第89回全国市長会議 決議

持続可能な社会保障制度の構築等に関する決議


 我が国は、これまでどの国においても経験したことのない人口減少社会に直面し、社会保障関係費は年々増嵩し続けているところであり、社会保障制度の持続可能性を確保し、将来世代に確実に引き継いでいくための改革に全力で取り組むことが求められている。
 このような中、国は、我が国における社会保障の機能強化・維持のための安定財源確保と財政健全化の同時達成を目指した「社会保障・税一体改革」の実現に向け取り組んできたところである。

 都市自治体においては、引き続き、幼児教育・保育の無償化等の総合的な子育て支援策の着実な実施、地域における医療の確保、国民健康保険制度・介護保険制度の安定的な運営、生活保護制度・生活困窮者自立支援制度の適正な実施、障害者施策の充実、今後増加が見込まれる外国人材への対応等が求められている。
 我々都市自治体は、社会保障は国との信頼・協力関係に基づき着実に推進すべきものと認識し、子ども・子育て施策をはじめとする社会保障施策の充実のため、国の画一的な制度では対応できない住民ニーズについて地方単独事業を組み合わせて実施することにより、我が国の社会保障制度の維持に寄与しているところである。

 よって、国においては、消費税・地方消費税率の本年10月の10%への引上げを確実に実施するとともに、都市自治体が実施するこれらの社会保障施策の推進に支障が生じることのないよう、必要な人材の確保と地方財源の確保について適切な措置を講じるなど、持続可能な社会保障制度を構築すること。
 全世代型社会保障の構築に向けた各種制度の見直しに当たっては、現場を担う都市自治体の意見を十分に尊重し、合意形成を図ったうえで実施すること。

 なお、今般の風しんに関する追加的対策など、国が緊急的に実施する施策については、実施主体となる都市自治体が混乱なく円滑に業務を遂行できるよう、国は財源の確保等について特段の配慮を行うこと。

以上決議する。

令和元年6月12日

                                   全 国 市 長 会
第89回全国市長会議