議案第1号
青森県市長会提出
地方財政基盤の維持に向けた支援について
地方公共団体は、行政需要が増大、多様化する現状にあってなお、事務事業の見直しや職員数の抑制等による歳出削減に取り組み、行財政基盤の強化に努めてきたところであるが、景気回復局面における地域格差の拡大や人口減少、急激に進む高齢化等による社会保障費の増大など、地方財政を取り巻く環境はより一層厳しさを増している。
地方公共団体が地方創生の実現に向けて、自主性・主体性を発揮して施策を進めていくためには、持続可能な財政基盤の確立が不可欠であるが、脆弱な財政基盤が合併の一因となった地方公共団体においては、合併関連事業の進捗が遅れていることに加え、行政区域の広域化に対応するための財政需要は依然として高く、大きな負担となっている。
加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、保健所等を中心とした大幅な業務負担の増加が生じているとともに、外出自粛要請により地域経済は大きく停滞し、地方公共団体においても、各種税収、特に法人関係税の相当な減収が見込まれるなど、一般財源の確保が喫緊の課題となっている。
一方、国においては、令和2年度当初予算による地方創生拠点整備交付金について、複数年度にわたる施設整備を可能とする運用改善がなされたが、令和2年度政府予算額については、地方創生推進交付金の予算額1,000億円のうち30億円であり、交付金額の上限の目安が、都道府県においては1事業あたり国費15億円、中枢中核都市においては1事業あたり国費10億円、市区町村においては1事業あたり国費5億円となっていることから、採択される事業数は必然的に限られること、また、地方公共団体ごとに申請できる事業数は、「第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略」の期間(2020年度~2024年度)を通じて、原則として1事業までとなっていることにより、交付金の活用にあたっては、施設整備事業が複数ある場合に、採択可能性を考慮しながら申請数を1事業に選定しなければならない状況にある。
また、国は、東日本大震災で大きく落ち込んだ外国人旅行者を回復させ、東北の観光復興を加速化させるため、平成28年に「東北観光復興対策交付金」を創設し、各市においては当該交付金を活用し、その市の魅力を広く国外にアピールするプロモーション事業の実施や「コト消費」に対応した体験型コンテンツの造成、外国人旅行者が快適に周遊・滞在できるための受入環境整備などに取り組んできた。
こうした中、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、東北地方へ就航している国際定期便の運休や国内定期便の減便、クルーズ客船の寄港の中止のほか、イベントや会議・会合等が中止となり、観光・宿泊施設等のキャンセルが相次ぐなど、日本国内外の観光客の大幅な減少による観光関連事業者への影響は大きなものとなっている。
よって、国は、次の事項について特段の措置を講じるよう要望する。
記
1 地方創生の実現に向けて、より一層、距離的要因により複数の拠点を必要とする合 併団体等の財政需要を地方財政計画に反映させ、臨時財政対策債の総枠抑制に合わせた地方交付税の更なる増額による十分な財政措置を講じること。
2 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い大幅な減収が見込まれる地方税収入について、国で補填する等、地方行政の運営に支障が生じないよう十分な財政措置を講じること。
3 地方創生拠点整備交付金の当初予算分については、予算枠の十分な確保と、申請事 業上限数の要件緩和を検討すること。
4 令和2年度が最終年度とされている「東北観光復興対策交付金」について、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、大幅に落ち込んだ東北地方への外国人旅行者 を回復させ、インバウンドを活性化させるため、当該交付金を延長すること。
議案第2号
秋田県市長会提出
地方財政基盤の充実強化について
地方自治体には、少子高齢化に対応した保健・医療・福祉施策の推進、生活関連施設の整備、農林水産業の振興などの課題に的確に対応する役割が求められており、懸命に行財政改革に取り組んではいるものの、より自主的・主体的な地域づくりを進めるためには、なお一層の財源の充実・強化が必要不可欠となっている。
こうした中、多くの自治体では、人口減少により地域経済の規模が縮小し、税収入減少に伴う行政基盤の低下が予想されるところであり、今後とも持続的に行政サービスを提供していくためには、安定的な財源の確保が不可欠である。
よって、国は、地方自治体の安定的な財政運営が図られるよう、次の事項について、特段の措置を講ずるよう要望する。
記
1 地方譲与税及び地方交付税については、地方自治体の安定的財政運営に必要な総額を確実に確保するとともに、地方交付税制度については、地域間の格差が拡大することのないよう財源調整機能と財源保障機能を堅持すること。また、地方交付税原資の安定性の向上・充実を図るため、法定率の見直しを行うなど、引き続き持続可能な制度の確立を目指すこと。
2 国庫補助負担事業の廃止等にあたっては、地方への負担転嫁とならないよう十分な財源確保措置を講じること。
3 地方債の総額を確保するとともに、起債充当率の引上げ、貸付利率の引下げ等地方債発行条件の改善を図ること。
4 地方分権改革の推進にあたっては、権限移譲とあわせて税源移譲も確実に実施すること。
議案第3号
福島県市長会提出
地方行財政の充実強化について
まち・ひと・しごと創生法では、地域の実情に応じた施策を展開することで、人口減少問題に一定の歯止めをかけることが期待されているが、地方自治体が「総合戦略」に基づくニーズをとらえた実効性のある各種施策を企画立案、実行するには、財源やICTのさらなる活用、各種規制緩和が必要不可欠である。
また、地方財源については、「経済財政運営と改革の基本方針2018」において、基盤強化期間と位置付けた2021年度まで、「地方の歳出水準については、国の一般歳出の取組みと基調を合わせつつ、交付団体をはじめ地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額について、2018年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保する」とされ、また、「経済財政運営と改革の基本方針2019」において、補助金について、地方の実情を踏まえて自由度を高めるほか、要件の緩和、手続の簡素化、補助単価等の実態に即した見直し等に向けて、課題を捕捉したうえで令和元年度末までに対象や工程を具体化すること、令和2年度予算編成について、消費税率の引上げ対策等のため、適切な規模の臨時・特別の措置を講ずること等とされている。しかしながら、地方自治体は、行政需要が増大、多様化する現状にあってなお、事業や職員数抑制等による歳出削減に取り組み、行財政基盤の強化に努めてきたものの、景気回復局面における地域格差の拡大や人口減少、急激に進む高齢化等による社会保障費の増大など、地方財政を取り巻く環境は依然として厳しい状況にある。
よって、国は、地方行財政の充実強化のため、次の事項について特段の措置を講じるよう要望する。
記
1 地方創生推進交付金については、市町村の判断で自由に活用できる財源となるような制度に改めるとともに、人口減少克服・地域経済活性化に向けた事業展開が推進できるよう、十分かつ継続的な財源の確保に努めること。
2 マイナンバーカード普及等に関する全体スケジュールに沿って、今後、マイナンバーカードの申請の急増が見込まれることから、申請者本人へ本人限定受取郵便等で直接交付できるようにすることなど、都市自治体が行うマイナンバーカードの交付に関する事務手続きを簡素化すること。
また、地方版総合戦略の推進のため、社会保障・税番号制度を活用し、住民異動届等のオンライン申請や住民基本台帳ネットワークシステムの運用時間帯の延長など住民利便性の向上を図るとともに、制度の国民への周知と理解促進を図り、自治体の財政負担を軽減するよう万全の措置を講じること。
また、電子証明書等の取得について、顔写真付身分証明書の複写の廃止や手数料無料期間の当面の期間延長など住民の利便性向上を図るとともに、公的個人認証サービスの事務の簡素化及び普及の促進を図ること。加えて、マイナンバーカードの多目的利用に要する経費に係る特別交付税措置については、期間を限定することなく十分かつ継続的な財源の確保に努めること。
3 各特区制度については、当該制度における実績等を鑑み、実効性のある事業等について他自治体においても活用できるよう、速やかに規制緩和等を行うこと。
また、各種統計調査に係る調査データについては、各種施策を企画立案する際に重要な基礎データとなるため、全ての統計調査において、市町村単位でデータの抽出を自在に行えるようにするとともに、誰もがデータを取得でき、かつデータの二次利用ができるようにすること。また、調査項目については、行政、民間問わず時代のニーズに即した項目を適宜追加し調査すること。
また、地域間の情報格差を是正し、地域住民の生活向上や地域経済の活性化を図るため、民間事業者が光回線等を整備できるよう、情報通信利用環境整備推進事業の要件を緩和し、超高速ブロードバンド未整備地区における情報通信基盤整備に対する財政支援を行うこと。
4 地方譲与税及び地方交付税については、地方自治体の安定的財政運営に必要な総額を確実に確保するとともに、地方交付税制度については、地域間の格差が拡大することのないよう財源調整機能と財源保障機能を堅持すること。また、地方交付税原資の安定性の向上・充実を図るため、法定率の見直しを行うなど、引き続き持続可能な制度の確立を目指すこと。
