画に即した道路整備を着実に推進すること。

2.立ち遅れている地方の道路整備を促進するため、地方が真に必要としている道路整備を計画的に進めるため、十分な予算を確保すること。

3.円滑な交通体系の確立及び被災地方の復興を図るため、高規格幹線道路、地域高規格道路、一般国道、県道、市町村道等の整備にあたっては、採算性のみでなく地域の実情等を十分勘案し、整備促進を図ること。
 ○特記事項
 ・地域高規格道路「会津縦貫南道路」の国直轄権限代行事業の採択による早期着工及び事業促進
 ・一般国道115号「相馬福島道路」(早期供用開始)
 ・一般国道115号「相馬南バイパス」(4車線化)
 ・一般国道115号「石田地区(局部改良)」
 ・一般国道118号「須賀川市~会津若松市間(塚松バイパス)」
 ・一般国道118号「若松西バイパス」(整備促進)
 ・一般国道252号「七日町地区」(電線類地中化)
 ・一般国道288号「花木内~鐙ヶ池区間」
 ・一般国道288号(歩道設置)
 ・一般国道294号(拡幅)
 ・一般国道294号「湊町四ッ谷地区~原地区間」(バイパス化)
 ・一般国道294号「江花地内(現道拡幅)」
 ・一般国道349号「杉沢地区、東新殿地区、戸沢地区」
 ・一般国道349号「下手渡~御代田地区(バイパス)」
 ・一般国道349号「山城舘~元舟場地区(バイパス)」
 ・一般国道399号「平北目地区(交差点改良)」
 ・一般国道399号「平市街地~下平窪地区(早期計画策定)」
 ・一般国道399号「上小川地区」
 ・一般国道401号「北会津町地内」(拡幅改良整備)
 ・一般国道459号「岳下地区、大平地区、百目木地区、田沢地区、西新殿地区」
 ・県道「安達太良山線」
 ・県道「馬場平杉田線」
 ・県道「原町二本松線」
 ・県道「須賀川二本松線」
 ・県道「二本松川俣線」
 ・県道「木幡飯野線」
 ・県道「石沢荻田線」
 ・県道「飯野三春石川線」
 ・県道「本宮岩代線」
 ・県道「二本松安達線」
 ・県道「本宮土湯温泉線」
 ・県道「岳温泉線」
 ・県道「岳温泉大玉線」
 ・県道「田村安積線」(拡幅・歩道設置)
 ・県道「三春日和田線」(歩道設置)
 ・県道「相馬亘理線」のかさ上げ等の早急な復旧及び被災地の土地利用を考慮したルート変更も含めた整備促進
 ・県道「吉間田滝根線」
 ・県道「谷田川三春線」(拡幅)
 ・県道「石筵本宮線」(改良)
 ・県道「芦ノ口大槻線」(拡幅・歩道設置)
 ・県道「荒井郡山線」(拡幅・歩道設置)
 ・県道「須賀川二本松線」(交差点改良)
 ・県道「岩根日和田線」(拡幅・歩道設置)
 ・県道「本宮岩代線」(整備促進)
 ・県道「本宮常葉線」(改良)
 ・県道「会津若松・熱塩温泉自転車道」(整備促進)
 ・県道「湯川・大町線」(安全対策)
 ・主要地方道「原町川俣線」
 ・主要地方道「小野富岡線」
 ・主要地方道「小名浜平線(花畑工区、小名浜工区)」
・主要地方道「いわき石川線(湯本跨線橋工区、笠井工区、深山田地区、皿貝工区、才鉢工区)」
・(仮称)小名浜道路
 ・主要地方道「郡山湖南線」(拡幅・歩道設置)
 ・主要地方道「小野田母神線」(拡幅・歩道設置)
 ・主要地方道「本宮三春線」(歩道設置)
 ・主要地方道「本宮熱海線」(改良)
 ・主要地方道「長沼喜久田線」(拡幅・歩道設置)
 ・主要地方道「飯野三春石川線」(拡幅・改良)
 ・主要地方道「郡山長沼線」(歩道設置)
 ・主要地方道「須賀川三春線」(歩道設置)
 ・主要地方道「郡山矢吹線」(歩道設置)
 ・主要地方道「小野郡山線」(拡幅)
 ・主要地方道「二本松金屋線」(歩道設置等)
 ・主要地方道「北山・会津若松線」(自転車歩行者道早期整備)
 ・阿賀川新橋梁(整備促進)

