第84回全国市長会議 決議 |
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地方の創意を活かした分権型社会の実現を求める決議 |
地方分権の歩みの端緒となった平成5年の衆参両院による「地方分権の推進に関する決議」から、20 年余りが経過した。これまでの改革において、機関委任事務の廃止、国と地方の協議の場の法定化、国・都道府県から都市自治体への事務・権限の移譲等が進められ、分権型社会の実現へ向けた歩みが進んでいることについては、一定の評価をするものである。 一方、都市自治体においては、深刻化する少子高齢化や地域経済の低迷などの厳しい社会環境に直面しながらも、住民の負託に応えるべく不断の行財政改革に取り組みつつ、多様化する住民ニーズ、増大する行政需要に対して、迅速かつ的確に対応してきたところである。 今後、地域では、持続可能な地域づくり、女性の社会進出の拡大による地域活力の増進等を実現していくために、地域住民が自らの意思でそれぞれの地域における行政施策を選択・実施するなど、地域の個性を発揮し、自立した行政運営ができる環境を早急に整備していかなければならない。 我々、都市自治体においては、地方における先進的な諸施策を各都市間で情報共有等を図るとともに、近隣都市と相互に連携・協力を深め、地域の総合行政主体として、引き続き効率的・効果的な行政経営に努めていく所存である。 (残された課題への新たな取組) 国においては、これまでの国における取組みにとどまらず、本会が提言・提案してきた事項のうち、土地利用に係る規制など未だ実現していない事項をはじめとして、これまでの地方分権改革において実現に至らなかった事項等について、住民自治を拡充する観点から更なる改革に向けた検討を行い、これらを着実に実施していくべきである。 また、これまでの委員会勧告方式に代わって導入された「提案募集方式」については、都市自治体等からの意見を尊重し、個々の提案が着実に改革に結びついていくような実効性のある方式となるよう強く望むものである。 加えて、特色ある地域づくりを進めるためには、個々の都市自治体の発意に根ざした「手挙げ方式」が重要である。 (役割分担に見合った財源措置と人材確保) 制度改革や事務事業等の見直しにより、都市自治体が新たな役割を担う際には、新たな事務・権限等を安定的に執行できるよう、必要な財源措置を講じるとともに、専門的な人材の確保・育成を図る仕組みを構築するなど、国による積極的な支援が不可欠である。 (実効ある「国と地方の協議の場」の活用) 国においては、地域の自主性及び自立性を高めるために、国と地方の協議の場等において、住民と直に向き合っている都市自治体の意見を真摯に受け止め、地方の創意に基づく大胆な改革を強力に推進することを強く要請する。 |
以上決議する。 平成 26 年6月4日 |
第84回全国市長会議 |