また、普通交付税の算定について、「人口と面積」といった規模だけではなく、地方の実情に沿った算定方法に改め、地域間格差を是正するような予算の確保・充実を図ること。
5 税制改革で地方税が減額された際には、補てんする財源を確保すること。
6 法人税率の引き下げに伴う代替財源について、課税ベースのさらなる拡大等により安定的な代替財源を確保し、地方の歳入に影響を与えないよう措置を講じること。
また、地方法人税の再配分に当たっては、被災地の財政を考慮し、減少分は勿論それ以上に優先的に配分するとともに、国税化された法人市民税が適切に配分されているか、配分率等の明確化を図ること。
7 住民生活に直結する行政サービスに係る財政需要の急増に対応するため、地方消費税の拡充を図ること。
また、地方消費税交付金の増収分が、一般財源の増加につながるよう、財政力に応じて算入率を見直すこと。
8 公共施設等適正管理推進事業債について、事業期間が令和3年度までとされていることから、期間延長などを含めた地方債による長期的な支援を図るとともに、事業債を活用する際の個別施設計画に関する要件や転用事業における対象事業費上限の緩和のほか、除却に係る財政措置の拡充など、地方財政措置による十分な財政支援を図ること。
また、公共施設の統廃合に際し、公共施設と民間病院等公益性の高い施設との複合化が推進されるよう、民間施設との複合化についても、市民の利便性を向上し街づくりに資するため、公共施設等適正管理推進事業債の対象とするなど、財政措置を拡充すること。
9 会計年度任用職員制度について、厳しい財政状況にあっても全ての自治体が制度の趣旨に沿った適正な任用及び勤務条件の確保が図られるよう、国において任用人数や支弁額等に応じた十分な財政措置を講じること。
10 令和2年1月に発効した日米貿易協定に基づく包括的な交渉において、交渉分野・内容等について、住民生活や自治体に影響を及ぼすことのないよう求めるとともに、可能な限り情報提供を行うこと。
議案第4号
秋田県市長会提出
施設の統廃合等に係る「補助金等に係る予算の執行の
適正化に関する法律」の柔軟な対応について
高度経済成長期に建設された公共施設が、これから大量に更新時期を迎える一方で、地方公共団体の財政は依然として厳しい状態にある。
また、人口減少等により公共施設等の利用需要が変化し、未利用施設の増加等、市町村合併後の施設全体の最適化を図る必要性がある。
地方公共団体は、公共施設等の最適な配置を実現するため、公共施設等総合管理計画を策定し、公共施設等の全体を把握するとともに、長期的な視点をもって更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行っている。
補助対象財産の処分手続きに関しては、平成20年5月の財務省通知(補助対象財産の転用等の弾力化について)により、各省庁から「補助事業等により取得し、又は効用の増加した財産の処分等の承認基準」の通知がなされ、一定の弾力化が図られたところであるが、各省庁間で、その手続きや取扱い等に差異があり、今後、公共施設等総合管理計画によって施設の縮小を進めるにあたり、その実行が困難となることもあり得る。
よって、国は、地方公共団体が公共施設等総合管理計画に基づき実施する国庫補助対象施設の統廃合・複合化等について、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第22条(財産の処分の制限)に係る各省庁の取扱いが、より柔軟かつ弾力的な運用が可能となる措置を講じるよう要望する。
議案第5号
秋田県市長会提出
過疎地域自立促進特別措置法による過疎対策の継続について
過疎地域においては、若年層の流出を中心とした深刻な人口減少と高齢化の進行に直面し、地域医療の弱体化や路線バスの廃止、耕作放棄地の増加及び森林の荒廃等の生活・生産基盤の弱体化が進んでおり、また、地域によっては存続が危ぶまれる集落が増加するなど、地域の抱える課題は一層深刻さを増している。
このような状況のもと、住民にとって安全・安心な暮らしを確保する公共施設等の整備や集落維持を目的とした、きめ細かな施策及び活性化のための積極的な取組が、人口減少の歯止めとして期待されている。
過疎関係市町村は、一般的に財政力が脆弱で人口減少と少子高齢化が全国に先行して進んでいることから、地域の活力を維持し、自立して発展を続けるためには過疎対策の継続が必要である。
よって、国は、期限が令和3年3月31日となっている過疎地域自立促進特別措置法の期限延長、あるいは、引き続き過疎地域の振興が図られるよう新たな過疎対策法を制定するとともに、財政基盤の強化として地方交付税措置による財源保証機能を伴う過疎対策事業債制度を存続し、必要額の確保について特段の措置を講じるよう要望する。
議案第6号
宮城県市長会提出
過疎地域に対する支援の継続について
過疎地域は、我が国の国土の過半を占め、豊かな自然や歴史・文化を有する地域であり、都市に対する食糧・水・エネルギーの供給、国土・自然環境の保全、いやしの場の提供、災害の防止、森林による地球温暖化の防止などに多大な貢献をしている。
しかしながら、過疎地域においては、多くの集落が消滅の危機に瀕するなど、極めて深刻な状況に直面している。人口減少に歯止めをかけるには、大都市から地方へ、人・企業などを分散することが重要であり、そのためにも過疎地域が安心・安全に暮らせる、活力と魅力ある地域として健全に維持されていくことが必要である。
よって、国は、令和3年3月末をもって失効する現行の「過疎地域自立促進特別措置法」の期限終了後も、過疎地域が果たしている多面的・公益的機能を今後も維持していくため、引き続き過疎地域に対して総合的かつ積極的な支援を継続し、住民の暮らしを支えていく政策を推進するため、次の事項について特段の措置を講じるよう要望する。
記
1 継続的に過疎地域の振興が図られるよう、令和3年度以降における新たな過疎対策法を制定すること。
2 現行過疎法の期限終了後も、過疎市町村が取り組む事業が円滑に実施できるよう過疎対策事業債及び各種支援制度の維持を図ること。
3 過疎地域市町村を含む合併があった市町村において、過疎地域の振興が図られるよう現行法第33条の規定による「市町村の廃置分合等があった場合の特例」を引き続き設けること。
議案第7号
青森県市長会提出
医療・福祉施策の充実強化について
全国的に地域病院における医師不足が問題となっている中、特に産科医及び麻酔科医の不足は、急性期医療や周産期医療の充実を困難にしており、医師確保は少子化に歯止めをかけるためにも欠かせないものとなっている。
また、少子化や子どもの貧困が問題化する中、多くの地方公共団体は独自施策として、中学生までの医療費の無償化を図っているが、各地方公共団体の財政状況によって、実施内容に地域間格差が生じている。
次世代を担う子どもたちの健全育成環境は、住む場所によって左右されるべきではなく、特に子どもに係る医療費の負担の格差は、一部地域の人口減少や少子化を招くおそれがある。
よって、国は、次の事項について特段の措置を講じるよう要望する。
記
1 産科医、麻酔科医の確保は喫緊の課題となっていることから、医師の地域偏在及び専門科目の偏りの解消等に取り組むこと。
2 医療費自己負担の地域格差を是正し、どこにいても、誰でも安心して子どもを産み育てられる環境が形成されるよう、全国一律で、中学生までの医療費を無料化すること。
議案第8号
秋田県市長会提出
地域における社会保障基盤の充実・強化について
人口減少と少子高齢化が進む中にあって地域に住み続けるためには、医療及び介護の安定的供給が必要不可欠となっている。
しかしながら、現状では医師の地域的及び診療科間の偏在が大きな課題となっており、また人口減少地域における病院経営を支援する措置等による医療機関の堅持が求められている。
また、介護保険については、高齢化の進展にともない実情に即した運営を安定的に提供することが困難になっている。
よって、国は、医療及び介護の安定的な供給のため、次の事項について特段の措置を講じるよう要望する。
記
1 いのちを守る緊急の課題として医師養成を図るとともに、医師偏在をなくし、全国均等な専門医の配置など医療提供体制の整備について、国の制度や方針を確立すること。
2 国が実施する医師確保対策の強化により、地域住民に良質な医療を効果的かつ持続的に提供できる医療環境を早急に構築すること。
3 関係機関の連携のもと、医療機関への医師配置に関する調整機能を確保し、医師の地域偏在を是正すること。
4 現在の地域医療の窮状を解決するため、医師の地域偏在が是正されるまでの間、緊急臨時的な措置として短期間交替制の常勤医師の派遣制度を創設すること。
5 産科、麻酔科及び小児科の救急医療について、国の責任において地域への均衡ある医師配置に取り組むなど、医療体制の整備と財政措置の継続を図ること。
6 安全に安心して出産できる体制を構築するため、総合周産期母子医療センター、地域周産期医療センターの機能と二次病院・地域周産期医療施設の連携を強化するとともに、地域の分娩取扱機関が可能な限り存続できるような施策を講じること。
7 地域性や患者の必要度に応じた安全で質の高い看護を持続的に提供できるよう、看護師確保に対する諸施策を積極的に行うこと。
また、医師・看護師と同様に薬剤師確保に対する諸施策を実施すること。
8 地域医療構想の実現に向けた取組に当たっては、地域の実情を考慮した慎重な対応を行うこと。
9 消費税率引上げ対策として、診療報酬大幅プラス改定、医療材料や医療品などの仕入れにかかる消費税負担の軽減措置を講ずること。