4.高速自動車国道の整備にあたっては、地方に新たな負担を求める ことなく、早期に完成させること。
  また、直轄方式の高速道路の整備にあたっては地域の実情等を 十分に勘案し早期着手を図ること。
 ○特記事項
 ・東北中央自動車道
 ・磐越自動車道(4車線化)
 ・常磐自動車道(早期全線開通・復興インターチェンジ設置)

5.整備中のインターチェンジについては早期完成を図るとともに、周辺アクセス道路等についても整備促進を図ること。また、計画中のスマートインターチェンジの早期事業採択を図ること。
 ○特記事項
 ・東北中央自動車道(仮称)大笹生インターチェンジ及び接続する主要地方道上名倉・飯坂・伊達線(早期建設促進)
 ・福島松川スマートインターチェンジのアクセス道路である主要地方道土湯温泉線(早期建設促進)

6.都市における安全かつ快適な交通を確保するとともに、健全な市街地の形成、活力と魅力ある快適な都市の形成のために、都市計画道路については、まちづくりと一体となった整備を図るとともに、十分な財源を確保すること。
 ○特記事項
 ・県道「豊間四倉線」(早期計画策定及び防災道路・防災緑地整備)
 ・県道「福島停車場線(駅前通り)」
 ・都市計画道路「須賀川駅並木線」
 ・都市計画道路「藤室鍛冶屋敷線(新横町工区)」(整備促進)
 ・都市計画道路「亀賀門田線(国道401号~会津総合運動公園間)」(歩道拡幅整備)
 ・県中都市計画道路事業の財源確保

7.老朽化した道路橋などの社会資本ストックの維持管理・更新費用 の財政措置を講じること。

8.市町村道整備補助の増額及び補助対象事業の拡充を図るとともに
 県道の認定基準を緩和し、主要市町村道を県道に昇格させること。

9.社会資本整備総合交付金及び防災・安全交付金を増額並びに継続 するとともに、使いやすい交付金制度とすること。

10.道路の無電柱化を促進するため、必要な措置を講じるとともに、 制度の更なる改善を図ること。

11.地方特定道路整備事業の廃止について、計画的な道路整備事業の実施のため、代替措置を講じるなど財政支援を行うよう国に対して働きかけること。


豪雪に伴う除雪事業への財政支援について

 昨年度においては、度重なる寒波の襲来により記録的な豪雪にみまわれ、日本海側を中心に、平年の降雪、積雪を大幅に上回る地点が数多く発生した。
 このため、除雪、排雪活動等のための経費が当初の想定をはるかに超えて増大し、緊急的な補正予算の編成などによって急をしのぐなど、その影響はもはや一市町村が対応できる限度を超え、財政的に大きな困難に直面している現状にある。
 よって、雪に強い快適で安全な雪国の地域づくりのため、記録的な豪雪にみまわれた雪国の市町村への除排雪に対する支援拡大及び「積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法」に基づく雪寒指定道路の見直しによる、除雪費の助成拡大について要望する。


津波防災対策の推進について

 沿岸部は、津波被害により甚大な人的被害と住家被害が発生し、その被害は内陸部まで及んでおり、現在も震災の爪あとが数多く残されている状況にある。
 被災地の復興に当たっては、被災しても人命が失われない減災の考え方に基づく災害に強い地域づくりが求められており、また政府の東日本大震災からの復興の基本方針においても、地域ごとの特性を踏まえ、ハード・ソフトの施策を組み合わせた多重防御による津波防災まちづくりを推進することが示されている。
 よって、沿岸域における被災市街地の復興に向けて、被災市街地のまちづくりに併せた河川、海岸、港湾等の早急な津波防災対策及び海外保全施設の早期復旧について要望する。


