平成16年度県予算編成に対する要望
総務部関係
地方税財政基盤の確立について
地方自治体においては、厳しい財政状況の下、創意・工夫を凝らしながら、徹底した行財政改革に積極的に取り組みつつ、様々な行政課題に対応しているが、地方分権型社会を実現するために残された最大の課題は、国から地方への税源移譲等による地方税財政基盤の確立である。
ついては、地方自治体の意見を十分反映しつつ、地方分権時代に相応しい地方税財政基盤を確立されるよう、次の事項について国に対して働きかけられるよう特段の御配慮を要望する。
1.基幹税である所得税から個人住民税へ、消費税から地方消費税への税源移譲等を早期に実現し、税収が安定的で、かつ、税源の偏在性が少ない地方税体系を構築すること。
2.地方交付税については、地域間で税源が偏在するなかで一定の行政水準を確保するため、財源保障と財源調整の二つの機能を堅持し、所要総額を安定的に確保すること。
3.国庫補助負担金の廃止・縮減にあたっては、地方で引続き実施すべき事業については、削減額に見合う税源移譲を同時に実施し、基幹税の充実を基本に地方財源を確保すること。また、国の歳出削減を目的とした、単なる補助率の引下げや補助対象の縮減など、地方への負担転嫁は行わないこと。
地方債の高金利負担に係る軽減措置について
現在、地方自治体の財政は、景気低迷による地方税の減収や地方交付税の減額等、国の制度改正により一般財源が大きく減少する一方で、過去に高金利で借り入れた地方債の償還等の義務的経費による財政運営の硬直化が進行するなど極めて厳しい状況にある。
このような現状においても、地方自治体においては、生活関連社会資本の整備をはじめ、産業の振興や少子・高齢社会に対応した福祉施策など、地域の住民生活に直結した行政需要に対応しなければならない。
ついては、次の事項について国に対して働きかけられるよう特段の御配慮を要望する。
1.政府資金等で借り入れた地方債についても借換債を認めること。
2.平成11年度臨時特例繰上償還による起債制限比率及び適用年度の拡大を図るとともに、準公債費比率による要件設定を追加すること。
借換債の条件緩和について
水道事業は施設事業であり、施設建設や施設の維持管理に多額の費用を要し、その費用の大半は企業債で賄われているのが各水道事業体の現状である。
過去に借り入れた企業債の利率は、現在の低金利時代においては考えられない利率であり、水道財政を圧迫している。
ついては、上水道高料金対策借換債の条件である資本費、給水原価や借換債の対象企業債の利率(年7%以上のもの)を緩和するなどの措置について、国に対して働きかけられるよう特段の御配慮を要望する。
工業用水道事業会計への繰出金の負担軽減について
企業局が事業主体で整備した白河複合型拠点整備事業の「工業の森・新白河」は、平成11年4月から本格的な分譲を開始し、これまで積極的な企業誘致活動を展開してきたところであるが、引き続く厳しい社会・経済情勢の中で思うような実績が上がっていない状況にある。
白河市は、本事業の実施に関して県と締結した協定に基づき、工業団地の付加価値を高めるための地元負担事業として工業用水道を整備し本格分譲に備えたところであるが、分譲開始以来今日まで給水収益が全くない状態が続いていることから工業用水道事業会計が成り立たず、同会計に対して市の一般会計から毎年多額の収支不足額を繰出ししているところであり、厳しい財政運営をさらに圧迫している結果となっている。
ついては、工業用水道事業会計に対する市の繰出金の負担軽減を図るため、県の支援措置について特段の御配慮を要望する。
堤県有地の有効活用について
須賀川市堤地区の県有地(面積約11.5ha)は、県立高等学校建設用地として、昭和53年に市が県に代わって代行取得したものであるが、その後の社会情勢の変化等により、県立高等学校建設計画が実現に至らず、以来25年間、未だ利用されないままの状況にある。
ついては、県有財産の適正な維持管理から、さらには貴重な財産を提供した堤地区地権者の心情を賢察のうえ、早期に有効活用されるよう特段の御配慮を要望する。
県からの事務移譲に伴う所要財源の確保について
平成12年4月に地方分権一括法の施行に伴い、多くの国・県の事務が市町村に移譲されている。
しかし、これら移譲事務については、その財源が市町村に十分に移譲されておらず、地方分権推進委員会の勧告等が満足に反映されたものとはいえない。
特に、県からの特例条例による事務移譲については、地方交付税の算定基礎とならないため、不足分は事実上、市町村側の持ち出しとならざるを得ない。
ついては、市町村側の実経費等を調査のうえ、事務執行に要する財源措置を講じられるよう特段の御配慮を要望する。
住民基本台帳ネットワークシステム事業に係る独自利用を行う場合の財政支援について
住民基本台帳ネットワークシステムの第二次稼動において、市町村が行う独自サービスのうち、証明書自動交付機を利用して住民票の写し、印鑑登録証明書その他の証明書の交付を受けるサービス等6サービスについては、導入SI経費や機器リース料等に対し、特別交付税措置がなされる予定となっているが、支援額の基準や額等が明確にされておらず、また、想定されるその他のサービスについては財政支援がなされないことから、明確な支援額等を示す補助制度の確立と支援枠の拡大について国に対して働きかけられるよう特段の御配慮を要望する。
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