10 介護および介護予防に係る給付費の国庫負担割合を現行の20%から引き上げるとともに、調整交付金は従来どおり別途配分するなど、更なる財政基盤の強化と介護保険料上昇の抑制に努めること。
議案第9号
岩手県市長会提出
地域医療の充実強化について
地域医療の充実・確保は、市民の安心・安全な生活を支えるうえで極めて重要である。
しかしながら、医師が都市部に集中し、地方で不足する「地域偏在」と、産科医や外科医等のなり手が少ないことによる「診療科偏在」を要因として、地域においては必要な医療体制の確保が難しい状況にある。
特に、岩手県においては、厚生労働省が公表した「医師偏在指数」において、全国最下位となるなど、医師不足は深刻な状況であり、一刻も早く解消し、必要な医療が身近で受けられる環境を整えることが求められている。
特にも、周産期医療従事者の不足が顕著な状況にある。2024年度から医師・医療従事者の働き方改革による時間外労働規制が始まれば、周産期医療現場における医師、助産師・看護師の不足が一層進み、周産期医療を提供する場の集約とこれに伴い妊産婦の移動等の負担が増すことが懸念される。
また、地域医療に重要な役割を果たしている公的病院等において、経営悪化や医師不足に伴う診療体制の縮小を余儀なくされるなど、医療供給体制の維持が極めて厳しい状況となっている中、運営助成に対する特別交付税が削減されているほか、公的病院等以外の病院でも救急医療、小児救急医療などの不採算部門を担っている病院等に対する財政支援もなく、地域医療の安定した継続を確保することが難しくなっている。
急ぐべきは全国どの地域においても医療・介護サービスが、真に必要とされる方に過不足なく、適切に提供できる体制の再構築と考えられる。
よって、国は、次の事項について、特段の措置を講じるよう要望する。
記
1 医師や看護教員を含めた看護職員の不足、地域間・診療科間の偏在等の実態を踏まえ、地域を支える医師・看護職員の絶対数を確保するため、即効性のある施策及び十分な財政措置を講じること。
特にも、周産期医療従事者の不足解消のため、住民が地域で安心して出産できるよう、産科医、小児科医及び助産師をはじめとする医療従事者の需給に力点を置き、養成のための施策を講じるとともに偏在の解消に向けた実効性のある支援策を実施すること。
2 医師の偏在や不在の状況が是正されるまでの間、様々な患者ニーズに対応するため、国による医師派遣等の支援を講じること。
3 医師に一定期間、地域医療従事を義務付けるなど、地方が医師を確保できる仕組みを早急に構築すること。
4 公的病院等への助成に対する特別交付税の算定において繰出額に減額する措置率を乗じることとした現行の算定方法を撤廃すること。また、救急医療、小児救急医療などの不採算部門を担う公的病院以外の病院についても特別交付税措置の対象に加えること。
議案第10号
宮城県市長会提出
地域医療の充実について
安全で安心な生活を送るためには、地域医療の充実が不可欠であり、中でも、自治体病院は地域の中心的な病院として、一般医療や救急医療等で重要な役割を担っており、地域医療に欠かせない存在である。
また、高齢化に伴う疾病構造の変化、事故や災害の多発傾向、医療技術の進歩、住民意識の変化などにより、救急医療及び高度専門医療に対する住民のニーズが拡大してきているが、医師や看護師等の医療従事者の不足が深刻化している上、本県における救急医療施設及び高度専門医療施設の設置状況は県内二次医療圏毎に見ると必ずしも十分とは言えない。各圏域内でのこれら施設の設置等だけでなく、医療法の規定に基づき、五疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)や五事業(救急医療、災害時医療、へき地医療、周産期医療、小児医療)、在宅医療に対応した医療分担及び地域医療連携体制の構築が強く望まれている。
一方で、医療費助成制度に目を向けると、乳幼児医療費助成制度は、乳幼児の健全な発育を促進し、子育て家庭の経済的負担を軽減する重要施策として、都道府県の補助を受け、市町村事業として実施しているが、その内容は都道府県により異なっている。市町村においては、少子化が進む中で、独自に対象年齢を引き上げるなどの上乗せ助成が行われていることから、少子化対策に関する地域間格差が懸念される。
よって、国は、地域医療の充実や医療費助成制度の充実のため、次の事項について特段の措置を講じるよう要望する。
記
1 経営環境の厳しい自治体病院に対する経営安定化のため、救急医療を始めとする不採算部門への支援、公立病院特例債の復活、独自補助制度の創設等、財政支援措置を拡充すること。また、平成15年度から病院事業債の繰出基準を2分の1に減じているが、自治体病院の経営安定化を図るため、3分の2に復元して地方交付税に算入する等、財政支援措置を拡充すること。
2 現行の消費税制度において、診療報酬が非課税である反面、医薬品や医療機器等の購入に係る消費税は病院が負担することになり、病院経営に対する影響は大きいものがあるため、これに係る税制度の抜本的改正をすること。また、自治体病院の経営安定化に繋がるよう地域医療に係る診療報酬体系の見直しを図ること。
3 県内の二次医療圏毎に医療機関の機能分担による整備を行い、高度専門医療機能を持つ病院及び小児科・産科医師を集約化した拠点病院の整備を早期に行うとともに、救命救急センターの設置等、確実に救急患者の受入れができる体制の確立を図ること。また、地域の中核的病院及び災害拠点病院の整備・強化を図ること。
4 救急医療体制を維持・確保するため、二次救急患者の転院体制を構築するなどにより、二次救急医療体制の充実強化を図るとともに、救命救急センター運営に対する財政支援を行うなどにより、三次救急医療体制の充実強化を図ること。また、夜間及び休日における適正受診を促すよう、更なる啓発を行うこと。
5 医師、看護師、薬剤師、理学療法士等の医療従事者の人員の確保及び地域偏在の是正等が図られるよう、医師派遣体制を充実させるとともに、自治医科大学等の入学定員の増員や医師に一定期間地域医療従事を義務付ける等のシステムを早急に構築する等、各種支援措置を講じること。また、「働き方改革」が叫ばれている中、医師をはじめとする医療従事者の労働環境の整備が喫緊の課題と捉えた上で、不足している小児科・麻酔科・産婦人科等の診療科の医師や救急医の確保、医療従事者の離職防止対策、養成制度の充実・支援及び復職支援対策等、医療体制の一層の整備を図ること。
6 現行の医師臨床研修制度による影響分析と特定診療科目からの医師離れへの対策を講じるとともに、新専門医制度の導入により地方にバランスよく若手医師、女性医師が配置されるような仕組みを構築し、勤務医の地域偏在、診療科偏在が是正されるよう進めること。さらに、地域包括ケアを支える人材として、総合診療専門医の養成を図ること。また、医師が地方で安心して働ける環境整備への支援を行うこと。
7 医療が高度化、専門化する中で、高い水準の知識と技術を有する看護職員が求められ、所定の研修を受講した看護師の配置が、多くの診療報酬の要件となっているにも関わらず、地方においては研修機会が少なく、さらに研修受講のためには、長期間、遠方への研修派遣により負担を余儀なくされている現状を鑑み、地方における看護師の教育体制整備及び財政措置を含めた養成教育への支援施策について、早急に実施すること。また、病床数の適正化(ダウンサイジング)を進めるため、同一病棟での混合病床に対応した看護師配置基準の特例が認められるように措置を講じること。
8 夜間急患センターを含む医療施設、設備等設置に要する費用について、財政措置を講じるとともに、同施設の運営に要する経費として措置されている特別交付税について、算定条件である合計診療時間を段階的なものに改め、その区分に応じた算定額とすること。
9 自治体病院における電子カルテシステムの整備に伴うクラウド利用料などの情報処理費用に対する操出金の制度化と交付税措置を講じること。
10 全国一律の「子どもの医療費助成制度」の創設、健康保険の患者負担軽減措置対象年齢の拡大など、地域間格差のないよう少子化対策としての子どもの医療費支援措置を国の責任で行うこと。また、国民健康保険に係る国庫負担金について、基本交付額から地方単独事業波及増額分を減額して交付する療養給付費負担金減額措置を廃止するなど、財政支援の充実を図ること。
11 令和2年度中に予定されている「新公立病院改革ガイドライン」の改定に伴う再編・ネットワーク化や経営形態の見直しを強力に推進する観点から、民間譲渡を行う場合の既往債の繰上償還に対する借換債の措置、不良債務等の解消や退職手当の財源に対する措置、病院事業債(特別分)の交付税措置の拡充など、必要な地方財政措置や支援策を創設・拡充すること。
議案第11号
福島県市長会提出
地域医療及び国民健康保険制度の充実強化について
市民一人ひとりの生命を守り、医療格差のない安心・安全な医療サービス等が提供される地域医療の充実が求められている。
しかしながら、医師が都市部に集中し、地方で不足する「地域偏在」と、産科医や外科医等のなり手が少ないことによる「診療科偏在」を要因として、地域においては必要な医療体制の確保が難しい状況にある。
また、国民健康保険制度は、他の医療保険制度と比較して高齢者や低所得者の割合が高いなどの構造的な問題を抱えていることから、財政基盤は極めて脆弱である。
よって、国は、次の事項について特段の措置を講じるよう要望する。
記
1 産科及び小児科、並びに二次救急医療機関について、国は緊急医師確保対策を早期に実現し、医師の養成や地域偏在及び専門科目の偏りの解消に取り組むなど医療体制の整備を図ること。