災害復旧事業への財政支援について

 東日本大震災からの復興を進めるためには、災害により住居を失った被災者住宅の早期再建や道路の復旧・復興が必須である。
 よって、下記の事項について要望する。

1.災害危険区域外の被災者に対する住宅建設費等の利子相当分を補助すること。

2.防災集団移転促進事業及びがけ地近接等危険住宅移転事業の事業決定以前の移転被災者に対し補助すること。

3.急傾斜地崩壊対策事業の市町村負担金を原則廃止すること。

4.急傾斜地崩壊対策事業に伴う受益者負担金は、県が直接受益者に負担を求めること。

5.災害関連地域防災がけ崩れ対策事業及び災害関連緊急急傾斜地対 策事業の予算を十分に確保すること。

6.現行災害関連対策事業で採択基準外となっている被災箇所を救済すべく、小規模急傾斜地崩壊対策事業を創設すること。

7.小規模な復旧事業については、一箇所における工事費用の補助対象の下限額を見直し、国庫補助事業として実施できるよう従来の災害復旧費用の適用範囲を拡充するよう国に対して働きかけること。

8.道路の復旧・復興事業に伴う水道管の移設等の費用について、道路事業の効果促進事業として財源を確保するなど、占用者に対する財政支援を行うこと。


河川改修・砂防事業等の促進について

 河川の未整備区間については、過去数次にわたる出水等により、住宅・農地等に甚大な被害をもたらしており、加えて近年における都市化の進展や流域内の開発に伴い、各河川の治水機能は著しく低下してきている。
 よって、国土保全と市民生活の安定を図るため、河川改修・砂防事業の整備促進を図るとともに、特に災害の恐れのある未整備区間においては、早急に整備されるとともに次の事項について要望する。

1.河川改修事業については、その緊急性を鑑み、大幅な予算の増額を図ること。

2.治水施設整備と併せて、洪水時の河川情報伝達体制の充実・強化など、ハード・ソフトが一体となった対策の推進、並びに洪水時は元より日常時の適切な河川管理の一層の推進を図ること。

3.河川水位低下対策のため、河道掘削及び立木伐採等、維持管理を図ること。

4.「阿武隈川水系河川整備計画」に基づく築堤事業や河道掘削事業 及び狭隘部の家屋浸水対策事業を早期に実施すること。

5.阿賀川旧河川の水質浄化等の再生を早急に図ること。

6.二級河川については、浸水想定区域の見直しと浸水想定図の作成を早急に実施すること。

7.仁井田浦の開口部を閉め切り、夏井川の河口閉塞を解消するなど抜本的な対策工事を実施すること。

8.仁井田川の堤防高の嵩上げ工事を実施すること。


浸水被害対策の強化について

 近年、河川や下水道の計画レベルを超え、局地的に発生する集中豪雨が全国で発生し、家屋への浸水、道路冠水による通行不能、道路法面の崩落被害等、市民生活に多大な影響を及ぼしている。
 自治体においては、浸水ハザードマップの作成や緊急警報の発信等、住民の安全・安心を確保するための事業に取り組んでいるところであるが、雨水幹線及び合流式下水道の改善、ポンプ場の整備や河川改修を実施するためには多額の費用を要する。
 よって、自治体が実施する浸水被害対策に対し、十分な財政措置を講じるよう要望する。


二級河川の河川敷草刈り等への支援について

 二級河川の河川敷の草刈り等については、現在、流域の行政区等の河川愛護団体のボランティア活動により実施されているところであるが、各河川愛護団体から報償の値上げが要望されているほか、住民の高齢化などにより、河川愛護団体の解散・撤退が見受けられている。
 また、新規で河川愛護団体を結成した場合、草刈り等の報酬が無償となる「うつくしまの川・サポート制度」が適用されることから、新規の河川愛護団体結成が減少傾向にあり、二級河川の河川敷の草刈り等を地元河川愛護団体等のボランティア活動により継続していくことが年々困難となってきている。
 よって、二級河川の適正な維持管理のための草刈り等について、河川愛護団体等に対する財政支援の拡充や、管理者である県の直営による実施など、継続して取り組むことができる体制を構築されるよう要望する。


