平成15年度県予算編成に対する要望

企画調整部関係


首都機能移転の推進について


 首都機能移転は、東京一極集中の是正、多極分散型国土形成に資するばかりでなく、大規模災害等に対する危機管理の観点などから、国土政策上極めて緊急かつ重要な課題であり、平成2年の国会決議を受け、今日まで10年以上にわたって調査審議を積み重ね、国をあげて取り組んできた一大プロジェクトである。
 しかしながら、移転先候補地の絞り込みを行うとされていた本年5月に結論が先送りされ、衆議院国会等移転特別委員会は、移転の規模や形態を抜本的に見直した上で、来年の通常国会の本会議で改めて移転の是非について決議することを申し合わせるなど、実質的に首都機能移転問題が振り出しに戻ったと言える状況になったことは誠に遺憾である。
 ついては、国会決議の原点に立ち返り、首都機能移転の早期実現に積極的に取り組まれ、国民的議論を喚起するとともに、移転先候補地の決定にあたっては、国会等移転審議会から最も高い評価を得て選定された「栃木・福島地域」を十分配慮されるよう国への働きかけについて要望する。


「うつくしま未来博記念の森」の実現について


 「うつくしま未来博」跡地を後世に記念継承するために、県において「うつくしま未来博記念の森」づくりをはじめ、次の事項について特段の御配慮を要望する。


1.現在県が整備を行っている「生活環境保全林区域」等を、県の広域公園である「福島空港公園」の一部に位置付け、その用地約25haを県が取得し、施設整備を進めること。

2.「うつくしま未来博」跡地に「環境との共生」の啓蒙普及の拠点となる「(仮称)福島県環境教育センター」を設置すること。

3.未来博施設であった「森の学校」、「からくり民話茶屋」については、今後とも未来博開催期間中と同様の利用に供せる施設 とするため「うつくしま未来博成果継承基金」の活用事業に位 置付けること。


電源地域振興のための総合的施策の確立について


 国民生活と経済活動にとって電力の安定供給は極めて重要であり、将来にわたって電源立地の円滑な推進を期するためには、電源地域振興のための総合的施策の確立及び現行交付金制度の改善等を図ることが必要である。
 ついては、電源地域の振興に関して次の事項について特段の御配慮を要望する。


1.相馬地方を原子力発電所立地地域振興に関する特別措置法(特措法)に基づく地域指定のエリアとすること。

2.電源地域の産業の振興、雇用の確保及びそのための基盤整備事業の推進を図ること。

3.石炭火力発電所の運転に伴う石炭灰捨て場所在市町村への財政支援制度の創設を図ること。

4.地域と発電所との共生の実現のための振興策を大幅に拡充すること。


本県におけるインランド・デポの設置について


 経済活動の国際化が進展している中で、県内の輸出入に関わる企業の大部分は、首都圏の港湾や空港を利用している状況にある。
 ついては、より効率的な物流体系の構築を図るうえから、国際物流拠点の形成や企業の国際化を推進し、地域経済の活性化を図るため、インランド・デポの設置について特段の御配慮を要望する。
 


電子市役所構築に向けた各種ネットワークの統一促進について


 国・県・市を結ぶネットワークは、総務省による「総合行政ネットワーク(LGWAN)」、「住民基本台帳ネットワーク(J-NET)」、内閣府による「全国消費生活ネットワーク(PIO-NET)」、社会保険庁による「社会保険オンラインシステム」、厚生労働省による「厚生労働行政総合情報システム(WISH)」など、それぞれの業務に応じた個別のネットワークとなっており、機器整備に係る経費や運用面において課題となっている。
 ついては、これらのネットワークの一部には、LGWANへ収容する方向で検討している動きがあるが、経費の節減及び管理の簡素化を図る観点から、更なる促進について国に対して働きかけられるよう特段の御配慮を要望する。


磐越西線へのミニ新幹線等の乗り入れについて


 会津地方は、「21世紀の国土のグランドデザイン」において、日本海国土軸と北東国土軸の結節点にあたり、新たな国土づくりの上で重要な地域であるが、国土縦走型の交通体系から離れた地域にあり、今後の地域振興のためには、道路交通網の整備と併せ、磐越西線をはじめとした鉄道交通の利便性強化が求められている。
 ついては、東北新幹線の便益を広く地域に波及させるミニ新幹線の乗り入れや軌間可変電車(フリーゲージトレイン)の導入、さらにはその前提として磐越西線の充実強化に資する複線化について国及び関係機関へ働きかけられるよう特段の御配慮を要望する。


郡山南拠点地区への新駅設置及び福島空港への軌道系アクセス整備の促進について


 郡山市は、平成5年3月に首都圏近接の空港として開港した福島空港の空港隣接母都市として、又、南東北の中核都市として地域産業、経済、文化など様々な面で調和のとれた都市の形成を進めているところである。
 特に、魅力ある都市拠点整備として「郡山南拠点地区(約35ヘクタール)」の開発事業を積極的に推進しており、コンベンション機能の中枢をなす県産業交流館(ビッグパレットふくしま)のほか、シビックコア機能を持つ県郡山合同庁舎が建設予定となっており、副都心としてさらなる都市機能の集積が図られる予定である。
ついては、同地区の機能強化及び多数の来訪者への対応、さらには福島空港との連携を強めるため、定時性を持った大量輸送機関の整備が必要であるので、次の事項についてJR東日本(株)等関係機関へ働きかけられるよう特段の御配慮を要望する。


1.郡山南拠点地区内への軌道によるアクセス確保のため、JR東北本線への「新駅設置」を図ること。

2.福島空港と中心部を直結するアクセスとして最短時間で結ぶ「水郡線の分岐・延伸」を図ること。


鉄道駅バリアフリー施設整備に係る県費補助制度の創設について


 多くの県民が利用し、地域の基幹施設である駅舎のバリアフリー化については、エスカレーター、エレベーター等の未整備箇所があり、利用者に不便を来たしている状況にあることから早急な整備が望まれている。
このことから、JR東日本(株)においては、駅舎等施設整備計画を策定し、又、事業主体となり、国土交通省所管の「交通施設バリアフリー施設整備補助制度」を活用して整備を進めているところである。
ついては、当該制度に基づく地方自治体の負担分の軽減について、県独自の助成制度の創設されるよう特段の御配慮を要望する。


 ○特記事項 郡山駅


相双地域への大学高等教育機関の設置について


 相双地域は、火力及び原子力発電施設の立地が進み、電源立地集中地域として経済社会の発展に貢献しているのは言うまでもなく、一層の産・学・官の連携による地域づくりと人づくりが相双地域生活圏の振興を図る上で、欠かせない重要な課題となっている。
 ついては、電源地域としての地域特性を生かした高等教育機関の設置や、技術革新や高度情報化の進展など経済社会の変化に対応し、地域ニーズにあった高度な職業能力を持つ人材育成のための県立高等技術専門校の大学への昇格など、相双地域への大学等高等教育機関の設置について特段の御配慮を要望する。