また、医師の確保・調整については、都道府県の取組が円滑に進むよう引き続き財政支援を行うことはもとより、都道府県域を超えた医師偏在の調整等、医師派遣制度の更なる拡大に実効性のある措置を講じるなど医師が不足している地方病院が医師を確保できるシステムを早急に構築すること。
また、医師確保計画の策定にあたっては、地域の実情に即して、病院・診療所別及び診療科別の目標医師数の設定や、地域枠による医師の公民問わず二次医療を担う病院への派遣について盛り込むとともに、医療圏における医師数を柔軟に評価すること。
2 医師、病院等の偏在による医療サービスの格差を埋めるべく、自治体が取り組む地域医療の確保・充実のための施策に対し、十分な財政措置を講じること。
3 医師、看護師、薬剤師、理学療法士等の医療従事者の人員の確保及び地域偏在の是正等が図られるよう、必要人員の養成に係る対策及び医師派遣体制を充実させること。
また、新専門医制度の導入により都市部や大病院等への更なる医師の偏在を加速させないよう対策を講じること。
4 自治体からの公的病院等への各種助成に対する特別交付税措置は、地域医療の確保の上で貴重な財源であり、救急医療提供体制を維持する上で今後も必要であるため、交付税措置を継続するとともに措置額の縮小等を行わないこと。
特に、救急告示病院に関しては、公的病院と私的病院の格差を是正すること。
5 新たなワクチンの定期予防接種化に当たっては、自治体の財政基盤や被接種者の経済状況によらず、財源を全額保障すること。
また、任意の予防接種であるおたふくかぜワクチン接種費用についても、財政措置を講じること。
6 子宮頸がん予防ワクチン接種後の健康被害について、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)による医療費及び医療手当の救済措置の申請手続きが非常に煩雑で、また、支給・不支給までの期間が長期にわたり、本人及び保護者の負担が大きく一日も早い解決が必要とされていることから、因果関係の疑いが否定できないものについては広く給付の対象とし、予防接種法及びPMDA法等による、誠実かつ早期の救済を図ること。
7 国民健康保険制度について、安定的かつ持続的な運営ができるよう、国庫補助を増額するなど、更なる財政基盤の拡充強化を図ること。
また、国民皆保険制度を堅持するため、将来的には、全ての国民を対象とする医療保険制度の一本化に向けた抜本的改革を実施すること。
さらに、国が開発し、各自治体へ導入を促進している市町村事務処理標準システムについて、大規模自治体でも外付けシステム等を使用することなく事務処理が可能となるよう、市町村事務処理標準システムの機能改善を図ること。
8 国民の健康増進及び傷病の重症化防止並びに自治体の事務の軽減が図られるよう、また、自治体独自の子育て世代の移住・定住促進策を阻害することのないよう、医療費助成の現物給付方式実施に伴う国保の普通調整交付金及び療養給付費負担金の減額措置を完全に廃止すること。
9 国保税における子どもの均等割額については、被用者保険にはない負担であり、医療保険制度間の公平性を確保し、子育て世帯の負担軽減を図るため、国による財源措置を含めた軽減制度を創設すること。
また、国保税(保険料)の賦課限度額の設定については、被用者保険におけるルール(最高等級の標準報酬月額に該当する被保険者の割合が0.5%~1.5%の間となるように法定されている)とのバランスを考慮し、当面は超過世帯割合が1.5%に近づくように段階的に引き上げられているが、各自治体における最高限度額に到達する所得額の水準に大きな格差が生じていること、及び、賦課限度額の引上げにより被保険者の負担が大きくなっていることから、被用者保険の考え方を適用させないこと。
議案第12号
岩手県市長会提出
社会保障制度の充実強化について
国民健康保険制度においては、財政運営の責任主体を都道府県とする改革を行い、財政措置として総額約3,400億円の公費拡充が図られたが、他の医療保険制度と比較して高齢者や低所得者の割合が高く、高齢化の進展や医療技術の高度化に伴う医療費の増加や被保険者数減少等の影響もあり、今後も厳しい財政状況が見込まれている。
また、医療費助成事業の現物給付方式は、患者の窓口負担の軽減や市町村の事務処理の簡素化・効率化などの観点から、医療サービスの受診機会の適正な確保の推進につながるものであるが、国は、現物給付を実施する自治体に対し、ペナルティともいえる国庫負担金の減額措置を続けている。
さらに、子どもに対しての医療費助成制度は、子どもの健全な成長を確保し、子育て世代の経済的負担の軽減になることから、現在ほとんどの自治体で実施しているものの、自治体間で認定基準や助成範囲が異なり、住む地域によってサービスに格差が生じている状況にある。
よって、国は、次の事項について特段の措置を講じるよう要望する。
記
1 被保険者の所得に対する保険税負担割合の抑制を図り、かつ、国民健康保険が安定的かつ持続的に運営できるよう、国庫補助の増額等財政支援を拡充し、財政基盤の強化を図ること。
2 医療費助成の現物給付方式の実施に伴う普通調整交付金及び療養給付費負担金の減額措置を廃止すること。
3 子どもに係る国民健康保険税の均等割額については、子育て世帯の負担軽減を図るため、国による財源措置を含めた軽減制度を創設すること。
4 子どもの医療費助成制度について、全ての国民が安心して子どもを産み育てられるよう、国の責任において全国一律の制度を創設すること。
議案第13号
山形県市長会提出
子どもに係る国民健康保険料(税)均等割額を軽減する制度の創設について
国民健康保険制度は、大規模な公費を投入して財政基盤を抜本的に強化するとともに、平成30年4月1日から都道府県が財政運営の責任主体となり市町村と共同で運営する体制となった。
一方、少子高齢化という根本的な課題への取組として子育て世帯の経済的負担の軽減対策、子ども・子育て支援対策等も極めて重要なものと考える。
このような中で、国民健康保険においては、子どもに係る負担軽減の措置は無く、均等割保険料(税)が一律に賦課されることから子供が多い世帯ほど負担が増す制度となっている。均等割額は所得等に応じた法定軽減があるものの、被用者保険には無い負担であり、医療保険制度の公平性を確保し国民の負担の平準化を図るうえで、早急な見直しが必要であると考える。
よって、国は、子育て世帯の負担軽減を図るため、子どもに係る国民健康保険料(税)均等割額を軽減する制度の創設について、早急に議論を進め、適切な措置を講ずるよう要望する。
議案第14号
福島県市長会提出
子育て環境の充実について
自治体は、子どもたちに一番近い立場で、子どもたちの視点に立ち、すべての子どもの健やかな育ちを目指して、子どもたちを中心とした支援策を創意工夫し、その実施にまい進している。
令和元年10月から幼児教育・保育の無償化が開始されたが、認可外保育施設の質の確保・向上をはじめとする、幼児教育・保育の無償化に関する様々な課題について、PDCAサイクルを行う、国と地方のハイレベルによる「幼児教育・保育の無償化に関する協議の場」において具体的な協議を行いながら、自治体は、子どもたちの命を預かる立場から、取り組んでいるところである。
また、令和元年12月に閣議決定された「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」において、学校における高速大容量ネットワーク環境の整備を推進するとともに、特に、義務教育段階において、令和5年度までに、全学年の児童生徒一人ひとりがそれぞれ端末を持ち、充分に活用できる環境を目指すGIGAスクール構想が示されたことから、自治体はこれらにも取り組んでいるところである。
よって、国は、子どもたちのための無償化やGIGAスクール構想が自治体の意見を踏まえた望ましい形で推進されるよう、また、子育て世代の誰もが一律の支援が受けられ、安心して子どもを生み育てる環境を整えるため、次の事項について特段の措置を講じるよう要望する。
記
1 幼児教育・保育の無償化における認可外保育施設の質の確保・向上をはじめとする様々な課題について、PDCAサイクルを行う「幼児教育の無償化に関する協議の場」での議論を踏まえ、都市自治体の意見を充分に反映すること。
2 子ども・子育て支援法に基づき市町村が支弁する施設型給付費の支給に要する費用について、市町村の負担が増大していることから、子どものための教育・保育給交付金について現行制度の負担割合を見直すこと。
3 放課後児童クラブを利用する低所得世帯等を対象に利用料の減免を行った場合に、その減免した額に対する補助制度を創設すること。
また、学校施設への放課後児童クラブ整備に伴い生じる、特別教室の移設費用やリース費用等についても補助対象とすること。
また、「放課後児童クラブ支援事業」における賃借料補助については、補助対象が平成27年度以降に新たに実施する場合等と限定されているため、実施団体間の公平性が保てるよう、補助制度の見直しを行うこと。
4 多額の費用を要する学校施設の改築や大規模な改修は、自治体単独の負担で実施することは極めて困難であることから、次代を担う子ども達の安全・安心な教育環境を確保するためにも、公立学校の改築や大規模な改修に対し、実態に即して補助単価を引き上げるとともに、十分な財政措置を講じること。
5 GIGAスクール構想の実現のための端末整備について、地方の実情に合った調達手法を前提としたスキームとし、補助対象外となっている端末使用に必要なソフトウェアを対象とするなど補助対象範囲を拡大するとともに、当該構想を持続可能なものとするため、端末整備完了後における機器更新費用をはじめとするランニングコストについても、継続的かつ十分な財政措置を講じること。
また、校内通信ネットワークの整備については、大規模自治体の状況を考慮し、補助期間を延長すること。