港湾の復旧及び機能強化について

 太平洋沿岸の港湾については、津波で甚大な被害を受けており物流機能の回復・強化を図るため、早期に復旧する必要がある。
 よって、次の事項について要望する。

1.小名浜港について
 (1)東港地区における大水深耐震強化岸壁の早期整備
 (2)効率的な荷さばき施設の設置促進等に向けた特定貨物輸入拠点港湾への指定
 (3)再生可能エネルギーを核とした産業集積につながる港湾機能の拡大
 (4)公共岸壁完全復旧までの港湾使用料減免の拡大及び期間延長
 (5)客船誘致のための航路等整備
 (6)1・2号ふ頭地区における3・4号棟倉庫跡地の再開発の促進
 (7)マリーナ機能の早期復旧

2.相馬港について
 (1)沖防波堤の早期復旧整備促進及び復旧期間中における段階的かつ着実な静穏度の確保
 (2)1号~2号ふ頭岸壁等港湾施設の早期復旧整備促進及び復旧期間中における安全な港湾荷役環境の確保
 (3)多目的国際ターミナルである3号ふ頭の着実な整備・早期完成と3号ふ頭における大規模地震対策の推進
 (4)海上コンテナ航路等利用促進のため、港湾施設等利用料減免措置の継続及びポートセールス活動の強化
 (5)5号ふ頭危険物取扱用地及び港湾関連用地の分譲促進


土地区画整理事業の推進について

 土地区画整理事業は、道路、公園等の都市基盤整備と良好な宅地を総合的に整備することにより、健全な市街地の形成を図ることのできる、まちづくりの根幹的事業である。
 よって、次の事項について要望する。

1.本事業を円滑に推進し早期完成を期すため財源を確保すること。

2.防災機能を有する都市拠点の整備には、国や県の庁舎の集約化による効果的な土地利用の実現と、地震、津波等の災害時にも対応できる防災機能を併せ持つ庁舎の整備が不可欠であるため、庁舎移転計画を着実に実施すること。

3.組合施行の土地区画整理事業について、事業の早期完了に向け、時価下落分や土地取引の減少分に対応するため、補助制度の創設など財政措置を講じること。


公共下水道事業の整備促進について

 下水道は、地域の生活環境、公共用水域の水質改善に必要不可欠な施設であるとともに良好な水循環を維持するなど、環境保全にも大きな役割が期待されている。
 しかしながら、下水道整備には多額の費用を要するため、現在の厳しい財政状況において、財源確保に苦慮している状況にある。
 よって、本事業の整備促進が図られるよう当該補助金の拡充、補助率の復元及び資本費の負担継続を要望する。
 また、「猪苗代湖及び裏磐梯湖沼水環境保全推進計画」において、下水道や農業集落排水施設等の整備及び接続加入の促進について盛り込まれていることから、猪苗代湖及び裏磐梯湖沼周辺の下水道整備や接続促進に対する新たな補助制度を創設するよう要望する。


市町村合併に伴う流域下水道移管について

 平成の大合併により流域下水道関連市町村が1自治体となった流域下水道は、現行制度では最長10年後には公共下水道へ移管されることになっている。
 この移管については、平成20年2月に県との包括的な協議の場として流域下水道の移行に関する協議会が設けられ、これまで数度の協議を重ねているが、なかなか合意点を見出すことができない状況にある。
 流域下水道は、広域的な水政策の需要から県主導で進められてきたものであり、仮に移管されたとしても、態勢的にも財政的にも自治体が担える規模・規格にはない。また、市町村合併は、行財政基盤の確立を目的に推し進められてきたものであり、合併による不合理の出来は目的達成を大きく後退させるものである。
 他県においては移管回避や県の継続管理の施策を講じている例もある。
 よって、県においては、事業の目的や自治体の置かれている状況を考慮し、流域下水道を移管することなく、県が継続して管理する施策を講じられるよう要望する。


庁舎の耐震改修事業に係る財政支援の拡充について

 庁舎は、災害時の防災拠点としての機能を有しており、耐震性が低い庁舎については、早急に耐震化を図る必要がある。
 耐震改修について、社会資本整備総合交付金事業及び防災・安全交付金事業の住宅・建築物安全ストック形成事業などは耐震改修工事について限度額が定められていることや、耐震改修に当たっては仮設庁舎の建設、執務室の移転等を要することもあり、財政負担が大きいものである。また、津波被災地区の復旧・復興や原子力災害対策などの事業量が増大する中、これらに対応するため、一般財源を優先的に充当していることを背景に、一般財源の負担が大きい現行の補助制度においては、住民の安全・安心の確保の中心的役割を担う、災害対応の拠点となるべき庁舎について、抜本的な対策を講じることが難しい状況にある。
 よって、庁舎の耐震改修を早期に進めるため、工事に係る限度額の拡充や補助率の嵩上げについて、特段の措置を講じられるよう要望する。



