平成15年度県予算編成に対する要望
生活環境部関係
生活バス路線に対する支援措置について
生活バス路線は、モータリゼーションの進展に伴い、路線数・利用者数とも年々減少の一途を辿っている。
国及び県においては、生活バスに対する市町村への財政支援策を講じているところであるが、補助対象・補助率も限られることなどから、要件を満たすことができず、市町村の単独負担が増大している現状である。
ついては、次の事項について特段の御配慮を要望する。
1.「福島県市町村生活バス補助金交付要綱」における補助制度の維持及び補助要件の緩和を図ること。
2.広域的な路線でも運行回数不足などの要件を満たさない路線の維持に対する支援を図ること。
3.市町村内を運行する赤字路線の維持や行政バス運行など市町村や地域の生活交通の確保への支援を図ること。
4.規制緩和実施後における県民の生活バス路線の確保を図ること。
5.公共交通の利便性を高める市町村、交通事業者、地域の取り組みへの支援を図ること。
JR常磐線のスピードアップ及び施設整備の充実強化について
JR常磐線の輸送力強化は、高速自動車国道、港湾の整備及び浜通り地方の振興を図るうえで極めて重要な課題となっている。
特に、新幹線を有する中通り地方と比較すると、当地方は著しく鉄道輸送力が立ち遅れた状況にある。
ついては、次の事項について国及びJR東日本(株)等へ働きかけられるよう特段の御配慮を要望する。
1.高速交通化に対応するための複線化、線形改良、軌道強化等輸送力強化のための施設整備の充実を図ること。
2.上野・仙台間を運行する特急スーパーひたち号の増便及び4両編成から7両編成への増結を図ること。
3.いわき駅以北で老朽化している駅舎の改築及び上屋がないホームへ上屋の設置を図ること。
4.電力移出県交付金を活用し、特急スーパーひたち号の性能が発揮できる線形改良(四ツ倉〜岩沼間)、軌道強化、複線化等施設整備の充実強化を図ること。
5.大雨、強風等自然災害発生時ダイヤの乱れや運休により利用者の利便性を損なわぬよう鉄道基盤の強化を図ること。
廃棄物処理施設の整備促進について
近年、産業廃棄物の発生量は、年々増大し、首都圏からの搬入問題、さらに地方においても不法投棄等の問題が発生している。
特に、常磐自動車道が広野まで供用開始されたことによる首都圏からの廃棄物の搬入や、企業の立地等による産業廃棄物の発生量の増大が大きな社会問題となっている。
ついては、産業廃棄物の適正処理の促進を図るとともに、公共の産業廃棄物処理施設の建設について、(財)福島県環境保全公社の組織を拡張し、相双地方への廃棄物処理センターの設置を要望する。
また、既設の公共一般廃棄物処理施設の建設に係る補助率の拡大及び維持管理費用についても助成措置を図られるよう特段の御配慮を要望する。
合併処理浄化槽設置整備事業の予算確保について
自治体においては、合併処理浄化槽設置整備事業を実施し、その設置普及に取り組んでいるところであるが、単独処理浄化槽の製造中止に伴い、今後の合併処理浄化槽の設置基数はますます増加するものと思われる。
ついては、合併処理浄化槽設置整備事業の促進と補助金の確保について特段の御配慮を要望する。
合併処理浄化槽維持管理費に係る県費補助制度の創設について
浄化槽法及び建築基準法の一部改正に伴い、今後新たに浄化槽を設置する場合原則合併処理浄化槽が義務付けられることにより、河川環境が大きく改善されると思われる。
しかしながら、合併処理浄化槽の年間維持経費は、下水道等利用者と比べると割高であるため、これが適正維持管理の徹底を困難にしている。
ついては、合併処理浄化槽使用者の負担軽減と適正維持管理の促進を図るため、県費補助制度の創設について特段の御配慮を要望する。
「緑のダイヤモンド計画事業」の促進について
磐梯朝日国立公園雄国沼湿原一帯は、全国に誇れる有数の景勝地で、貴重な国民の共有財産でもあり、これを将来にわたり保全する責務がある。
しかしながら、近年、観光客やハイカー等の激増に伴い、植生の踏み荒らし・ゴミの投げ捨て・交通渋滞が発生しており、「うつくしい雄国」の自然環境を危ういものにしている。
特に、水芭蕉、レンゲツツジ、ニッコウキスゲ等の見頃である5月から7月にかけての交通渋滞の問題は深刻である。
ついては、雄国山麓に駐車場を設置し、マイカーによる入山を全面的に規制するとともに、駐車場からのシャトルバスを運行することが最も効果が大きいものと思われるので「緑のダイヤモンド計画事業」において雄国山麓に駐車場が早期に着工されるよう特段の御配慮を要望する。
環境に関する調査研究拠点施設の整備について
昨今の地球的環境問題や地域社会における都市型・生活型公害の顕在化を鑑みると、これら環境対策が今後ますます重要になってくるものと認識しているところである。
過般、県において猪苗代湖及び裏磐梯湖沼の水環境保全に関する条例が制定されたが、周辺自治体にとっては猪苗代湖はかけがえのない重要な水資源であり、また貴重な観光資源でもあることから、猪苗代湖の水環境の保全が必要不可欠であり、そのためには、酸性雨による自然への影響なども含め、総合的な調査研究を進める体制と施設が必要である。
ついては、当該地域に環境教育・学習機能を併せ持った調査研究拠点施設を整備されるよう特段の御配慮を要望する。
青少年等海外派遣事業「うつくしま県民の翼」におけるグリーン・ツーリズム活動研修コースの創設について
県新長期総合計画「うつくしま21」では、多彩な地域資源を活用しながらグリーン・ツーリズムを促進するとされており、自治体においても農業農村の活性化策の一つとして事業を推進しているところである。
グリーン・ツーリズムは先進地ヨーロッパに学ぶところが非常に大きいため、国内研修のみならず、ヨーロッパ諸国の現状を視察し、日本とヨーロッパにおけるグリーン・ツーリズムの相違を見聞し、我が国におけるグリーン・ツーリズムのあり方を思考するための研修の機会を設けることが非常に重要であり、とりわけ青少年にこの機会を与えることが、ひいては農業後継者の育成にもつながるものと考える。
ついては、現在実施されている青少年等海外派遣事業「うつくしま県民の翼」に新たに「グリーン・ツーリズム活動研修コース」を創設又は既存のコースにグリーン・ツーリズム研修を盛り込むよう特段の御配慮を要望する。
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