6 保護者の教育費負担軽減のため、学校給食の公費負担のあり方について検討すること。
7 小中学校及び幼稚園の特別支援教育支援員について、必要に応じ確実に配置するために、専門職員配置の義務化や、新たな補助制度を創設するなど財政措置の更なる拡充を図るとともに、特別支援学級においては、障がい種別が重複化・多様化及び対象児童生徒の増加が進んでいることから、現在8人1学級編成としている基準を1学級3~6人程度へと引き下げること。
また、不登校児童生徒が増加傾向にあることから、適応指導教室の施設整備及び専門的な人員配置を拡充するための財政支援を行うこと。
8 スクールカウンセラー活用事業及びスクールソーシャルワーカー活用事業については、すべての自治体が事業主体となれるよう制度改正を行うとともに、補助率の引上げを行うこと。
9 学校の統廃合に伴い遠距離通学の支援を継続していくため、へき地児童生徒援助費等補助金に基づくスクールバス等の委託料に係る現在の年限(5年間)を廃止すること。
議案第15号
山形県市長会提出
子育て支援医療給付制度の実施について
山形県内では、次世代を担う子どもたちを安心して産み育てる環境づくりの推進のため、県の医療給付事業補助金を活用しながら、厳しい財政状況の中、市独自に段階的に支援内容の拡充を図り、現在は中学生までの医療費を無料とする子育て支援医療給付事業をすべての市町村が行っている。
しかしながら、給付対象者が中学生までの市町村と、高校生まで拡大している市町村があるなど、同じ県内の自治体間において支援内容に格差が生じている状況にあるが、本来は、すべての子ども、子育て家庭には平等に給付が提供されるべきであると考える。
令和元年10月からの消費税の引き上げ及び、現在の新型コロナウイルス感染症対応による景気の低迷など、子育て世代には厳しい状況が続いているが、少子化や人口減少対策は国の重要な課題であると考える。
よって、国は、子育て支援推進の観点から、地域間格差を解消して安心して子育てするためにも、子育て支援医療給付を国の制度として実施されるよう要望する。
議案第16号
福島県市長会提出
福祉施設及び介護保険制度の充実強化について
誰もが安心して暮らせる地域社会を築いていくため、障がい者への支援や高齢化社会に対応した福祉施策の強化が求められている。
また、急速に進む高齢社会を支える介護保険事業は、給付費増による事業運営の圧迫等の課題が顕著となっている。
よって、国は、次の事項について特段の措置を講じるよう要望する。
記
1 福祉・介護分野において、事業が継続され、事業者が質の高い人材を安定的に確保できるよう、適切な水準の介護報酬の設定など福祉・介護職員の処遇改善及び幼少期からのキャリア教育など福祉・介護職のイメージアップの取組等福祉・介護人材の確保につながる更なる対策を講じるとともに、人材不足を補うためのICT化の更なる推進を図ること。
2 社会福祉施設等災害復旧費国庫補助金について、賃貸物件については貸主に原状回復の義務があることから補助対象外となっているが、福祉施設においては、賃貸物件か否かに関わらず災害からの速やかな復旧を図り、利用者への福祉サービスの提供を確保する必要があることから、賃貸物件についても当該補助制度が利用できるよう補助対象の拡充を図ること。
3 地域生活支援事業の費用負担割合は国が事業費1/2以内、県が1/4以内であり、残りを市町村が負担することとなっているが、国・県から市町村への補助金(補助率)が年々減少傾向にあり市町村の財政負担が増加していることから、安定的な事業継続を図るため、早急に十分な財源を確保すること。
4 障害福祉サービス等利用に係る計画相談支援事業について、計画相談支援を行う特定相談支援事業所やサービス等利用計画を作成する相談員の不足が課題となっていることから、これらの増加を図るため、計画相談支援給付費の障害支援区分や行動障害などに配慮した実態に即した加算、相談支援従事者養成研修の受講機会の拡大、報酬体系の見直しなどの対策を早急に講じること。
5 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に規定される就労継続支援B型の報酬単価設定が、定員と前年度の事業所の平均工賃月額による算定方法に改定されたことにより、精神疾患や引きこもり等により毎日通所できない障がい者等を預かっている事業所については、平均工賃月額が下がる傾向にあり、事業所の経営が圧迫されるとともに、毎日通所することが困難な障がい者等の受入れが敬遠される状況にあることから、平均工賃月額の算出方法について、毎日の通所が困難な障がい者については、定員の数%までは除外できる等、作業効率の低い障がい者が排除されることのないような仕組みを構築すること。
6 手話の理解、普及については予算や対応など自治体により地域格差があるが、全ての国民が、障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するためには、手話が音声言語と対等な言語であり、ろう者にとって必要な言語であることを国民に広め、聞こえない子どもが手話を身につけ、手話で学べ、自由に手話が使える環境、さらには手話を言語として普及・研究できる環境を整備するなど、法制度の整備と拡充を図ること。
7 高齢者が運動機能の低下により移動等が困難になり日常生活に支障をきたすことがないよう、また、運動機能が低下した高齢者が自宅等に閉じこもることのないよう、自らの意思で円滑に移動できる環境を整備する自治体独自の施策に呼応し、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」をより一層推進し、施設のバリアフリー化等高齢者を取り巻く環境改善を図るための財政措置を講じること。
また、自治体においては高齢者が住みなれた地域で日常生活を送ることを目標に、地域支援事業等の国の制度を活用しながら様々な高齢者施策を推進しているが、さらなる施策推進のための財政支援を講じること。
8 介護保険財政の健全な運営のため、将来にわたって地方自治体の財政負担が過重とならないよう、各自治体の実態を踏まえながら、介護及び介護予防に係る給付費並びに一般介護予防事業に係る地域支援事業費の国庫負担割合を現行の20%から引き上げ、調整交付金を別途配分するなど、更なる財政基盤の強化により、介護保険料上昇の抑制に努めること。
また、40歳から64歳までの医療保険加入者が65歳到達により、年金からの特別徴収に切り替わるが、切り替えまでの一定期間は普通徴収となるため、特別徴収に切り替わるまでの期間の介護保険料について未納が発生しやすいことから、徴収方法の改善措置を講じること。
9 平成27年4月に導入された公費による低所得者の介護保険料軽減制度について、低所得者の高齢者が支払う保険料の軽減に対する補填は、国の責任において負担割合を見直し、国の負担比重を大きくすること。
10 介護予防・日常生活支援総合事業の多様なサービスの展開を促進するため、NPO法人やボランティア団体などが補助制度を活用し新たな介護サービス提供者となり得るよう参入しやすい環境を整えるとともに、人材育成策を支援すること。
議案第17号
青森県市長会提出
公立病院廃止に取り組む地方公共団体への支援について
病院事業を設置する地方公共団体は、新公立病院改革ガイドラインにおいて、地域医療構想の達成の推進を図る観点も踏まえつつ、新公立病院改革プランを策定し、病院機能の見直し、経営の改革に総合的に取り組むこととされている。
この取組においては、地域の将来的な医療機能を見据え、公立病院を廃止する検討も必要となるが、公立病院の廃止にあたっては、閉院までの間の患者の減少、診療機能の低下等に伴い収益が悪化し、閉院時に清算に要する多額の費用が発生することが見込まれるところである。しかしながら、当該ガイドラインにおいて、再編・ネットワーク化に伴い、公立病院を廃止する場合における財政支援のあり方については、具体的な支援策が示されていない。
今後、人口減少や一層の少子高齢化の進展など、人口構造・社会情勢が大きく変化していく中において、各市で公立病院の廃止を含めた議論がなされることが想定される。
よって、国は、地方公共団体が地域医療構想の実現に向けた取組として公立病院を廃止する場合において、過去に設置されていた「第三セクター等改革推進債」のような、病院事業の清算に係る経費への財政支援を講じるよう要望する。
議案第18号
青森県市長会提出
農業政策の充実強化について
平成30年産以降の自主的な生産調整は主食用米の過剰生産による米価下落が懸念されることから、水田を活用し、戦略作物への転換が継続的に進められ、米価格の安定が図られてきたところであり、特に「水田フル活用ビジョン」に基づき、地域の裁量で活用可能な産地交付金は、麦・大豆などの生産性を向上するうえで重要な役割を果たしている。
また、平成30年度より、これまで戦略作物として主に作付された大豆・小麦・飼料作物などに係る産地交付金の交付要件が変更されたものの、令和元年までは、経過措置的に条件が緩和されてきたことにより、主食用米の生産への転換を抑えられてきたところである。
しかしながら今後は、これまで地域で定着されている技術については、交付要件からは非該当となり、また新たな技術を導入した場合、機械の購入等により農家負担が増え、農業経営を断念し、離農を選択する農家が見込まれる。
産地交付金のこれまでの条件緩和を継続することで主食用米への再転換に歯止めがかかり、その結果、主食用米の過剰供給による米価格の大幅な下落、また、作付けを断念することによる遊休農地の拡大の懸念が解消されるものと思われる。
よって、国は、農業経営体が自らの経営判断に基づき作物を選択できる環境を整備するため、水田活用直接支払交付金を恒久的に維持するとともに、産地交付金については、大豆・小麦・飼料作物等の戦略作物の本作化を進められるよう、その交付要件を緩和するよう要望する。