◆教育庁関係

学校教育の充実について

 原子力発電所事故による放射線の不安から多くの児童が転校しているため、新たに複式学級が発生しており、教育環境の悪化が懸念される。
 これからの学校はゆとりある環境のもと、児童生徒一人ひとりの状況に適合した学習指導、生徒指導を行い、個々の個性や能力の伸長を図る必要がある。
 よって、次の事項について要望する。

1.少人数学級編制制度の継続及びより一層の拡大、充実に向け、学力向上並びに生徒指導充実のための常勤講師の加配を図るとともに、そのために不足する教室、備品等の確保に必要な財政的補助を講じること。

2.複式学級編制基準を弾力的に運用すること。

3.特別支援教育充実のため、特別支援学級の基準を弾力的に運用できるようにするとともに、県独自の支援策による支援員等を配置すること。

4.学校・家庭・地域環境の改善に向けた支援ネットワーク構築のために大きな役割を果たしているスクールソーシャルワーカーを継続的に配置するとともに、増員を図ること。

5.児童生徒が抱えている心の問題を解決するため、今後も引き続きスクールカウンセラー活用事業を実施するとともに十分な予算を確保すること。

6.校医を活用した放射線に関する教育や体力づくりなど、放射線の影響と体力低下が危惧される子どもの心身をケアする施策を実施するとともに財政支援を講じること。


教職員定数の確保について

 東日本大震災や原子力発電所事故に伴い、子どもたちの心のケアやきめ細かな指導など一人ひとりに寄り添う指導体制が喫緊の課題となっている。
 よって、次の事項について要望する。

1.震災・原発事故に対応するため、標準法定数の弾力的運用及び中・長期的な計画の下で加配を実施すること。

2.不登校対応や教科教育の充実のための専科教員の配置を行うこと。

3.複式学級解消等に向けた講師等の人的加配を拡充すること。

4.中学校における免許教科外指導解消のための加配教員を増員すること。


給食の安全確保対策について

 給食に使用する食材の安全性に対する不安の声が保護者から寄せられている状況にあり、使用食材の検査の強化や情報公開、児童生徒に与える影響等の明確な見解が一層求められていることから、次の事項について要望する。

1.学校給食を安全・安心して提供できるよう、食品の市場流通段階におけるモニタリングの強化と情報の適切な公表、給食食材における含有放射線量の安全基準等を策定すること。

2.検査機器整備後も検査要員経費及び試料代をはじめ、ランニングコストが毎年必要となることから、学校給食検査体制支援事業補助金を継続するとともに、見直しを図ること。


学校等除染に係る財政支援について

 放射性物質の流出により子どもたちをはじめ市民の健康被害が懸念されている。
 このため、将来を担う子どもたちの安全・安心な生活環境を確保するため、早急に放射線量を低減させる必要があることから、次の事項について要望する。

1.学校・保育所等の校庭、所庭の表土改善については、空間線量率が毎時1μSv/h未満の校庭等の表土改善の場合、補助率は2分の1となっているが、各自治体の負担を軽減するため所要額の全額を補助対象とすること。

2.スポーツ広場などの体育施設等の表土除去の費用にかかる財政支援を講じること。

3.各市町村や研究機関において、様々な方法による表土除去(保護者等が実施した場合の経費も含む)を対象とした補助制度を創設すること。

4.園舎等の屋根の上等の危険を伴う場所の除染作業やコンクリートの表面を削る作業の委託等に対する補助制度を創設すること。


小学校児童の通学費用に対する助成について

 東日本大震災により校舎の倒壊の恐れがある学校については、使用不能となっているため、他校の教室等に分散して授業を行っており、児童輸送のためのバス運行委託料が生じている。
 また、特定避難勧奨地点に指定された地域の児童の通学支援にかかる輸送費用も生じている。
 よって、これらの費用の財政措置について、国に対する要請及び県における支援について要望する。


