第90回全国市長会議 決議

参議院議員選挙制度改革に関する決議


 二院制を採る我が国において、参議院では、憲法制定以来、都道府県を単位として代表が選出され、地方の声が国政に反映されてきた。
 現在の我が国において、急激な人口減少に歯止めをかけ、大都市圏への過度な一極集中を是正する地方創生への取組は喫緊の課題となっており、地方の活性化を図るためには、全国各地域の声を、国政に直截的かつ確実に反映させることが重要である。
 令和元年7月に行われた合区による2度目の参議院議員選挙においては、合区の鳥取、島根、徳島、高知の4県で、徳島県が全国最低の投票率38.59%を記録するとともに、前回最下位だった高知県を除く鳥取、島根、徳島の3県は過去最低の投票率を更新する結果となっており、合区の導入は、新たな不均衡として投票意欲の低下を招いていると言わざるを得ない。
 また、この選挙では、比例代表選挙に特定枠制度が導入されたが、合区の有権者が求めている都道府県を単位とした選出を確保できる制度ではなかった。
 都道府県の果たしてきた民主主義のユニットとしての役割に注目して、参議院に衆議院とは異なる地域代表としての性格と役割を与え、都道府県単位で集約される意思を国政に反映させることは、一票の価値の平等に劣ることのない重要な意義と効果がある。
 次回の参議院議員通常選挙までには、合区を根本的に解消し、都道府県単位による選挙により代表が国政に参加することが可能な選挙制度が構築されるよう強く求めるものである。


以上決議する。

令和2年6月3日

                                   全 国 市 長 会
第90回全国市長会議