議案第19号
岩手県市長会提出
農林水産業政策の充実強化について
農業を取り巻く情勢は、農業従事者の高齢化や担い手不足に加え、国際経済連携協定による農林水産業の生産額への影響など、大変厳しいものになっている。
日本が協議している経済連携協定は、①TAG交渉、②TPP交渉、③EU・EPA交渉、④RCEPなどがある。これらの協定の協議に際しては、我が国としての輸出戦略も同時に明示されるべきであり、農林水産業の生産減少額はもとより、雇用の喪失額、水田による洪水防止、地下水かん養機能などの多面的機能の喪失額など、幅広い見方が必要である。同時に、中山間地域の農業の持続可能な支援策についても策定する必要がある。
一方で、農業の有する多面的機能の発揮への取組としての多面的機能支払交付金制度は、地域資源の保全管理が期待できる活動や水路等施設の長寿命化活動を通じて、地域資源の質的向上を図っており、地域住民の自助・互助活動での活用が図られているものの、事業費に上限があり活動に支障を生じている状況にある。
水産業においては、豊かな水産資源とリアス海岸の地形を生かして古くから漁業が盛んに営まれてきた三陸沿岸地域においても、近年は、漁獲量が減少傾向にあり、漁業者にとって将来にわたる漁業経営に対する不安が生じるとともに、水産加工業をはじめとする関連産業への影響も顕著となっている。
漁獲量の減少は、東日本大震災による海洋環境の変化や地球温暖化による漁場の変化のほか、大量の漁獲や若齢魚の漁獲、さらには産卵前の親魚漁獲など、資源の回復力を超えた漁獲が行われていることなどに起因していると言われている。
よって、国は、地方における重要産業である農林水産業が、将来にわたり持続的発展が図られるよう、次の事項について特段の措置を講じるよう要望する。
記
1 農林水産関係者の意見を踏まえ、農業・林業や漁業に関わるものが将来にわたって意欲を持って経営を継続できるよう、農林水産関連施策の一層の充実を図るとともに、地域経済の安定化を図る施策の強化を図ること。
2 各経済連携協定や日米貿易協定などの進捗状況を踏まえ、主要な農林水産物の影響額と対応策を明示し、懸念される国内農林水産業への影響が現実のものとならないよう万全の措置を講じること。
3 中山間地域の条件不利地域等については、一層の体質強化が図られるよう、品質向上や高付加価値化等による収益力向上のための支援など、必要な措置を講じること。
4 水田活用の産地交付金を活用した特色ある産地づくりを進めることができるよう助成メニューの設定について、地域の裁量により弾力的な運用ができるよう要件を緩和するとともに、必要な予算を確保、配分すること。
5 地域資源の維持・向上が図られ、活動組織が事業に取り組みやすくなるよう、多面的機能支払交付金制度における水路改修等工事費の1件当たりの上限を廃止すること。
6 水産政策の改革の着実かつ適切な推進に向け、永続的で適切な漁業資源の管理について、調査・研究の充実を図り、科学的で合理的な資源管理施策を一層促進するとともに漁業経営や地域経済の安定化を図る施策を強化すること。
また、サケやサンマ、サバのような北太平洋を広く回遊する魚種の資源管理については、これまで以上に国家間及び広域的な取り組みの促進と連携の強化を図るとともに、沿岸漁業における採介藻漁業の資源管理については、密漁などの法令違反行為を防ぐよう、より一層の取締りの強化を図ること。
7 韓国をはじめとする三陸産水産物等の輸入規制に関し、輸出再開に向けた取組強化と関係する漁業者の救済を図るとともに、福島原発の処理水の海洋放出を絶対に行わないこと。
8 太平洋クロマグロの漁獲可能量(TAC)配分枠の策定にあたっては、適切な漁獲配分となるよう、十分な調整を図るとともに、資源管理に伴う漁業経営への影響緩和策の拡充を図ること。
9 サバ等については、付加価値の高いサイズの漁獲を促進し、資源の有効活用による水産業の成長産業化を図るとともに、三陸沿岸におけるサケ、サンマ、スルメイカなどの主要魚種の漁獲量の減少に伴い、加工用原料の確保が困難になっていることから、その安定確保に向けた施策の充実を図ること。
10 東北太平洋沿岸における秋サケの回帰低下が深刻化していることから、種苗放流に関する支援をはじめ、回帰向上に向けた試験研究の取組などの強化を図るとともに、ホタテガイやカキなどの二枚貝及びホヤ等の貝毒に関する調査・研究の取組及び養殖漁業者の経営支援策について、充実・強化を図ること。
議案第20号
山形県市長会提出
遊休農地(果樹園地)解消への支援について
山形県内のある市における農業従事者は、60歳以上が全農業者の約8割を占めるなど、年々高齢化が進んでおり、農業従事者数も年々減少している。
今後、さらに高齢化による離農が進むと、農地利用集積などの対策を行っても遊休農地は増加していくことが想定される。
県内では、さくらんぼやりんご、ラ・フランスなどの果樹生産が盛んに行われているため、遊休農地についても、果樹の樹木の他に、さくらんぼの雨よけ施設やぶどうの棚などの構築物もそのままで廃園になっている状況もある。
特に前年度は、りんごの黒星病により大きな被害を受けており、耕作放棄されたりんごの園地が感染源にもなっているほか、サルやクマなどの鳥獣被害の発生原因ともなっている。
県内の多くの市では、遊休農地の解消に向け、遊休農地を借り受ける場合に抜根整地の費用や構築物の撤去費用に係る補助事業等を市単独で行っており、財政的な負担となっている。
よって、国は、地域農業の振興に寄与するために、遊休農地、特に果樹園地の解消対策について、財政支援措置を講じるよう要望する。
議案第21号
宮城県市長会提出
教育環境の充実について
学校を取り巻く環境は、いじめ・不登校問題をはじめ、特別な支援を必要とする児童生徒の増加など複雑・困難な状況にある。
小中学校の特別支援学級においては、在籍児童生徒の増加や障害の重複化、多様化に伴い、個別の教育的ニーズに応じた適切な対応と人的配置が課題となっている。加えて、通常の学級における発達障害児の増加に伴い、通級指導教室や特別支援教育支援員の必要性も増しているが、国の財政措置(地方交付税)による人員の配置は、自治体の財政状況により異なり、自治体によっては十分な配置が図られていない現状にある。
また、特別な教育的支援を必要とする児童生徒のための医療・福祉との連携や保護者支援等、連絡・調整を担う特別支援教育コーディネーターの存在は大きい。特に近年、早期発達支援の充実が求められており、「幼保小連携」のパイプ役となる小学校におけるコーディネーターの役割の重要性が増している。
一方で、学校施設の整備に目を向けると、老朽化した校舎の長寿命化や児童生徒が安心して学校生活を送るための教育環境の改善など、様々な課題への対応が求められている。特に、昨今、記録的な猛暑が続き、児童生徒の熱中症予防や学習効果の向上を図るためには、学校施設への空調設備設置を早急に進めることが求められている。
そのような中、国では、平成25年度に国庫補助事業の改善として「長寿命化改良事業」を創設し、平成30年度第1次補正予算においては、「ブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金」を設けたところである。
しかしながら、近年、国の公立学校施設の改修・整備に係る交付金は減少しており、多くの自治体で事業採択が見送られている状況にある。また、空調設備設置等に係る交付金については、今回の補正予算限りの特例的な財政支援であり、設置後の維持管理経費等の負担が多大になることが見込まれる。
多額の経費を要する学校施設の整備を自治体単独で継続的に実施していくことは困難であり、国の財政支援は必要不可欠である。
よって、国は、教育環境における上記のような現状を踏まえ、次の事項について特段の措置を講じるよう要望する。
記
1 小中学校の特別支援学級における学級編制基準の見直しを行うこと。
2 特別支援教育支援員について、国庫補助制度の創設や国又は県による人的配置を検討すること。
3 小中学校における特別支援教育コーディネーターの専任配置を進めること。また、通級指導教室を設置できるよう、通級指導に係る基礎定数の改善を図ること。
4 学校施設の整備に係る必要な財源を確保し、確実な財政措置を講じること。
5 学校施設の整備に係る国庫負担金・交付金の算定基準単価が実勢の建築単価と大きく乖離していることから、実勢価格に見合った算定基準単価へ見直しを図ること。
6 空調設備設置においては、普通教室、特別教室以外の管理諸室等への整備が可能となるよう十分な財政措置を講じるとともに、財政負担の平準化及び整備期間の短縮を可能とするリースを活用した整備についても財政措置を講じること。
7 空調設備設置後のランニングコストや、今後も必要となる設備の更新等についても、必要な財政措置を講じること。
議案第22号
青森県市長会提出
国土交通政策の充実強化について
近年は、全国各地で、集中豪雨による水害や大雪による雪害、火山災害など、人命に関わる大きな災害が後を絶たない状況であり、また、首都直下型地震や南海トラフ地震など、大規模地震や津波の発生が危惧されている状況にある。
災害から国民の生命・身体・財産を守り、また、災害時発生時に社会的・経済的影響を最小限にとどめるため、緊急避難において重要な役割を担う路線の拡幅や迂回路の確保など、防災・減災の観点から、緊急避難道路等の整備が重要である。
また、地域公共交通については、人口減少等により利用者が年々減少し、その維持確保が大変困難な状況になっている。また、多くの地方においては乗合タクシー等の導入により交通空白エリアの解消に努めているが、過疎地域における小規模なタクシー事業者等においては、従業員が少ないうえに試験会場が遠いこと、さらには資格取得についての煩雑な手続きなどを理由に、事業許可の取得に至らない実例がある。