小中学校へのエアコン導入費用への補助について

 原子力発電所事故による児童生徒への健康被害・夏期の暑さ対策として、小中学校のエアコン導入については、学校施設環境改善交付金(空調設置)が設けられているが、補助基準㎡単価18,700円、補助率3分の1と実施単価を大きく下回る実情にある。
 よって、小中学校へのエアコン設置費用を全額補助するよう要望する。
 また、リース方式により導入する場合においても国庫補助が活用できるよう特段の措置を要望する。


公立文教施設整備事業に係る財源の確保について

 学校等の公立文教施設については、東日本大震災においても市町村の応急避難場所として重要な役割を果たす施設となっており、地域住民の安全・安心を確保するためにも、その耐震性能の確保は最優先課題である。
 市町村の財政状況が極めて厳しい状況にある中、早急に耐震化を進めるためには、市町村の財政負担の軽減、国・県による財政措置の拡充が重要である。
 よって、公立文教施設等の速やかな耐震化及び災害時の避難施設としての整備等に係る財源の確保及び校舎増改築、屋内運動場改築、プール建造等に係る財源の確保について要望する。


公立学校施設の耐震性能の向上に係る国庫負担率の
引き上げについて

 東日本大震災により多くの公立学校施設が被災したため、早急に耐震性能の向上を進めていく必要があるが、国の耐震化事業の補助率はIs値が0.3以上の建物については2分の1となっており、さらに改築を伴う補助単価が実施単価を下回っていることから、自治体の財政負担が多くなり、耐震化率向上の阻害要因となっている。
 昨年度、東日本大震災復興特別会計第1次補正予算の対応により、当該事業に係る補助基本額及び起債額充当率の引き上げ等の財政支援措置がなされたが、災害復旧対応と併せ、綿密な実施設計を伴う耐震化事業を進めていくためには、一定の所要期間を要する実情にある。
 よって、公立学校施設の耐震化事業補助率を一律3分の2とし、補助単価を実施単価とする国庫補助制度の見直し及び平成27年までを時限とする地震防災対策特別措置法の期限延長について、特段の措置を講じられるよう要望する。


県費負担教職員の出張旅費確保について

 小中学校の県費負担教職員の旅費は、県が負担することとなっているが、近年旅費の削減が続いており、教職員の研修会等への参加が困難な状況となっている。
 校長は、県配分予算の範囲内で出張命令を出すこととなっているが、教育活動に必要不可欠な児童生徒の引率業務や校外学習前の安全確認のための点検業務をはじめ、当面する教育課題解決のための必要な教職員研修や諸会議等への出張命令が出せない事例も出てきており、学校運営や教育行政に重大な支障が出ている。
 よって、円滑な学校運営が図られるよう、県負担旅費の十分な確保・配分を要望する。


語学指導外国人に対する財政支援について

 国際化の進展に伴い、小中学校における英語教育の充実が求められている中、地方公共団体においては、JETプログラムの活用による語学指導外国人の確保を図ってきたところである。
 また、英語教育の一層の充実強化を図るため、小学校から中学校までの9ヵ年を見通した系統性のある英語教育を目指し、従来からの
JETプログラムの活用による語学指導外国人に加え、地方公共団体の独自雇用により語学指導外国人を増員しているが、財政的に厳しい地方公共団体にあっては、外国人語学指導助手を思うように雇用することができず、小学校の英語活動の充実について格差が生じている状況にある。
 よって、地方公共団体が単独で雇用する語学指導外国人に対する財政措置を講じるよう要望する。


被災児童生徒等就学支援事業補助金の継続について

 東日本大震災により被災し、経済的理由により就園・就学が困難な子どもに対する就園・就学の支援を目的とした被災児童生徒等就学支援事業補助金について、本事業の対象者のほとんどが原子力発電所の事故による「警戒区域」、「計画的避難区域」及び「緊急時避難準備区域」の住民で市町村の判断により避難した者であり、今後の動向が予測できない状況にあるため、引き続き財政支援が必要である。
 よって、被災児童生徒等就学支援事業補助金を継続するよう要望する。


