挨拶をする小椋眞会長
議長を務める須藤俊一棚倉町議長
祝辞を述べる鈴木正晃県副知事
令和4年6月3日午後1時から福島県自治会館において、県内の町村議会議長の出席のもと、本会定期総会を開催した。
片平秀雄副会長(桑折町議長)の開会のことばで始まり、令和3年6月の定期総会以降に就任した町村議会議長の紹介に続き、小椋眞会長(北塩原村議長)が挨拶を行った。
表彰では、本会表彰規程に基づく優良町村議会(3町村議会)、特別功労者9名、自治功労者28名の表彰を行った。
来賓祝辞では、鈴木正晃県副知事、佐藤政隆県議会副議長、金子恵美衆議院議員、遠藤智県町村会長(広野町長)から祝辞が述べられた。
議事では、議長に須藤俊一氏(棚倉町議長)を選出し、はじめに報告第4号役員異動報告について、小椋会長から報告した。
報告第5号令和3年度福島県町村議会議長会一般会計補正予算(第2号)について、小椋会長と事務局から説明し、承認された。
議案第4号地方町村議会議長会提出議題について、各地方町村議会議長会から提出された議題23件を順序に従って審議し、全議題が満場一致で可決された。
議案第5号決議案について、現下当面する町村自治振興対策の重要課題についての決議案文を片平副会長が説明し、満場一致で採択された。
議案第6号ふくしまの復興・再生に関する特別決議について、本県の復興・再生に関する重要課題についての決議案を水野秀一副会長(浅川町議長)が説明し、満場一致で採択された。
選挙第1号監事補欠選挙では、議長による指名推薦で、監事に大塚純一郎氏(只見町議長)を選出した。
以上で議事を終了、水野副会長の閉会のことばで総会を終了した。
決 議
町村は、食料の供給、水源かん養、国土の保全等、国民生活を支える公益的役割を担うとともに、住民にもっとも身近な基礎的自治体として、災害に強いまちづくり、農山漁村の活性化、総合的な地域福祉施策等を推進し、豊かな地域社会の実現を図ることが強く求められている。
しかしながら、町村は、急速に進む人口減少、少子高齢化、基幹産業である農林水産業の衰退、加えて新型コロナウイルス感染症の拡大により、地域活力が低下しており、また、総じて税源に乏しく、厳しい行財政運営を余儀なくされている。
このような中、様々な面で条件の不利な町村が豊かな地域社会を実現するためには、地方創生のさらなる推進や偏在性の少ない安定的な地方税体系の構築、地方交付税等一般財源総額の確保による町村財政基盤の充実・強化が不可欠である。
また、地方議会は、深刻化する議員のなり手不足解消に向け、多様な人材が議会に参画できる環境整備が求められているほか、複雑・多様化する諸課題に対応するため、政策立案機能の強化やデジタル技術の活用拡大が課題となっている。
よって、我々地方議会人は、自らの魅力を高め、住民の信頼を得る努力を続けるとともに、地方自治の本旨に基づく責務と役割の重大さを自覚し、地域住民の代表としてその負託に応えるべく、積極的な議会活動を通し、町村自治の振興発展を図るため、下記事項の実現を期するものとする。
記
一.新型コロナウイルス感染防止対策の一層の徹底及びコロナ後社会を見据えた経済対策の推進
一.地方創生のさらなる推進
一.分権型社会のさらなる推進
一.町村財政基盤の強化
一.経済社会構造の変化に対応した農林水産業振興対策の強化
一.地域保健医療の向上
一.少子化対策の推進及び社会福祉対策の強化
一.教育・文化の振興
一.減災・防災、国土強靭化対策の確実な推進
一.高速交通網及び道路網の整備促進
一.デジタル社会の実現に向けた施策の推進
一.地方の民意が適切に国政に反映される選挙制度への見直し
一.住民自治の推進に逆行する道州制導入断固反対
一.議会の機能強化及び多様な人材を確保するための環境整備
以上決議する。
令和4年6月3日
令和4年度福島県町村議会議長会定期総会
ふくしまの復興・再生に関する特別決議
未曾有の複合災害である東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所事故から11年余が経過する。この間、避難指示区域の大部分は解除され、災害復旧工事はほぼ完了するなど、本県は着実に復興への歩みを進めている。
一方で、今も多くの住民が避難生活を余儀なくされているほか、東京電力福島第一・第二原子力発電所の廃炉、アルプス処理水の処分、風評・風化対策、帰還環境整備などに柔軟かつ、きめ細やかに対応し、山積する課題の解決を図るとともに、イノベーション・コースト構想の実現や福島国際研究教育機構の整備を確実に進め、本県の復興・再生をさらに加速させることが強く求められている。
よって、我々地方議会人は、強固な結束と連携をもって、ふくしまの復興・再生に全力を尽くすものとし、下記事項の実現を国並びに東京電力に対し強く求めるものとする。
記
一.安全かつ確実に東京電力福島第一・第二原子力発電所の廃炉に取り組み、結果を出すこと
一.ALPS処理水の海洋放出処分にあたっては、安全に万全を期すとともに、漁業者をはじめ関係者への理解醸成、風評抑制対策を確実に講じること
一.中間貯蔵施設に搬入すべき全ての除去土壌等を速やかに搬出し、輸送にあたっては安全第一を徹底させること
一.中間貯蔵開始後30年以内の福島県外での最終処分に向け、全国民的な理解醸成を進め、最終処分地の選定の具体的な方針等を明示すること
一.必要に応じ追加的除染を実施するほか、森林、林業の再生に向けた総合的な取組を着実に進めること
一.県民の健康管理、特に将来を担う子供たちの健康管理対策を推進すること
一.原子力災害被災地の復興と被災者の生活再建、生業の再生を図ること
一.原子力災害被災地への移住・定住の促進、関係人口の増加に向けた施策の推進を図ること
一.特定復興再生拠点区域以外の帰還困難区域については、地元町村の意向を十分踏まえ、全域の避難指示解除に向けて最後まで責任を持って取り組むこと
一.福島イノベーション・コースト構想の実現を図り、その効果を福島の復興・再生のみならず、我が国の成長につなげること
一.福島国際研究教育機構については、地元町村等の意見を十分踏まえ、世界に冠たる創造的中核拠点となるよう整備するとともに、司令塔機能を最大限発揮できる体制を構築し、研開発や産業化、人材育成機能の具体化を図ること
一.本県における2050年カーボンニュートラルの実現、再生可能エネルギーのさらなる導入拡大と水素社会の実現に向け、福島新エネ社会構想を推進すること
一.放射線教育の強化及びいじめや風評、差別等を防止する教育を推進すること
一.風評払拭及び風化防止に向け、国内外に対する正確な情報発信を強化すること
一.東京電力は事故に起因する事業に要した行政経費や風評被害を含めた全ての損害に対し、最後まで誠実かつ確実に賠償するとともに、司法の最高機関が示した判決を踏まえ、中間指針を見直すなど、国も事故原因者としての「義務」と「責任」を果たすこと
以上決議する。
令和4年6月3日
令和4年度福島県町村議会議長会定期総会