このように、それぞれの地域が実情に応じた対策を進めようとする中、国の当該予算の確保等が不十分なため、地方に必要な支援が行き届かず、地方部の地域公共交通の維持確保が危ぶまれている。
よって国は、次の事項について特段の措置を講じるよう要望する。
記
1 防災・減災体制の強化を図るため、青森県太平洋沿岸地域住民の重要な避難道路となる高瀬川架橋の新設をはじめ、各地域における緊急避難道路や迂回路の整備など、大規模災害が発生した際にも対応できる、広域的な交通基盤の整備を進めること。
2 地域公共交通を維持確保するため、地域公共交通確保維持改善事業に係る必要予算額を確保し、補助率の引き下げや補助要件の引き上げ等については、都市部と地方部を取り巻く環境の違いを勘案すること。
3 地域の生活の足である地方鉄道の鉄道軌道安全輸送等整備事業等に要する経費について、地方自治体が独自で行う補助金の交付額に応じて、国においても地方自治体に対して補助金の交付を行うなど制度を拡充すること。
4 乗合タクシーの本格運行に係る道路運送法第4条許可を受けるにあたり、許可申請等について簡素化、簡略化を図るなど、過疎地の小規模事業者が乗合タクシーの導入を進めやすい体制づくりを推進すること。
議案第23号
岩手県市長会提出
地域公共交通の充実について
地方都市の公共交通は、人口減少、少子高齢化、マイカーの普及などにより利用者数が低迷を続けており、その中で高齢者や学生等のマイカーを持たない住民の足をいかに確保し、維持していくかが喫緊の課題である。
県内では、それぞれの地域の実情に合わせ、BRT、路線バス、乗合タクシー及びデマンド交通の運行とともに、復旧・復興の状況や日々変化する市民ニーズに対応しながら、運行経路の見直しやバス停の新設等に取り組んでいる都市や、バス事業者の採算が合わずに休廃止している路線に自治体運営のコミュニティバスやデマンドバスの運行に取り組んでいる都市などがある。
しかしながら、国の支援に基準を満たさない、利用者が少ない非効率路線は拡大傾向にあり、令和2年度をもって被災地特例(特定被災地域公共交通調査事業)が終了となることから、バス路線の減便・撤退が進み、地域公共交通を維持確保する上での負担が大きくなることが憂慮される。
よって、国は、市民生活に欠かすことのできない地域公共交通の維持確保のため、次の事項について特段の措置を講じるよう要望する。
記
1 仮設住宅が整備された地区を通る路線バス及び自治体が委託運行するコミュニティバス、デマンドバスを補助対象にする被災地特例が終了した後、復興公営住宅が整備された地区を通る路線バス等を補助対象とする恒久的な財政支援を講じること。
2 バス事業者が運行する広域路線バス及び自治体が運行するコミュニティバス、デマンドバスについて、令和3年度以降も1日あたり輸送量等の国庫補助要件の緩和措置を講じること。
議案第24号
福島県市長会提出
国土交通政策の充実強化について
道路、港湾、河川、砂防、下水道、街路、鉄道、空港等の社会資本の整備及び維持管理は、安全・安心な社会生活を確保するために必要不可欠である。
特に、近年、頻発する集中豪雨や記録的な大雪等により多くの被害が発生していることなどにより、自治体への財政的な負担が増加することが危惧される中、安全で災害に強いまちづくりのため、インフラの整備はもとより、ソフト面の対策も重要となっている。
また、人口減少、マイカーの普及等により地域の公共交通機関の利用者数は低迷しており、路線の減便や廃止が相次いでいる中、高齢者等の足をいかに確保し、維持していくかが喫緊の課題となっている。
よって、国は、次の事項について特段の措置を講じるよう要望する。
記
1 社会資本総合整備計画に基づき、継続した事業の実施が確実にできるよう、社会資本整備総合交付金及び防災・安全交付金について、十分な予算を確保すること。
2 円滑な道路ネットワークの実現のため、慢性的に渋滞が発生している区間に更に負荷が増大することとなる道路整備が行われる場合においては、渋滞解消を図る調査を実施すること。
3 国際バルク戦略港湾政策の実現に向け、滞船の解消や沖防波堤等の早期整備を図るとともに、既存施設の再整備・再編による機能高度化を図ること。
4 降雪期の過酷な雪国の現状を踏まえ、特に過疎化・高齢化が進行し、単なる除雪だけでなく自治体が地域住民の安全・安心な生活を守らなければならない自治体としての役割が増加している観点から、除雪費の財源充実・確保を図ること。
5 下水道の公共的役割に対する国の責務の観点から、下水道施設の改築に対する国費支援を確実に継続すること。
また、自治体が実施する下水道の基幹事業と一体となって行う末端管渠整備について、平成27年度から社会資本整備総合交付金の対象外となったが、汚水処理施設未普及地域の早期解消(10年概成)の実現に向け、社会資本整備総合交付金の効果促進事業の対象とすること。
また、現在の防災・安全交付金事業における耐震化は、南海トラフ・首都直下型地震の地域等を主な対象としているので、その他の地域についても既存の下水道施設耐震化に係る国費支援を拡充すること。
6 新幹線鉄道の沿線地域における騒音・振動対策については、かねてより国土交通省の指導のもとJR東日本が対策を講じ、一定の改善効果が認められるものの、依然として環境基準値を超える地点が点在していることから、沿線住民の良好な生活環境の保全を図るため、新幹線鉄道の騒音・振動の低減について事業者に対し適切な指導を講じること。
7 福島空港については、平成29年3月に福島県が警視庁と「福島空港における富士山等の噴火時の待避場所の確保に関する覚書」を締結するなど、今後想定される大規模災害に対応できる防災拠点空港としての役割も期待されているので、福島空港を含めた周辺地域を、首都圏などの補完機能を備えた東北圏域の防災施設の中核となる基幹的拠点として位置付けること。また、福島空港の防災拠点としての機能を、国の防災基本計画の中に位置付けること。
8 災害時の避難所として利用される公民館などの社会教育施設の耐震化について、社会資本整備総合交付金、防災・安全交付金等を活用し、耐震診断、耐震改修等を進めているところであるが、交付率の嵩上げや補助対象限度額の引上げ及び防災拠点に位置付けられていない施設への対象の拡大など、更なる財政措置の拡充を行うこと。
9 地方が安全・安心な暮らしや、人と人との交流が盛んな活力ある地域を形成していくために、充実した公共交通を維持していくことが重要であることから、地域公共交通の安定維持に向け、地域公共交通確保維持改善事業における補助対象要件の緩和、補助率の拡充及び財源の確保を図るとともに、新たな交通手段の導入に係る支援策を講じること。
また、地域の実情に応じ自治体が運行する、コミュニティバスやデマンドタクシー等の地域公共交通に対する財政支援措置を拡充すること。
10 地籍調査事業を安定的、計画的に実施するため、必要な財源の確保及び国庫負担率の引上げと補助対象経費の拡大など財政措置の拡充を図るとともに、最新技術を活用した効率的調査方法の検討、導入を図ること。
議案第25号
岩手県市長会提出
道路・橋梁・港湾等の整備及び老朽化対策並びに防災・減災対策
事業に係る財政支援等の充実について
市民生活の安全・安心の確保には、社会的基本インフラである道路・橋梁等の整備及び適正な維持管理が重要であるが、これらの社会資本ストックは、高度経済成長期に集中的に整備されており、今後、急速に老朽化が進み、維持管理費・更新費が増大することが見込まれる。
少子高齢化が進展する中、子どもから高齢者までが安全で快適に暮らせるまちづくりを進めるためには、道路ネットワークによる地域・拠点の連携や未整備区間の解消を図るなど、今後においても長期間にわたり、計画的に道路・橋梁等の社会基盤の整備に取り組む必要がある
また、近年、気候変動の影響等により自然災害が頻発化・激甚化しており、自然災害に事前から備え、市民の生命・財産を守る防災・減災、国土強靭化は、一層重要性を増している。国においては、経済や生活を支え、国民の生命を守る重要インフラ等の機能維持のための対策に、令和2年度まで集中的に取り組むこととしており、県内各市においても、自然災害から住民の生活を守るための社会資本整備を早急に進める必要がある。
更には、港湾は、住民の生活、地域の産業活動を支える基盤として、重要な役割を担っているほか、大規模な災害発生時において、支援のための人や物資の受入・搬送の拠点としての役割や、周辺地域・背後圏である内陸部への緊急物資等受入の拠点としても重要な役割を担うことから、有事に備え、早急な整備が必要である。
よって、国は、道路・橋梁・港湾等公共施設の社会基盤の整備・維持管理を長期的・安定的に行い、国土強靭化を推進するため、次の事項について特段の措置を講じるよう要望する。
記
1 社会基盤の整備・老朽化・維持管理等に対する財政支援について
(1)道路・橋梁等の社会基盤の整備並びに老朽化に伴う維持修繕、更新等に係る調査及び修繕に対する国の補助制度及び地方債措置等の財政措置等を拡充すること。
(2)地方自治体が計画的に道路整備を進めるために必要な「社会資本整備総合交付金」と「防災・安全交付金」の予算を安定的に確保すること。
(3)道路法改正等に伴う道路構造物の点検義務化により負担増となった地方自治体の管理維持経費に対し、財政支援措置を講じること。
2 国土強靭化と防災・減災対策等の充実強化について
(1)防災・減災及び迅速な復旧・復興に資する国土強靭化に集中的に取り組むとともに、更に充実強化すること。
(2)道路、河川、砂防、上下水道等の社会資本整備を集中的に推進するため、社会資本整備総合交付金等を確保するなど、国土強靭化と防災・減災を加速するための財源を十分確保すること。