夏の体験活動応援補助事業の継続・拡充について

 風評被害により教育旅行の入込み状況は甚大な影響を受けている。
 この状況の中、ふくしまっ子体験活動応援事業については、多くの子どもたちが、夏休み等に心身ともに伸び伸び自然活動や交流活動等ができる機会の創出及び受入地域の活性化に大きな役割を果たした。
 よって、平成26年度についても本事業を継続するとともに、移動範囲が同一市内で宿泊が伴わない場合でも対象とするなど利活用しやすく、幅広く範囲を拡充するとともに、補助額を増額するよう要望する。


文化財保存事業への財政支援について

 国・県・市がそれぞれ指定した文化財について、保存や修理を行う所有者または管理団体に対し補助金を交付するなど財政的な援助を行っている。
 また、県においても、国や県指定の文化財に対して、文化財保存事業費補助金交付要綱や同補助額運用基準等により、財政的援助を行っているところである。
 よって、国民の貴重な財産である文化財を後世に伝えていくという文化財保護法等の趣旨に鑑み、これまでの補助率を維持するよう要望する。


文化財災害復旧事業に関する補助制度の拡充について

 東日本大震災により多くの文化財が壊滅的な打撃を受け、その完全なる復旧が望まれている。
 国指定文化財については、手厚い災害復旧補助が制度化されているが、県指定文化財については、現行では補助率が総事業費の2分の1ではあるものの、予算規模が少ないため必要となる復旧事業を実施できず、また、国指定文化財に関する災害復旧について県の補助制度がないことから、市町村や所有者の財政負担の割合が大きく、復旧事業の障害となっている。
 よって、早急な文化財の復旧を推進するため、次の事項について要望する。

1.国指定文化財にかかる災害復旧事業についても、県の補助制度を創設すること。

2.被災した県指定文化財の復旧に関する補助金について、災害復旧事業として国と同様の補助率に引き上げ、確実な文化財の復旧ができるよう支援すること。

3.指定文化財にかかる防災事業を充実させること。

4.復旧事業に必要な予算を確保すること。


避難指示区域内における県立高校早期再開に向けた整備について

 現在、県立小高工業高校及び小高商業高校については、仮設校舎で教育活動が行われている。
 自治体においては、帰還困難区域及び津波被災地を除く避難指示区域内において、道路、上下水道などのインフラ整備を本格復旧に向け進めているとともに、同区域内の全ての小中学校については平成25年9月までに復旧が完了する。
 また、地元の企業においては、新規採用にあたり実業系高校生のニーズが高くなっているため、教育環境の充実が必要である。
 よって、両高校の除染をはじめ、施設の修繕等を実施し、本校舎の再開に向けた取り組みを進められるよう要望する。


学校栄養職員の配置の促進について

 国の経済財政運営と構造改革に関する基本方針においては、国及び地方公共団体の事務事業の民間への移管を推進することとしており、総務省においては、地方交付税の算定について、これまで地方自治体直営の場合の経費を基準としていたものを民間委託の費用に改めることとされたところである。
 小中学校の給食業務もこの対象事業とされており、順次進めているところであるが、全ての学校を委託していくためには、給食業務において必要不可欠な栄養管理はもとより、「O-157事件」以来その基準が厳しくなった衛生管理、さらには学校給食における放射性物質に対して適正に対応していくため、学校栄養職員の配置を促進することが必要である。
 よって、学校栄養職員の配置を促進するよう要望する。



◆警察本部関係

郡山運転免許センターの土・日曜日開設について

 現在、即日交付ができる運転免許センターは福島と郡山にあり、両免許センターの免許更新の利用状況は昨年1年間の比較で、福島は約6.7万人であったのに対し、郡山は約9.2万人と郡山の利用者が約2.5万人多い結果になっている。休日については、福島が土曜日閉庁、日曜日は運転免許更新のみを取り扱い、郡山は土曜日閉庁、日曜日は、第2・第4に限り午前予約制、午後は通常通り開庁し、免許更新を取り扱っており、現在、郡山運転免許センターでの日曜日更新者の数は、1カ月1,200人となっている。
 よって、近隣市町村等広範囲に及ぶ地域における利用者の利便性を高めるため、郡山運転免許センターの毎日曜日と土曜日開設を要望する。