令和6年6月3日午後1時から福島県自治会館において、県内の町村議会議長の出席のもと、本会定期総会を開催した。
山内政副会長(南会津町議長)の開会のことばで始まり、令和6年2月の定期総会以降に就任した町村議会議長の紹介に続き、角田真美会長(鏡石町議長)が挨拶を行った。
表彰では、本会表彰規程に基づく優良町村議会(3町村議会)、特別功労者2名、自治功労者12名の表彰を行った。
来賓祝辞では、鈴木正晃県副知事、山田平四郎県議会副議長、亀岡偉民衆議院議員、小熊慎司衆議院議員、金子恵美衆議院議員、宮田秀利県町村会長(塙町長)から祝辞が述べられた。
議事では、議長に原賢志氏(桑折町議長)を選出し、はじめに報告第4号役員異動報告について報告した。
議案第4号地方町村議会議長会提出議題について、各地方町村議会議長会から提出された議題23件を順序に従って審議し、全議題が満場一致で可決された。
議案第5号決議案について、現下当面する町村自治振興対策の重要課題についての決議案文を山内副会長が説明し、満場一致で採択された。
議案第6号ふくしまの復興・再生に関する特別決議について、本県の復興・再生に関する重要課題についての決議案を伊藤哲雄副会長(双葉町議長)が説明し、満場一致で採択された。
以上で議事を終了、伊藤副会長の閉会のことばで総会を終了した。
決 議
町村は、食料やエネルギーの供給、水源かん養、国土の保全等、国民生活を支える公益的役割を担うとともに、住民にもっとも身近な基礎的自治体として、災害に強いまちづくり、農山漁村の活性化、総合的な地域福祉施策等を推進し、持続可能な地域社会を実現させることが強く求められている。
しかしながら、人口減少、少子高齢化、基幹産業である農林水産業の衰退による地域活力の低下に加え、長引く物価高騰により厳しい行財政運営を余儀なくされている。
また、地方議会は、議員のなり手不足が深刻化しており、議会に対する住民の理解と関心を深め、多様な人材が参画することができる環境整備のほか、複雑・多様化する地域課題に対応するため、政策立案機能の強化やデジタル技術の活用拡大が大きな課題となっている。
よって、我々地方議会人は、自らの魅力を高め、住民の信頼を得る努力を続けるとともに、地方自治の本旨に基づく責務と役割の重大さを自覚し、地域住民の代表としてその負託に応えるべく、積極的な議会活動を通じ、町村自治の振興発展を図るため、下記事項の実現を期するものとする。
記
一.地方創生とデジタル化の推進
一.分権型社会の推進と道州制導入断固反対
一.町村財政基盤の強化
一.食料安全保障の確立と持続可能な農業・農村政策の一体的な推進
一.地域保健医療の向上と社会福祉の推進
一.少子化対策及び子ども子育て政策の推進
一.教育・文化の振興
一.減災・防災、国土強靭化対策の推進
一.高速交通網及び道路網の整備促進
一.デジタル社会の実現に向けた施策の推進
一.脱炭素社会の実現に向けた環境保全対策の推進
一.地方の民意が適切に国政に反映される選挙制度への見直し
一.議会の機能強化及び多様な人材が参画できる環境整備
以上決議する。
令和6年6月3日
令和6年度福島県町村議会議長会定期総会
ふくしまの復興・再生に関する特別決議
東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所事故から13年余が経過する。この間、本県復興は着実に進展しており、帰還困難区域においても全ての特定復興再生拠点区域で避難指示が解除されるとともに、新たな特定帰還居住区域では、一部で除染が開始されるなど、住民帰還に向けた環境整備が加速している。
一方で、復興の進捗は町村ごとに異なり、複雑・多様化する課題にきめ細やかに対応していく必要があることから、国には、本県復興は我が国全体の問題と捉え、前面に立ち、最後まで責任をもって取り組むことを強く求めるものである。
よって、我々地方議会人は、強固な結束と連携をもって、ふくしまの復興・再生に全力を尽くすものとし、下記事項の実現を国並びに東京電力に対し強く求めるものとする。
記
一.必要に応じた現行復興財源フレームの見直しと第2期復興・創生期間後における十分な財源と枠組み、復興を支える制度の確実な確保
一.東京電力福島第一・第二原子力発電所廃炉の安全かつ確実な実施
一.ALPS処理水海洋放出の安全かつ確実な実施と風評抑制に向けた不断の取組
一.全ての除去土壌等の安全・確実かつ円滑な中間貯蔵施設への搬入
一.除去土壌等の県外最終処分に向けた全国民的な理解醸成と最終処分地選定等の具体的な方針・工程の早急な明示
一.森林、林業の再生に向けた総合的な取組の推進
一.県民の健康管理、特に将来を担う子供たちの健康管理対策の推進
一.被災者の生活再建、生業の再生及び移住・定住の促進、関係人口の増加に向けた施策の推進
一.地元町村の意向を十分踏まえた特定帰還居住区域の整備促進
一.帰還意向のない住民の土地・家屋の取扱いに係る方針の速やかな策定と国の責任による帰還困難区域全ての避難指示解除
一.世界に冠たる創造的中核拠点となる福島国際研究教育機構の整備促進と福島イノベーション・コースト構想のさらなる推進
一.本県における2050年カーボンニュートラルの実現及び福島新エネ社会構想の推進
一.風評払拭及び風化防止に向けた国内外に対する正確な情報発信の強化
一.東京電力による全ての損害に対する確実な賠償と国による適時・適切な「指針」の見直し
以上決議する。
令和6年6月3日
令和6年度福島県町村議会議長会定期総会