(3)事業年度が令和2年度までとされている防災・減災・国土強靱化緊急対策事業及び緊急自然災害防止対策事業債については、引き続き、地方財政措置の拡充を図るとともに、令和3年度以降も継続的に対策事業を実施できるよう期限を延長すること。
3 重要港湾「釜石港」は、ガントリークレーンの供用開始以降、主要物流拠点としての機能が強化され、また、外貿コンテナ定期航路も開設し取扱量の増加が期待されていることから、東北横断自動車道釜石秋田線など「重要物流道路」として指定された路線について、引き続き機能強化や重点整備・支援を行うこと。
4 重要港湾「宮古港」の港湾整備の重要性に鑑み、船舶の入出港と荷役作業の安全性を確保するため、早急に港内の静穏度対策を行うとともに、災害発生時における災害派遣、物資、避難者等の輸送手段を確保するため、早急に岸壁の耐震化を行うこと。
5 国道4号の「山の神地区交差点改良」及び「国道4号北上花巻道路」の早期完成を図ること。
6 東北横断自動車道釜石秋田線の花巻~釜石間へのアクセス向上による利便性を高めるため、花巻PAスマートインターチェンジ整備促進に向け、継続して予算を確保すること。
7 老朽化が課題となっている、国道4号道路施設である道の駅「石鳥谷」の休憩施設(駐車場、トイレ)及び情報発信施設の再編に向けた確実な予算を措置すること。
議案第26号
秋田県市長会提出
交通体系の整備促進について
産業・経済・文化の活性化を図り、地域の発展と市民生活の向上を目指すため、運輸・交通体系の整備促進は重要な課題である。
特に、高速自動車道は、広域大規模災害に際して救援・援護活動の迅速な展開や支援物資の搬送等にその役割を遺憾なく発揮し地域間や広域的な連携の重要な基盤として、ミッシングリンクの解消による、ネットワークの早期完成が強く求められているところである。
よって、国は、運輸・交通体系の整備のため、次の事項について特段の措置を講じるよう要望する。
記
1 日本海沿岸東北自動車道の早期整備・早期完成を図ること。
2 日本海沿岸東北自動車道の既供用暫定2車線区間の正面衝突事故防止対策を推進するため、ワイヤーロープ式防護柵を導入すること。
3 秋田自動車道(北上JCT~大曲IC間)の4車線化を進めるとともに、スマートICを設置すること。
4 東北中央自動車道新庄・湯沢間の早期整備・早期完成を図ること。
5 西津軽能代沿岸道路の整備促進を図ること。
6 国道7号の整備促進を図ること。
7 秋田・山形・福島の3県を縦貫する極めて重要な産業基幹道路である国道13号の全線4車線化を図ること。
8 国道46号の整備促進を図ること。
議案第27号
山形県市長会提出
地域公共交通に対する車両更新費用等の補助制度の創設について
地域公共交通は、地域住民が生活するうえで、重要な移動手段であり、生活に必要なサービスを受けるために公共交通網を形成し、維持していくことが重要である。また、高齢者や免許返納者への対応など安全・安心を確保するために欠かせないものとなっている。
しかし、自家用車主体の生活スタイルの定着や人口減少等により公共交通の利用が年々減少し、更には交通事業者の収支悪化に伴う路線の廃止やドライバー不足等により、公共交通を維持することが困難となっている。また、廃止となった民間バス路線を公営バスとして運営しているが、車両の更新費用や運営費が地方自治体においては大きな財政負担となっている。
よって、国は、こうした状況を踏まえ、地域における持続可能で利便性の高い公共交通網の実現に向け、車両更新費用等に対する新たな国庫補助制度を創設されるよう要望する。
議案第28号
宮城県市長会提出
国土交通政策の充実強化について
産業・経済・文化の活性化を図り、地域の発展と市民生活の向上を目指すため、高速交通体系の整備促進は重要な課題である。
よって、国は、次の事項について特段の措置を講じるよう要望する。
記
1 高規格幹線道路として、
・三陸沿岸道路を令和2年度までに全線開通を図ること。
・仙台北部道路の4車線化及び富谷ジャンクションのフルジャンクション化の整備 促進を図ること。
2 地域高規格道路として、
・みやぎ県北高速幹線道路の整備促進を図ること。
・仙台空港と東北縦貫自動車道を結ぶ緊急輸送路の整備を直轄事業として取り組むこと。
・地域高規格道路候補石巻新庄道路を早期に計画路線に指定すること。
復興支援道路として位置付けられた国道284号の高規格化の早期実現を図ること。
・広域的な横断道路として、白石・角田・山元間の東北縦貫自動車道及び国道4号と常磐自動車道及び国道6号を連結する地域高規格道路を指定し整備を図ること。
3 一般国道として
・国道4号における4車線拡幅の未事業区間について、早期に事業化を図ること。
・緊急輸送路である国道47号の道路改良を通常予算の別枠で実施すること。
・国道349号の道路改良及び自歩道の整備促進を図ること。
議案第29号
宮城県市長会提出
強い農業の基盤整備と水産都市の諸課題への取組みについて
宮城県は、全国有数の米作地帯として栄え、「ササニシキ」、「ひとめぼれ」発祥の地として良質な米の生産に努めている。今後も継続して強く豊かな農業を実現していくためには、農業の体質強化を図ることが不可欠であり、そのためには農地中間管理事業との連携を密にしつつ、農地の基盤整備を契機とした農地の集積による農業経営体の育成に努める必要がある。また、近年は中山間地域を中心にイノシシをはじめとした有害鳥獣による農作物への被害に悩まされており、農業振興を妨げる新たな障害となっていることから、総合的かつ広域的な対策が必要となっている。
また、本県は三陸沖漁場などの恵まれた海域を有する全国屈指の水産県でもある。しかしながら、水産業、水産加工業を取り巻く状況は、資源の悪化による漁獲量の減少や水産加工品の原材料高騰、調達困難に加え東日本大震災の影響を受けた慢性的な労働力不足、経営悪化など多くの課題を抱えていることから早急な対応が必要となっている。
記
1 農業農村整備事業関係予算については、補正予算と臨時・特別の措置を含めれば、過去に大幅な削減が行われた時期以前の水準まで回復しているものの、計画的な事業執行を行うため、当初予算において確実に措置すること。
2 有害鳥獣対策の強化を図るため、鳥獣被害防止総合対策交付金制度の一層の拡充と自治体相互の連携等、総合的な対策の実施に必要な予算を確保すること。
3 漁業並びに水産加工業の労働力不足を補うため、外国人技能実習制度のさらなる弾力化に加え、特定技能外国人の地域への就労の促進・維持が図られるよう、外国人材が大都市圏などの特定の地域に集中することを防止するための方策を講じるとともに、相談窓口の設置や日本語教室の開催等、共生社会実現に向けた地方自治体等の取組に対して十分な財政支援を行うこと。
4 遠洋・沖合漁業に従事する漁船乗組員の福利厚生及び新規就業者の確保に資するよう、低廉な定額料金による海上高速通信サービスの更なる高度化・普及に努めること。
5 世界的な水産物需要の増大により、加工用原料の確保が困難になっていることから、原料価格の高騰等により利益率が低下する場合に融資を受けやすくなるよう認定条件を見直すなど融資制度の充実を図ること。
6 水産資源の減少や販路回復の遅れなどにより、水産加工業者の本格的復興に予想以上の時間を要している中で、施設復旧のために受けた既存融資制度における返済猶予期間が終了することから、当該期間の延長等実情に沿った支援策を講じること。
7 津波による避難勧告・指示発令時並びに津波襲来時において、関係者が安心して避難行動をとることができるよう、魚市場に上場、存置された魚介類の滅失、損傷、価値低下等に対する救済措置の創設を図ること。
8 資源悪化や地球温暖化などにより、産地魚市場の取扱数量・金額が連続的に減少する中で、マーケットが求める高度衛生管理を目指す卸売機関の経営安定のため、市場の維持管理を担う自治体に対して財政支援を行い使用料の削減を図り、卸売機関に対しても新たな補助制度による支援を行うとともに、特に災害級の不漁などの事態にあっては、卸売機関の経営に対する緊急的な支援措置を講じること。
9 漁場機能の維持・回復に向け、漁業者等が行う海洋ごみの回収・処理、水産都市の漂流・漂着・海洋ごみ対策に係る財政措置を拡充し、漁具の適正な使用・管理を漁業者に指導するとともに、漁具等の持ち帰りやリサイクル技術の開発・普及を促進すること。
議案第30号
山形県市長会提出
「緊急防災・減災事業債制度」及び「防災・減災、国土強靱化
のための3か年緊急対策」の継続について
近年、全国的に大規模な地震や集中豪雨等といった自然災害が頻発するなど、住民生活の安全・安心が脅かされる事態が生じている。
こうした中、厳しい財政状況にもかかわらず早急に災害への対策が求められている地方自治体にとって、「緊急防災・減災事業債」は必要不可欠で重要な制度であるが、緊急防災・減災事業の事業期間は令和2年度までとされている。
また「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」の事業期間についても、令和2年度までとされている。
しかしながら、防災・減災、国土強靭化への対応はまだ途上であり、制度及び緊急対策の終了により、住民の生命を守る災害対策の停滞が懸念される。
今後も気候変動の影響等による集中豪雨の増加や大規模地震の発生などが危惧されている状況でもある。
よって、国は、地方自治体が計画的に防災・減災、国土強靭化に取り組み、住民が安心して生活できるよう、「緊急防災・減災事業債制度」及び「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」を継続されるよう強く要望する。